靖国神社の国有化・追悼施設設立に関して、ツイッター上で橋下・有本・百田・足立らが応酬している件について。
ここでは細かい論理ではなく、全体の流れとポイントを指摘します。
- 発端の動画:浅田議員「中曽根総理参拝で靖国問題が持ち上がった」
- 橋下徹と長島による靖国論
- 足立参戦
- 昭和天皇が親拝しなくなったのはなぜか?
- 富田メモと英霊との違いに触れない茶番
- まとめ:靖国神社の国有化・追悼施設設立の前提を議論せよ
発端の動画:浅田議員「中曽根総理参拝で靖国問題が持ち上がった」
日本維新の会の参院選マニフェストの中で、
【⑪ 9条議論の前提として国立追悼施設の整備やインテリジェンスの創設】
という項目があるのでそれに関連する話でした。
発端の動画
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) July 3, 2019
浅田「中曽根総理が参拝することで靖国の問題が持ち上がった」
これをぐちぐち論うことはしませんが、有本-橋下らのツイートはここから始まった。 pic.twitter.com/4PwjsYwcnN
書き起こしがありました⇒維新、参院選公約を発表(全文2完)自民のできないところに焦点(THE PAGE) - Yahoo!ニュース
とくに歴史問題について、このように基本的知識を備えないまま、安易な策(この場合は追悼施設建設)を繰り出すのが維新の問題点。こうした問題をニヤニヤしながら話すのも良くない。いわゆる靖国問題がどうして起きたか、百田尚樹著『日本国紀』のP.468~ を読んでほしい。 https://t.co/VHhj8fFbiv
— 有本 香 Kaori Arimoto (@arimoto_kaori) June 29, 2019
最初は「なぜ靖国問題が起きたか」という話でした。
中曽根総理の参拝は朝日新聞が騒いだ対象ではありますが、それが今現在の靖国問題の発端ではないということは明らかです。
橋下徹と長島による靖国論
少なくても僕が代表の時、靖国の歴史くらいは十分に勉強している。その上で天皇や首相が参拝できない状況をどう変えるかを考えた。靖国参拝に最もこだわる安倍政権ですら一度の参拝以後、今では全閣僚が参拝しない。というよりも、できない。 https://t.co/9j6sWyJmdW
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) June 29, 2019
維新のメッセージの出し方にも問題はあろう。しかし具体的な中身の批判ではなく基本知識がないとかバカにした批判は止めた方がいい。それでは議論にならない。僕はそこら辺のインテリよりも勉強している自信はある。僕は現在維新とは無関係だが、僕もバカだと批判されたように感じたので反論した。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) June 29, 2019
一連のツイートには考え方が示されているが、百田氏が問題点を指摘。
そういう対処療法を取れば、中韓はますます内政干渉をしてくるでしょう。
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) June 30, 2019
医療と同じで、症状を抑えるためだけの療法は、病気を治すどころか、さらに悪化させることになりかねません。 https://t.co/VQSZ7isR1v
君が何の本を読んだか知らないが、昭和天皇が参拝をやめられたのは76年からで、A級戦犯合祀が理由と決めつける理由はない。むしろ75年の三木首相の「私的参拝」という発言で「公的か私的か」で国会で大問題になったことではないかとも思える。もちろん陛下の心中を軽々に推し量ることは慎むべき。 https://t.co/EeBGIjrG2l
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) June 30, 2019
実は、長島明久議員が有本さんと議論を開始し、それに百田氏が反応したのが百田氏参戦の発端。
全く違います。その決議は完全に有効です。ただし、靖國神社に祀られることと、戦犯の名誉を回復することを同義と考えておりません。靖國神社への合祀は、外国からとやかく言われる筋合いのものではないものの、靖國本来の目的でなされるべきであると考えます。 https://t.co/KeuaMTR63c
— 長島昭久 (@nagashima21) June 30, 2019
何言うてんの、このオッサン。
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) June 30, 2019
靖國本来の目的でなされるべきって…あんた、靖國神社の責任者なのか。それとも、自分は部外者なのに靖國神社のことに口出しできる人物と思ってるの? https://t.co/xl4QMOwybJ
長島議員の論稿はこちら⇒安倍総理の靖国参拝について考える
「昭和殉難者」「靖国神社の伝統」について、多くの人が無視している視点が含まれて居ると思います。特に古い世代においては「戦争指導者」と「英霊」を分けて考えている人が居るのだということは、若い世代は知っておいた方が良いのだろうと思いました。
「戦争指導者」以前に、靖国は戦死した人を祀るところだ、という当たり前のことから論を進める必要がありそうです。いわゆるA級の人たちは、靖国に祀られないのが当たり前の時代を知らない人が多いことを忘れていた。https://t.co/T4fWTAPrbo
— 木星3 (@tetsulovebird) July 2, 2019
これらの論に有本さんと百田氏は反対のようですが、議論の経緯として知っておくべき事情だと思います。
足立参戦
百田さん、あまりにも人をバカにした言い方をしてきたのは、有本さん。橋下さんは、同じレベルまで降りていっただけ。
— 足立康史 (@adachiyasushi) July 3, 2019
まあ、本を売らないといけないのは分かりますが、私も、有権者の負託に応えなければなりません。口が悪いのはお互いさまです。
何卒よろしくお願い申し上げます! https://t.co/3TMBfEGCQJ
百田さんには、いくらでも謝りますが、有本さんには謝りません。維新のマニフェストについて勉強もせず、政調会長の動画ひとつ見ただけで、侮辱してきた。
— 足立康史 (@adachiyasushi) July 3, 2019
それから、先人を仕分けるなんて私がいつ言いましたか。私は、靖國神社を巡る混乱に終止符を打つのは国会議員の責任だと言っているだけです。 https://t.co/74YsyH4uld
こういった経緯で、今に至ります。
昭和天皇が親拝しなくなったのはなぜか?
