事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

立憲民主党杉尾秀哉、高市大臣「レクあり得た」発言に「答弁が変わった・全く信用できない」曲解と印象操作報道

切り取り報道⇒野党質疑⇒印象操作報道のロンダリング

高市大臣「レクあり得た」発言の切り取り報道

前提として、3月14日の高市大臣記者会見の発言が切り取りされていたということを抑えておく必要があります。

高市大臣は従前「このようなレクを受けたはずもございません」と発言していました。

「このようなレク」とは平成27年=2015年2月13日の【高市大臣レク結果(政治的公平について)】という文書にあるような放送法の政治的公平に関するレクです。

一部メディアが3月14日の大臣記者会見の動画を用いて「レクっていうのはあり得たんではないかと思います。あくまでも内容については明確に否定をいたします」という文言にフォーカスして報じていました。

そのため、「レクを受けてなかったと言ってたのにレクの存在を認めた!」という認識が生まれ、そのような言説が拡散されていました。

が、これは「NHK予算や地方税法改正案や地方交付税法改正案ですから、そういった所を詰めたレクっていうのは有り得たんでないかと思います。あくまでも内容については明確に否定をいたします」という発言部分が切り取られてTBSなどで報道された結果生じたものです。

このような意味でのレクの存在は従前も否定していませんでしたし、むしろ「色んなレクを受けていた」(※ただし国会答弁のための前日レクや当日朝のレクは受けていない)と説明していました。

そして、この認識のスピンを利用する者が出ています。

立憲民主党杉尾秀哉「答弁が変わった・答弁全く信用できない」曲解とFNN等の印象操作報道

高市大臣「信用できないなら質問しないで」 野党の「答弁全く信用できない」に気色ばむ|FNNプライムオンライン魚拓

国会では、放送法の解釈に関する行政文書に記された当時の高市総務相に対する説明「大臣レク」があったか、厳しい追及が行われた。

高市経済安保相「放送法の政治的公平に関するレクは受けていないということを、あらためて申し上げます」

立憲民主党・杉尾議員「レクの存在自体を否定してたんですよ。ところが、今回は『放送法のレクを受けたことがない』、こういう言い方で『捏造(ねつぞう)だ』という言葉をまったく使わなくなった」

高市経済安保担当相は、「放送法の政治的公平に関するレクは受けていない」としたうえで、同席したと記された当時の秘書官らに「しっかりと確認を取った。私が確認した」と述べた。

一方、野党から「ずるずると答弁が変わっている。まったく信用できない」と批判され、「信用できないなら、質問をしないでください」と気色ばむ場面もあった。

3月15日の参議院予算委員会では、立憲民主党の杉尾秀哉議員の質疑に対して、高市大臣は3月14日の記者会見で明示された認識を改めて示しました。

が、杉尾議員は「これまでの答弁が変わってる」「レクを受けたことは無いと言っていたのにあったと言い出した」などと喧伝し始めました。

また、杉尾議員は「総務省が放送法に関するレクがあった可能性が高いと答弁した」という虚偽の主張をしていました。

が、実際の発言は以下の通りです。

小笠原陽一総務省情報流通行政局長 お答え申し上げます。大臣レクの有無に関するお尋ねでございました。ご指摘の高市大臣レク結果の文書につきましては、作成者によりますと、約8年前でもあり記憶が定かではないが、日頃確実な仕事を心がけているので、上司の関与を経てこのような文書が残っているのであれば、同時期に放送法に関する大臣レクが行われていたのではないかと認識しているということでありました。一方、当該文書に記載されました同席者の間では、作成者と同様の記憶を記憶する者。同時期はNHK予算国会提出前の時期であり、高市大臣に対し、放送部局のレクが行われたことはあったかもしれないが、個々のレクの日付、内容まで覚えていないとする者があり、必ずしも一致していない部分がございます。以上を勘案いたしますと2月13日に放送関係の大臣レクがあった可能性が高いと考えられます。なお、作成者と同席者のいずれも、この時期に放送部局から高市大臣に対して放送法の解釈を変更するという説明を行ったとの認識を示す者はございませんでした。また、この文書に記載されている内容については、発言者等の確認を取らないまま作成されたものであること、約8年前のことであり、作成者と同席者のいずれも、個々の内容まで覚えていないとしていることから、記載されている内容が正確か否か、現時点でお答えすることは困難であるというふうに考えております。

  • 「放送法に関するレクがあったのでは」としているのは作成者
  • 総務省の小笠原局長は「放送関係のレクがあった可能性が高い」と予測しており、「放送法」とは言っていない
  • いずれの者も「この時期に放送部局から高市大臣に対して放送法の解釈を変更するという説明を行ったとの認識を示す者は居なかった」

これが3月13日の答弁で語られた内容です。3月15日の松本総務大臣も同様の認識です。

この内容すら認識のスピンのために虚偽主張のベースに使われているということです。

上掲のFNNの報道は、杉尾議員の質疑や認識が破綻していることを隠している点で悪質です。

官僚リークで有権者が選んだ政治家を貶める愚と政治的公平違反の報道歪曲

  1. メディアが正しい認識に至らせないような報道をする
  2. それにより生じた誤った見解に基づいて野党議員が国会質疑をする
  3. それを更にメディアが誤解を助長・固着化する方向で報道する

現在の報道状況は実に酷いものがあります。

石原慎太郎都知事(当時)の「日韓合併の歴史を100%正当化するつもりはない」を「100%正当化するつもりだ」と報じた所がありましたが、高市大臣に対しては、それに近いことが行われています。

この動き自体が政治的公平に欠けるものであると言っても過言ではないでしょう。

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