事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「首相官邸の三権分立の図がフェイク、改竄」⇒民主党政権時代含め昔から同じ図でした

「首相官邸の三権分立の図がおかしい」「安倍内閣によって改竄された」と騒いでる人が居ますが、頭の程度が知れるのでやめたほうがいいですよ。その図、前々からありますし。

追記:三権分立の破壊ガーについて

首相官邸の三権分立の図がフェイク、主権者無視、矢印が逆、と言う指摘

f:id:Nathannate:20200510101620j:plain

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkai/kokkai_sankenbunritsu.htm

上図は衆議院HPで掲載されている三権分立の図ですが、確かに行政と国民との間は国民から行政に「世論」の矢印が向かっていますね。

内閣制度の概要 | 首相官邸ホームページ(URL:https://www.kantei.go.jp/jp/seido/seido_2.html

他の三権分立の説明との比較で、首相官邸の三権分立の図がフェイク、主権者無視、内閣と国民との関係の矢印が逆、「世論」の矢印が無い、と言う指摘があります。

……

いつから載ってる図なのか確認しましょう。

首相官邸の三権分立の図は安倍内閣以前の民主党政権時代も

首相官邸の三権分立の図

現行憲法下の内閣制度(2004年11月19日以降の古い首相官邸HPのURL)

はい、遅くとも2004年には同じような図になってます。

追記:更に調べたら1998年からこの図が存在していたようです。

https://web.archive.org/web/19980212222703/http://www.kantei.go.jp/jp/rekidai/1-2.html

で、この図は民主党政権時代にもそのままだったわけです

参考:https://web.archive.org/web/20091121160225/http://www.kantei.go.jp/jp/rekidai/1-2.html

首相官邸から見た関係を叙述するものとして何ら間違いではない

この図は首相官邸から見た「内閣制度」の記述です。

つまり、国会議員によって構成される閣僚の視点で叙述されたものと考えられます。

そのため、国民との関係は既に「選挙」で言及されているのであって、それは「世論」と一体なにが異なるのでしょうか?

なんらフェイクではないでしょう。

制度上の用語の中に「世論」を含めることは適切か?

それから、この図は選挙や国民投票、弾劾裁判、法令の違憲審査、衆議院の解散、国会の召集、最高裁判所長官の指名、など、憲法上にも記述のある制度上の文言などが中心に記述されているのがわかります。

このページの目次は「2.現行憲法下の内閣制度」となっています。

その中にポンッと一般用語である「世論」というワードが出てくることに違和感を覚えることもあるでしょう。

法制度上、国会議員以外の行政機関に対する国民の監視の手段は何か?というと、かなり苦しいものになるのではないでしょうか?

そう考えると、「行政サービスを提供する」という意味において国民との関係を「行政」と記述することは何らおかしなことではないのですが。

強いて言えば、「行政」であったとしても、双方向の矢印で表現することも可能というくらいしょうか?

以上