靖国論
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) July 2, 2019
1:昭和天皇が参拝されなくなった理由は?
(a)中韓が騒いで政治問題化したせい
(b)いわゆるA級戦犯合祀のせい
2:分祀するべきか
(a)現代人が先人を裁くことになるので反対
(b)本来靖国神社は戦死者を慰霊する場所。戦争指導者を裁く意味合いは無く、元々の姿に戻すという国内問題。
③戦争指導者を分祀するべきかⅡ
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) July 3, 2019
(a)昭和天皇、上皇陛下は参拝しなかったが、今後は異なる可能性。先帝らは戦争指導者らを総覧する立場・同時代を生きた者として、靖國に参拝してはならないと考えていたのでは
(b)戦争指導者の分祀をしなければ天皇が参拝することはないhttps://t.co/QVqp10RZVa
本来は「なぜ靖国問題が起きたか」という話でした。
そして、両者とも【天皇陛下が英霊に御親拝できる状況を作ろう】というのが、この議論の真の目的だったはず。
その中で決して避けては通れないのが「昭和天皇が親拝されなくなったのはなぜか?」という視点です。
百田氏はいくつか、「中韓が騒いだから」という趣旨のツイートをしていますが、彼自身が日本国紀のい468頁以降に書いているように、1975年の三木武夫の参拝が「私人としてのものか」が騒がれたこと(その延長としての国会での議論)が原因ではないか、とも言っています。
対して橋下氏は「A級戦犯が合祀されたから」という見解です。
この違いは、昭和天皇実録に報道が載っている【富田メモ】の評価の話になるのは避けられないハズです。
しかし、橋下・有本・百田・足立らがこの3日間、この点に触れることはありませんでした。
富田メモと英霊との違いに触れない茶番
戦死した方々の想い、苦難については、まだ昔の左翼の方が真剣に考えていた。
— 木星3 (@tetsulovebird) July 3, 2019
今の自称「保守」の連中は、天皇や靖国、英霊をネタにほかの人に対してマウントとりたいだけだ。あいつらと靖国の話などしたくもない。
英霊というブランドがあるという感覚なんでしょう。
— 木星3 (@tetsulovebird) July 3, 2019
死んでいった一人ひとりの兵士、残された家族のことを思えば、合祀を簡単に受け入れられるはずはない。東京裁判にしか関心がない連中は、英霊のことなどこれっぽっちも考えちゃいない。
とにかく、あいつらは、祀られている一人ひとりの御霊のことなど関心はないのです。そんな奴らと話すことはない。
— 木星3 (@tetsulovebird) July 3, 2019
これは「東京裁判で裁かれた」ことを前提にしているのではなく、それを抜きにした戦争指導者と英霊(軍の命令で戦闘行為をして戦士していった者達)との関係と合祀の妥当性の議論です。
日本国内の問題として、日本人が主体的に考える話です。
これに同調せよということではありませんが、無視するなよと。
長島議員の論稿も、この点に触れたものでしたが、無視されました。
浅田さんのちょっとした間違いを庇おうとして変な流れになってしまいました。
まとめ:靖国神社の国有化・追悼施設設立の前提を議論せよ
1:浅田、中曽根総理の参拝を靖国問題の理由と記者に
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) July 3, 2019
2:有本、不見識と指摘
3:橋下、噛み付いた流れで議論と称したツイート開始
4:百田、足立が参戦
5:松井:矛を収めようとツイート
6:ツイッタ民、全部茶番なので呆れてる
なんか売り言葉買い言葉の論争になって富田メモの話すっ飛んでますけど、百田有本両氏昨日百田尚樹チャンネルで富田メモ言及されてましたよ。
— 後藤革命(敗戦革命) (@Yohmlp) July 3, 2019
確か、『怪文書みたいなものなので、参考に値しない』みたいなニュアンスだったかと。
すみません、私が富田メモよくわかってないので、今から勉強します。
昨日言及してるのに橋下さんとのツイートで指摘しなかったのは情けなのか何なのか
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) July 3, 2019
ま、基本的に橋下側から持ち出すべき話なので、その責任は両者との論争においては有本百田側には無いですけど第三者的には世の中で誤解が広まってるのを正して欲しかったです。明日話されるのだろうか @arimoto_kaori https://t.co/iH1GfMaeI9
- 天皇陛下が英霊に御親拝できる状況を作ろう
- なぜ昭和天皇が親拝しなくなったのか?
- それに関して富田メモがあるが、その評価はどうか?
これらが論点になるべき話なのに、ぐちゃぐちゃと無関係な話を続ける者に、呆れています。今のままでは建設的な議論などとは到底言えません。
昭和天皇が親拝しなくなった時期周辺の経緯と富田メモについては別稿をUPします。
※UPしました。
以上