事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

アンステレオタイプアライアンス「3つのP」がネガティブリストではない証拠:ハフポスト記事「巨乳は性的アピールではない」

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UN Womenの自己矛盾

アンステレオタイプアライアンス「3つのP」

月曜日のたわわ広告:治部れんげ「見たくない表現に触れない権利等3つの問題」の評判 - 事実を整える

国連女性機関UN Women日本事務所が月曜日のたわわ広告に抗議も…石川雅恵所長「3つのPはネガティブチェックではない」と言っていた - 事実を整える

日経新聞4月4日付の月曜日のたわわ広告に対して、治部れんげ氏が個人として「見たくない表現に触れない権利をメディアが守っていない」とハフポストで主張(UN Womenアンステレオタイプアライアンスアドバイザーであることは触れられず)。そこにおいて「3つのP」に抵触すると主張。

その後、国連女性機関UN Women日本事務所が「本部」から抗議があったとして石川雅恵所長がハフポストのインタビューに応じ、日経新聞とのアライアンスや覚書違反の問題であり、「3つのP」に反している、などと主張

しかし、アンステレオタイプアライアンス「3つのP」は、石川所長が以下発言。

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アンステレオタイプとは? UN Women日本事務所の所長石川雅恵さんにリモート取材しました

「誤解を招かないように申し上げますと、アンステレオタイプアライアンスは炎上する広告を作らないためのネガティブチェックをしているわけではありません。ポジティブで深みのある広告を検討するための視点として、3つのPを示しているのです。」

要するに、「3つのP」は、決して禁止規範ではないし、どれか一つでも満たしていなかったら「違反」であり、全て悪いこととして評価される、という使い方をするものではないということ。

それを彼女自身が言っていたにもかかわらず、それに真っ向から反する主張を、月曜日のたわわ日経新聞に関して主張しだした、ということです。

では、彼女の最初の見解が間違っていたのでしょうか?

そんなことはありません。

その証拠があります。

日経ウーマンエンパワーメント広告賞受賞作品も3つのPを全て満たしていない

  1. Presence(プレゼンス:存在)
    どのような人物が登場しているか。男性、女性を含め、多様な人々が含まれていることが望ましい。
  2. Perspective(パースペクティブ:視点)
    誰の視点からストーリーが語られているのか。偏りのない視点で取り上げられるようにする。
  3. Personaily(パーソナリティ:個性)
    登場人物に深みがあるか。人物を外見だけでなく、人格や主体性を持つ存在として多面的に描く。

第2回「ウーマンエンパワーメント広告賞」受賞作、優秀作を一挙紹介:日経xwoman

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この画像にある広告は、日経ウーマンエンパワーメント広告賞受賞作品です。

が、3つのPを全て満たしていないですよね?

「多様な人々が含まれている」が必須の要素なら、一人だけの構図は無理ですからね。

「3つのP」がネガティブリストではない証拠です。

もしもネガティブリストだというのならば、この広告賞は何年も行われてるのに、その間にUN Women日本事務所は何も言ってこなかった、ということになり、おかしい。

そもそも、「多様な人々が含まれている」と「登場人物に深み・人格や主体性を持つ存在として多面的に描く」は、基本的には相反する価値基準でしょう。

動画広告ならともかく、一枚絵において、登場人物に深みを持たせようとしたら特定の人物にフォーカスしなければならず、それ以外の人物の存在感は希薄にせざるを得ないのですから。

そのため、「3つのP」が最初からネガティブリストではなくポジティブリストだというのは、その意味内容からして自明だったわけです。

ハフポスト記事「巨乳は性的なアピールではない」⇒月曜日のたわわは「過度に胸を強調して性的に描いた」

ハフポストはつい最近の今年の2月にジリアン・フィッシャー氏が「胸が大きいのは「性的なアピール」じゃない」と主張する文を英語版ハフポストから紹介。

編集部や記者としての見解がある記事ではありませんが、その趣旨に賛同しているからこそいちいち英語版から日本語版に翻訳して転載したのでしょう。

とすると、月曜日のたわわ日経新聞広告について金春喜記者が「性的に描いた女子高生のイラスト」と書き、治部れんげ氏が「性的な表現に触れたくない人の権利を守れていない」と評し、石川雅恵所長が「女子高生には『性的な魅力で男性を応援する』という人格しか与えられていません。」と言っているのは、完全に矛盾します。

ここでも、ハフポストの自己矛盾が発生しているという事です。

まとめ:ハフポストもUN Women日本事務局も、月曜日のたわわを叩くために無理やり従前の価値観と矛盾した態度

この状況を鑑みると、ハフポストもUN Women日本事務局も、月曜日のたわわを叩くために無理やり従前の価値観と矛盾した態度を取っている、ということになります。

まともな組織ではない。

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