あいちトリエンナーレの表現の不自由展に文化庁の補助金が採択されている事について、「菅官房長官が圧力をかけた」などという言説がメディアや特定野党議員によって広がっているので事実関係を確認していきます。
菅官房長官「事実関係を確認・精査」
令和元年8月2日(金)午前 | 令和元年 | 官房長官記者会見 | ニュース | 首相官邸ホームページ
産経新聞・中村 愛知県で昨日開幕した、あいちトリエンナーレで、慰安婦を表現した平和の少女像や、昭和天皇の御真影を焼く映像が展示され、波紋を広げています。愛知県などでつくる実行委員会が主催している国内最大規模の芸術祭ですけれども、政府として把握している 事実関係と今後の対応について教えてください。
菅 愛知県で開催されております、あいちトリエンナーレの企画の一つとして慰安婦を象徴とする少女像などが出品されていることは承知しております。あいちトリエンナーレは国が主催、後援しているものではありませんが、文化庁の補助事業として採択されていると報告を受けております。審査時点では具体の展示内容についての記載は無かったことから、補助金交付の決定にあたっては事実関係を確認・精査した上で適切に対応していきたいというふうに思います。
この発言が「公権力による弾圧」だと言われています。
たとえばこれ。
権力が芸術に口を出した結果がナチス・ドイツの「退廃芸術」批判であり、スターリン体制下の「公認芸術」賛美でした。河村市長や菅官房長官は、芸術的価値を理解できないバーバリアンなのでしょう。 https://t.co/lKNfWIFjxd
— 有田芳生 (@aritayoshifu) August 2, 2019
文化庁の助成金:事業審査をするのは当たり前
日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業(文化資源活用推進事業)の募集 | 文化庁
【募 集 案 内】を読むと分かる通り、文化庁からの補助金は愛知県を事業者としてあいちトリエンナーレの国際現代美術展に対して「採択」はされているものの、未だに執行・交付されているものではありません。
補助事業実施後、つまりトリエンナーレの開催時期の後に実績評価がなされて報告書が提出され、その中身を審査した上で最終的に補助金が交付される仕組みであるということが、予め示されています。
したがって、菅官房長官が「補助金交付の決定にあたっては事実関係を確認・精査した上で適切に対応していきたい」と言っているのは、当たり前の手続内容を言っているだけであって、何ら「圧力」をかけたという要素はありません。
朝日新聞文化財団はトリエンナーレの実行委員会:メディアスクラム
朝日新聞文化財団はトリエンナーレの助成団体であり、中日新聞は代表取締役社長が実行委員会の委員に名を連ねていますが、メディア総出で河村市長や菅官房長官の発言を政治介入だと言っています。松井市長の発言もその文脈で切り取られています。
河村市長の抗議文についてはトリエンナーレ実行委員会の会長代行たる名古屋市長としてのものである側面につき以下で論じています。
まとめ
令和元年8月6日(火)午前 | 令和元年 | 官房長官記者会見 | ニュース | 首相官邸ホームページ
文化庁で適切に対応すると言っただけだということは、6日の会見でも言及しています。
そもそも菅官房長官から積極的に発言をしたわけではなく、記者から質問を受けたために言及したに過ぎません。
こういう細かい事実を落として、さも菅官房長官=国が圧力をかけているという印象操作をしている記事が朝日新聞を筆頭に雨後の竹の子のごとく乱立しているのが現状です。
以上