事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

Spectee(スペクティ)の評判:SNSユーザーは規約に注意

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SNS上で動画をUPしたら利用許諾を得ようとするアカウントがあります。

事件等の報道用としては大手テレビメディアが連絡してくる場合が多いのですが、最近は「Spectee」(スペクティ)と名乗るアカウントがあるので情報を集めてみました。

Specteeとは

日本法人:スペクティ(株式会社Spectee)

海外法人:Spectee

主要なサービスとしてはSNS上の情報をピックアップする「Spectee」、AIアナウンサー「荒木ゆい」の自動読み上げプラットフォーム、AI開発プラットフォームの「SIGNAL」、リアルタイムローカル情報発信「LOCALIVE」などが紹介されてます。

複数のSNS上の情報をAIで取得して報道機関に提供することもやっています。

要するにAIを使った情報収集・分析によっていろんな事業をやってるってことですね。

一般のSNSユーザーにとっては自分があげた画像・動画について使用許諾を求められるケースがあるため、それについてどのように扱われているのか整理しました。

Spectee の評判・評価:「動画乞食」と呼ばれてしまう

Specteeユーザーではなく、Specteeから画像・動画の提供を要請された方の意見です。

Specteeは動画の提供を受ける際には、「無償提供のみ」を扱っているようです。

そのことで「動画乞食」と呼ばれてしまっていました。

動画ツイートに対するリプライは、動画投稿時間とタイムラグがバラバラであることから、AIではなく手動でやっているようです。

スマホアプリでは動画のアップロード者のクレジットを付けてシェアして表示する機能がありますが、それをしているにもかかわらずシェアした人に対して利用許諾を求めているケースも見られます。

いまのところ、@spectee_video、@Spectee_LT、@spectee_news、@SpecteeNews1、@spectee_jp、@SpecteeIncなどのアカウントを持っているようです(公式マークが無いので成り済まされたらわかりませんが、ツイート履歴からしてその可能性は低い)

利用規約はSpecteeが「無償で、再許諾・譲渡可能な権利を有する」

利用許諾を得るツイートに添付されているのは、Specteeのコンテンツ利用規約です。

Spectee・スペクティの利用規約

第3条(著作権)の項を見ると、「コンテンツの著作権は、提供者に帰属します。ただし、Specteeは、Specteeが国内外のメディアに対し、コンテンツの使用・編集・配信・は生物の作成を許諾する、期間の制限がなく、無償で、再許諾・譲渡可能な権利を有するものとします」という規定があります。

要するに著作権は提供者に残るが、その後の利用はクレジット表記をすること以外は自由にやりますよ、ということが書いています。

こうした利用方法はクリエイティブコモンズライセンスのCC BY-SAでも見られるものであり(このライセンス表示がある場合は許諾なく利用可能)、元の作品の改変を伴う利用は可能だが、クレジットを表示した上でないといけないという縛りが継承されることになっています。

参考:クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン

報道機関に売って儲けを得る目的ではない?

規約3条の文言では譲渡可能な権利の項に「無償で」とあるので、報道機関に無償で提供するのでしょうか?

「無償で」が再許諾・譲渡にもかかっているのか、それとも「無償で(そのような)権利を得ることとする」という意味なのか。

これは規約の文章が英語を直訳したような感じなので、よくわかりません。

ただ、提供者との関係でその後の譲渡を有償か無償か説明する必要はないので、後者の意味に過ぎないような気がします。

一般SNSユーザーにとっては応じないのが最適解

動画をあげる一般SNSユーザーの中には、事件の様子を映した動画が広まることで社会の利益になれば良いと考えている人が大勢います。

なので、無償だろうが動画を提供する人は多いです。

ただ、合理的な人間を措定したときの最適解としては、他の報道機関が動画を買いにくる、あるいは自分が有償で売ることができるのであれば、わざわざSpecteeに無償譲渡する必要はない、ということになります。

Specteeとしても、「両者の合意」で無償譲渡の契約が成立する場合に限って動画の提供が受けられれば良いと考えていると思うので、無償提供の要求がただちに悪いとは言えないでしょう。

以上