故・仙谷由人氏が、中国漁船の船長釈放は菅直人総理の意向を受けて要望したと認めていました。
仙谷由人、中国漁船の船長釈放は菅直人総理の意向を受けて働きかけをしたと認めていた
中国漁船衝突事件の船長釈放、仙谷元官房長官「法務次官に要望」認める(1/2ページ) - 産経ニュース
尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で平成22年9月に起きた中国漁船衝突事件をめぐり、仙谷由人官房長官(当時)が、菅直人首相(同)の意向も踏まえ、公務執行妨害で逮捕された中国人船長を釈放するよう法務・検察当局に水面下で政治的な働きかけを行っていたことが23日、分かった。仙谷氏が同日、産経新聞の取材に応じ、認めた。
仙谷氏は、衝突事件と同時期に大阪地検特捜部による証拠改竄(かいざん)事件が発覚したことで大野恒太郎法務事務次官と面会することも多くなったことから、「次官とはいろいろ話をした。私の政治的な判断での要望については当然、話をしたと思う」と述べた。
当時官房長官だった故・仙谷由人氏が、中国漁船衝突事件の船長釈放は、菅直人総理大臣の意向を受けて法務・検察当局に働きかけをしたと認めていました。
この報道、2013年のものですよ。
時事通信も報じていたようだが
仙谷氏、尖閣漁船衝突事件で「釈放」働きかけていた: J-CAST ニュース
2010年発生した尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で、当時の仙谷由人官房長官が菅直人首相の意向を受け、逮捕された中国人船長の釈放を働きかけていたと2013年9月23日、報じられた。仙谷氏が時事通信のインタビューで明らかにし、産経新聞も24日、同様の内容を報じた。
時事通信も仙谷由人氏のインタビューをして産経に先行して報じていたようですが、現在時事通信で検索しても当該記事は見当たりません。yahooの記事はとっくに削除されており魚拓も残っていませんでした。
別媒体の記事は例えば以下です。
「船長釈放へ当局と調整」=仙谷元長官、政治関与を証言―尖閣沖漁船衝突事件
前原誠司の証言が初ではない
この話、関係者の間では、首相の指示というのは公然の秘密だったが、遂に仙谷先生は最期までそのことを公言されず、内輪の会合でも言葉を濁したまま、棺桶まで持っていかれた。政権としての行為はともかく、仙谷先生の事後の姿勢は流石である。それにひきかえ… https://t.co/VAR6qX12oq
— Koji Matsui 松井孝治 (@matsuikoji) 2020年9月8日
2020年9月8日に前原誠司氏が「船長釈放は菅直人総理大臣の指示だった」と暴露しており、「こういう認識を公言した当時の政権関係者は初めて」のような言説が広まっているのが私にとっては物凄く不思議です。
松井孝治氏ですら知らなかったくらいに、報道がまったくなされていなかったということであると理解するべきなのかもしれません。テレビ番組で放送されていなければそうなるのかもしれません。
そうすると、この話はもう一つの論点として、既存のメディアによる「このような傾向の情報を忖度して報道しない」体質が浮き彫りになったという点が大いに語られるべきなんだろうと思います。
→今回、産経新聞の取材に応じたのは、仙谷先生に対する思いがあったからです。しかし、あの世に行った時、仙谷先生に叱られるかもしれません。「前原よ。墓場まで持っていかんかい」(誠)https://t.co/NFeYVj5SaH @Sankei_newsより
— 前原誠司 (@Maehara2016) 2020年9月8日
というか前原氏も産経と時事通信の報道は知らなかったのだろうか?
それとも、本人が言っていたというのは誤報だったとでも言うのでしょうか?産経と時事通信の2社が報じているのに?
※追記
前原誠司氏の証言では、菅直人総理が外務省幹部らに直接「釈放しろ!」と言ったとあり、この点が初めて明らかになった部分です。
つまり、2013年の仙谷氏の証言は①菅総理⇒②仙谷官房長官⇒③法務・検察当局というルートだったのが、2020年の前原氏の証言は①菅⇒②外務省⇒???⇒③法務・検察当局???というルートで、若干異なります。
しかし、いずれも検察庁法上の指揮権発動を潜脱するために間に介在する人物・機関が異なるだけであって、菅直人総理の意向が反映されたという点は同じであって、殊更に分ける必要性を感じません。
むしろ、ここでは検察による釈放の判断に影響を与えたことが重要であるにもかかわらず、2020年の前原氏の証言は外務省幹部への菅直人総理の働きかけであって、その後の法務・検察へのルートが定かではありません。
以上