事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

内閣改造で元検察官の山下貴司が法務相に:憲法改正へ安倍総理は本気か

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内閣改造で石破派の山下貴司が法務大臣に就任しました。

山下貴司氏の経歴と過去の発言、他人からの評価について調べました。

安倍総理は、憲法改正に本気ですね。

山下貴司の経歴

政界進出前は大きく3つの仕事をしていたと言えるでしょう。

参考:衆議院議員山下たかし公式サイト

首相官邸:第3次安倍第3次改造内閣 大臣政務官名簿

捜査・公判検事

山下貴司氏は、東京大学法学部在学中に司法試験合格。卒業後、検事(検察官)に任官しています。

捜査・公判検事は、一般的な検察官の仕事のイメージである事件捜査・刑事裁判を担当するものです。東京地検特捜部にも複数回勤務経験があります。

ここまでなら、「普通の検事」です。

同じ検察官出身である山尾しおり(現:菅野しおり)はここの職域のみ経験しています。

政府の法律家

一言で言い表す適当な言葉が見つからないのですが、政府の法律家として公式サイトでは以下のように説明されています。

国際捜査や知的財産権にかかわる条約交渉、法務省関連の法律の改正などを担当したほか、農林水産省所管法令の審査も担当。農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS 法)や農地法の改正では、食の安全や農地利用の促進の流れを作るお手伝いをしました。

2010年に退官する前には法務省刑事局国際課国際刑事企画官として勤務していたということで、法律に従って刑事手続を行うというにとどまらない活躍をしていたということになります。

法務省で勤務する者の中でも法律の改正等にかかわるということは、実質的には「立法」に近い仕事をするということです。法的に深い知見が必要とされるポジションですので、単に「検察官経験者です」という人と比べて高い能力があると言っても過言ではないでしょう(捜査や公判も重要なのは変わりないですが)

元検察官の郷原信郎や若狭勝も法務省や公正取引委員会で勤務経験がありますが、彼らよりも幅広い領域で実績を残していると言えます。

なお、フルブライト奨学生として米国コロンビア大学ロースクールを卒業しています。

外交官

平成14年7月から平成17年8月には外交官(一等書記官兼法律顧問)として在ワシントン日本大使館に勤務。

従軍慰安婦訴訟や戦時捕虜訴訟で勝訴しています。

外交官となる検察官は少数、しかもアメリカですから、エリート中のエリートです。

法務相就任までの政界進出後の実績

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http://yamashita-takashi.jp/pdf/newsletter_08.pdf

平成24年の衆議院選挙で初当選した山下氏ですが、お世辞でもなんでもなく、ウルトラマンです。議員立法で8本の法律の起案をし、成立させたというのは文句なしの実績です。成立した法律についての解説書も出版しています。

山下貴司の評価

「黜陟幽明(ちゅっちょくゆうめい)」とは、功績に応じて人の評価をして登用することです。丸山穂高氏がここまで言うのですから、相当なものなんでしょう。

三原純子氏も心酔しているかのようです。

山下氏は慶應義塾大学法学部でゼミを担当していた時期もありますから、その関係で彼を知っている者も非常に期待しているようです。

特定の法案の成立を待ち望んでいた人たちにとっては、かなり評価が高そうです。

山下法相の過去の発言等

「正しい政治と歴史の知識だ。そのためには小中高校で偏りのない教育をやらなければならない。『アンチ巨人』ではないが、『アンチ政府』の立場を取ることが知識人の証しだというような教育をやれば、純粋な子供たちは将来の選択を誤ってしまう。中立・公平な教育をやっていく必要がある。それがあって初めて正しいモノの見方ができる」

政府や政治に対して斜に構えるような教育をしている人もいる。『将来を決める者としての教育』を実施することが必要だ」 

石破派に属する山下氏

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ツイッターアカウントも持っており、自民党総裁選の期間は石破茂の応援ツイート一色です。ただ、メインはフェイスブックで投稿しているので、最近の状況についてはそちらで発信していました。

石破派の議員の1人として、本気で石破茂を応援していたことがうかがえるツイートです。

政治家の目線で見ると、ここまで「義理を果たす」(本心ではあるだろうが)人間であれば、内閣に登用しても方針通りに行動してくれるだろうと期待するんじゃないでしょうか?

石破4条件については、確かに閣議で決めたものであるのは事実ですし、実際上は挙証責任が規制省庁側に課せられているという運用なので、実は嘘を言っていることにはならないのではないか?と思います。
参考

なお、菅義偉(すが・よしひで)官房長官にも近いとされているので、安倍内閣との親和性は高いのではないでしょうか。

山下貴司を法務大臣に起用した安倍総理は改憲に本気か?

憲法改正をするということは、法務大臣の国会答弁が重要であり、法的素養抜群の山下氏が最適任であることは間違いないでしょう。

ただ、如何に実務家として実績を積んできたとはいえ、山下氏はまだ3回生です。

あの小泉進次郎ですら4回生であり、大臣職の就任は未だないのですから、実績以上の政治的な思惑が無ければ抜擢はしないでしょう。報道の中には「石破派から重用して党内融和」などと書いているものもありますが、そんなものではないハズです。

まとめ:内閣改造でどうなる

山下氏は「石破派」であるというだけで、かなり懐疑的に見られていますが、逆に期待値がそれほど高くないのが幸いするのでしょうか?

マスメディアも叩きにくいと思います。

実務家としての能力と大臣としての能力は別なので、今後の発言次第であるとは思います。

以上