麹町文子氏の安倍総理・安倍政権の評価に関する記事をプレジデントが削除しましたが、ちょっと気になる点があります。削除された記事の魚拓から考えていきます。
プレジデント編集部が麹町文子の記事削除と謝罪
【プレジデント編集部からのお詫び】8月27日にプレジデントオンラインに掲載した麹町文子氏の記事(https://t.co/zw6YRT1RRd)を削除しました。本記事は総理大臣の資質として、病気であるか否かだけを問うものではありませんでしたが、(続く)
— PRESIDENT Online (@Pre_Online) 2020年8月27日
編集部が付けたタイトルによって、それが必須の資質であるかのようにもとれる印象を読者の皆様に与える結果となってしまいました。著者並びに読者の皆様にお詫び申し上げるとともに、再発防止に努めます。(プレジデント編集部 編集長 小倉健一)
— PRESIDENT Online (@Pre_Online) 2020年8月27日
プレジデント編集部が麹町文子氏の記事を削除したことを報告し、謝罪しました。
だがちょっと待って欲しい、その削除理由で納得できるでしょうか?
麹町文子の安倍総理関係記事の削除理由が不可解
プレジデントオンラインの説明する麹町文子の安倍総理関係記事の削除理由は不可解であると感じませんか?
「総理大臣の資質は、病気であるか否かが必須である」という印象がタイトルによってもたらされたというなら、タイトルを変えればいいじゃないですか。
理由は別のところにあるんじゃないですかね?
産経新聞の偽情報ルート炙り出し報道
安倍首相、28日に会見…コロナ対応に体調言及も 「健康不安説」騒動、ニセ情報ルートあぶり出し (2/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト
安倍晋三首相は、28日に記者会見を開く方向で調整に入った。新たな新型コロナウイルスの対応を説明する方針で、自身の体調にも言及する見通しだ。首相は新型コロナ対策にあたるため、6月20日まで147日連続で執務した。過労や潰瘍性大腸炎という持病の悪化が懸念されたが、官邸幹部は回復に自信を持ちつつある。一連の「健康不安説」騒動では、ニセ情報を流した複数ルートがあぶり出されたという。
中略
一連の「健康不安説」騒動では、永田町周辺から「重病説」や「退陣説」が流された。明らかなデマも多々あった。
官邸周辺は「複数のニセ情報ルート、謀略情報ルートが明らかになった。『新聞・通信社関係』や『党幹部周辺』『厚労省周辺』『病院関係者』などだ。寝首をかきに来た面々や、愉快犯のようにウソを吹聴している人物もいた。裏切り者がハッキリ分かった。安倍首相は今後、適切に対応するだろう」と語っている。
8月27日午前には産経新聞がこのような報道をしていました。
「偽情報ルートが炙り出された」という書き方になっていますが、十中八九、官邸側がワザと偽情報を掴ませて造反者を特定しようとしたということでしょう。
これが麹町文子氏の記事の削除に関係した可能性があるんじゃないでしょうか?
麹町文子の削除された記事の魚拓から健康関連部分
ということで、削除された麹町文子氏の記事の魚拓から、安倍総理の健康関連部分を抜き出してみました。
元URL:ttps://president.jp/articles/-/38283
政府関係者「2期で辞めればよかった」
「たしかに『あの時辞めていたら……』というのはあるかもしれないな」
本来なら歴代最長記録に沸いていたはずの政府関係者はこう声を潜めた。8月24日、安倍総理が真っ先に向かった先は東京・信濃町の慶応大病院。17日の日帰り受診から2週続けての訪問で、政界は総理の「健康不安」説で持ちきりだ。「またしても突然の辞任があるのではないか」。13年前に持病の潰瘍性大腸炎が悪化し、志半ばで総理の座を退いた時と重ねる向きは少なくない。もちろん、その真贋は安倍総理と医師団にしかわからない。安倍総理自身は24日、「(健康問題については)今日は再検査を行ったところで、またそうしたことについては話をさせていただきたい」とけむに巻いた。中略
国家のトップが健康に万全を期すのは当然
しかし、現実は2020年4~6月期の実質GDPが前期比年率で27.8%減と戦後最大の落ち込みを記録。アベノミクス効果が「帳消し」となった形で、目先の欲にかられて腹八分目で終えなかった者の悲しい結末ともいえる。
麻生太郎副総理兼財務相から「あなたも147日間休まずに働いてみたことはありますか?」と言われなくとも、総理の職が激務であることは分かっている。しかし、コロナ禍の今は国民も大変な時期であり、失業や収入減に苦しむ人々がいるのも事実だ。陣頭指揮をとる国家のトップは健康管理に万全を期すのが当たり前で、経済のみならず外交も安全保障も決して滞ることなく、エネルギッシュに行う責務がある。だが、安倍総理のもう1つの看板である「外交の安倍」も鳴りを潜めているのが現実だろう。世界中に新型コロナウイルスが広がり、得意の外遊を果たせないとの意見はあるかもしれないが、それは他国も同じである。国際情勢に休みはなく、超大国の米国と中国は貿易戦争で激しくしのぎを削り、国益をかけた戦いを繰り広げているのだ。同盟国である米国は総領事館の閉鎖や中国の動画投稿アプリ「TikTok」の売却命令、通信機器大手「ファーウェイ」への追加制裁などに踏み切り、中国の軍事的覇権主義や海洋進出に対抗している。
中略
親中路線をとる“世界の嫌われ者”文在寅
中略健康に問題がないなら、安倍総理もコロナ禍で鬱積した国民の不安や不満を放つように「強い外交」を再度強調し、文大統領にガツンとかましてやれないのだろうか。
コロナ対策、外交政策、全て失敗
安倍政権のお偉いさんたちは「ポスト安倍は誰になるのか」ということばかりに目を向け、コロナ禍の国民の苦しさも、外交完敗に伴う国民の恥ずかしさにもあまり関心はないようだ。いまだ「コロナ対応の責任は安倍政権にはない。悪いのは自治体だ」などと責任転嫁する政府高官の発言が繰り返され、専門家や国民の懸念を無視して強行した観光需要刺激策「GoToトラベルキャンペーン」の効果を宣伝する始末である。もはやブラックジョークの域だろう。
激動の国際社会において、国内政局や内輪もめばかりしている安倍政権のお偉いさんの話につきあっているほど今の国民に余裕はない。「経済の安倍」も、「外交の安倍」という言葉も死語になりつつある今、「史上最長」という冠だけが残ったというのはあまりに悲しいものがある。だが、すでに「燃え尽き症候群」に至っているならば、この国の未来はもはや託せないという点だけは肝に銘じるべきである。
全4ページの記事ですが、文量だけ見ると、安倍総理の健康に関連する部分はあまり多くありません。しかし、安倍総理の健康状態に絡めた表現(「国際情勢に休みはなく」や「ポスト安倍は誰になるのかばかりに目を向け」など)が随所にあるため、記事の根幹部分となってしまっているのが分かります。
産経の報道によって、この前提が成り立たなくなったため、麹町文子氏の記事は、根幹が成り立たなくなり、削除せざるを得なくなった、しかしそれをダイレクトに言うのは憚られるので、編集部のタイトルのせいにした。
こんなところじゃないか?というのは考えすぎだろうか?
(他に北朝鮮の「委任統治」など真偽が曖昧な点もあるが断定調ではなく、決定的な事実誤認は見当たらない)
以上