テレビ番組で「人は生い立ちによって規定されるので菅義偉議員の生い立ちを精査しなければならない、総理大臣になって最初の仕事はそれ」などと橋下徹氏の前で発言した立憲民主党の小川淳也議員ですが、その後、衝撃的なツイートをしました。
※本エントリは当初「伊藤淳也」という誤った表記で掲載していたため表記を修正しています。
小川淳也議員「人の生い立ちを区別しません」
今日はノック以外の動画です。党大会で開会宣言を担当します。政権の受皿づくりに全力を尽くします
— 小川淳也 (@junyaog) 2020年9月15日
昨日のBS、私は人の生い立ちを差別、区別しようと思ったことは一度もありません。ただ最高権力者が自らの生立ちを語るには、叩上げ伝説や庶民派伝説をも等身大で正確に語る必要があるということです pic.twitter.com/fjwbfcoy5M
「昨日のBS、私は人の生い立ちを差別、区別しようと思ったことは一度もありません。」と言っています。
「差別」どころか「区別」までしないと言っています。
ちなみに、「合理的な別異取り扱い」=区別は憲法14条の平等権に反しないということが判例になっています。というか実際上、人をまったく区別をしないということは不可能でしょう。年齢制限や性別による区分けがあるのはそういうことです。
しかも、つい1年前にはこんなことを言っていました。
2019年「安倍・麻生さんはサラブレッド!」
麻生大臣「ご自身が年金を受け取っているかどうか知らない」さすがです。これですよ。これこれ。この政権が浮世離れし、国民の生活実感や将来不安と解離していると感じるのは。安倍さんも麻生さんも石破さんも岸田さんも進次郎さんも、みんなみんな、特別な家で生まれ育ったサラブレッドばっかりだ💢😣
— 小川淳也 (@junyaog) 2019年6月14日
小川淳也議員は、2019年に自民党の主要な議員の名前を挙げて「特別な家で生まれ育ったサラブレッドばかりだ」と書いています。絵文字は「怒り」と顔の表情(残念がっている?)がついているので、マイナスな意味を持っているように感じます。
もっとも、これは「サラブレッド」であるという指摘だけではdisっていない、みたいな擁護が出てくると思われるので、関連するツイートを見ていきましょう。
立憲民主党小川淳也議員「庶民の側に立つ政治は不可能」
私はいつも、あえてサラブレッドという言葉を使います。それは彼らの血脈に対する最大にして最低限の敬意です。本当に。やはり私たち庶民の子には分からない経験と気苦労があったと心底思うのです。しかし庶民の側に立つ政治を彼らが実現出来るか、というと甚だ疑問、ほとんど不可能、とも思うのです。
— 小川淳也 (@junyaog) 2019年6月17日
はい。
立憲民主党の小川淳也議員は、「サラブレッド=庶民の側に立つ政治は実現できない」という意味で、安倍・麻生・岸田・小泉進次郎議員などを「庶民」と区別していました。
2020年に言ってることは矛盾してるじゃないですか。
というか、区別を超えて「差別」にすらなり得る発言ですよね。
自分が経験・直面したことでなければ理解・実現できないという「当事者性のドグマ」は、よく反差別界隈やLGBT、フェミニズム界隈が主張している危険で誤っている論証なので、国会議員が主張して良い内容ではありません。
カッコつけただけ
単に「出自や経験や生い立ちを盛ったことで支持に繋がるのはよくないから、正確な経歴を明らかにしましょう」と言ったなら、至極まっとうな主張になったのに、TV出演でかっこつけてしまったんだろうなと思います。
なお、菅義偉議員の「集団就職」については、公式HPが一部の記述を変更しているので、こうした疑問が出てくるのは自然なことだと思います。
ただ、国会でわざわざ追及するようなことではないし、「明らかにするのが総理大臣の最初の仕事だ」というのは総理大臣や国会の機能を浪費させる無駄な行為だと思います。
以上