M1に出たら2回戦くらいにはいくかもしれない。
- 選択的夫婦別姓反対を求める丸川珠代ら自民議員の文書全文
- 新聞社「地方議会の意思決定過程を害する不当介入」
- 国会議員から地方議員へコミュニケーションしてはダメ?
- 自民党員は党員に意見するな⇒結社の自由や人格権の侵害
- 選択的夫婦別姓を求める自民党員からの「反論」
- 信濃毎日新聞「国会議員らは別姓反対なら居住地の議会に請願や陳情を提出しろ」⇒???
- まとめ:低レベルの議論に貶めるメディア
選択的夫婦別姓反対を求める丸川珠代ら自民議員の文書全文
【全文】夫婦別姓反対を求める丸川大臣ら自民議員の文書、議員50人の一覧:東京新聞 TOKYO Web
この文書の性質についてまとめると
【自民党所属の国会議員ら有志が、自民党所属の都道府県議会議長職にある者40人に対して、他党から提出が予想される夫婦別姓を求める意見書を採択しないように要望】するものです。
さて、これについて妙な批判をするところがあります。
新聞社「地方議会の意思決定過程を害する不当介入」
〈社説〉別姓反対文書 地方議会を軽んじている | 信毎web - 信濃毎日新聞
<社説>夫婦別姓反対文書 地方議会への不当介入だ - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト
見つけただけでも信濃毎日と琉球新報、高知新聞が社説まで書いて批判しています。
夫婦別姓を認めるべきという主張にとどまらず、国会議員が地方議会議員に対して「お手紙」を出したことそれ自体を論難しています。まとめると以下。
- 自由な論議をないがしろにし地方議員に圧力をかける行為
- 地方議会の意思決定の過程をねじ曲げ、不当介入だ。地方議会は国会の下部機関ではない。
- (国会議員らは)別姓反対を主張したいなら居住地の議会に請願や陳情を提出すればいい ※信濃毎日新聞社説より
全部鼻から息が洩れてくるような噺です。
国会議員から地方議員へコミュニケーションしてはダメ?
「自由な論議」と言うなら、国会議員から地方議員へコミュニケーションをとっても良いはず。
地方議員に「圧力」と言うが、そのような表現を取るにしても、「圧力」をかけることのいったいなのが悪いのだろうか?それ自体政治であり、コミュニケーションです。
地方議会議員が国会議員へ「要請」したら、「国会議員が地方議会議員の下僕」になるのでしょうか?ならないでしょう。
聞いていて辛くなるボケです
自民党員は党員に意見するな⇒結社の自由や人格権の侵害
メディアは
「国会議員が地方議会に圧力」
という構図を作り出したいのでしょうが、最初にまとめた通り【自民党員から自民党員にお手紙を出した】だけです。
送付先が議長職にある議員だったのは、その地域における実力者だからで、党内世論の形成にとってクリティカルだからでしょう。
決して、地方議会の議長としての当人を名宛人にしているのではない。
議会相手ではなく、議員同士のやりとりに過ぎません。
意見書の採択は、地方自治法99条に基づき、各自治体の議会において決められた手続にしたがって、つまりは「決議」が為された上で関係行政機関に提出されることとなっています(例外があるかは知らない)。
自民党が本件につき少数派の議会であれば議長の意向に関係無く決議されるわけです。
したがって、「地方議会の意思決定の過程をねじ曲げ」という話にはなり得ません。
仮に、自民党国会議員らの行為が「地方議会の意思決定を捻じ曲げ」るとすれば、議長一人に意見書を採択するか否かを決める権限があったり、発議・発委自体を拒否できるような場合ですが、そんな広域自治体があるなんて聞いたことがありません。
そのため、本件のような「お手紙」を禁止するとすれば、むしろ自民党員が有する人格権の侵害であり、さらには党を結成して政策を形成浸透させようとする効果を阻害するのですから結社の自由の侵害であるとも言い得ることに。
メディアは人権侵害的な主張をしているわけです。
それにしても、「地方自治」という言葉すら出てこないあたり、筋悪だと思っているのか、それとも単に雑な漫才だったのかはわかりません。
以下のような企画に参加してナイツの塙さんに採点して頂きたい。
選択的夫婦別姓を求める自民党員からの「反論」
なお、「お手紙」を受け取った自民党議員の中にも反対している人が居ますが、それは選択的夫婦別姓を認めるべきと言う本筋の議論についてであって、メディアが言うような視点では何も言っていません。常識的ですね。
夫婦別姓反対を求める丸川担当相らの文書 「地方の意思決定を無視、失礼だ」埼玉県議長が不快感 :東京新聞 TOKYO Web
選択的夫婦別姓制度導入における私見(賛成意見)④ | 田村 たくみのブログ
「主従関係」なんて存在しませんでしたね。
信濃毎日新聞「国会議員らは別姓反対なら居住地の議会に請願や陳情を提出しろ」⇒???
え…あの…だいじょうぶですか?
- メディアのダブルスタンダード
⇒先に自民党地方議員への要望が地方議会への圧力だと言っておきながら、請願や陳情はOKなんですかね?しかもこの場合は自民党員ではなくダイレクトに地方議会に対してですから、「圧力」の悪質性は比ではない(本来は圧力ではない) - 無駄
⇒選択的夫婦別姓の立場であれば、ベストな状況は「何もしない・何も起きない」。なぜわざわ地方議会に対して「何もしないでください」と言うのか。言わなくても一緒。自民党員に対して言うことは「何も起きない」ようにするため。 - 国会マター
⇒本件は「法律」(民法750条)の話であると推進派は言っているのですから国会マターであり、国会議員が地方議会に請願や陳情をするのはあまりにも迂遠
信濃毎日新聞の主張は、完全に破綻しています。
これを<社説>として出している点も含めて、ツッコミがボケになってるという芸風で、ここだけは良い腹筋運動になりました。M1最下位は無いと思います。やったね!
まとめ:低レベルの議論に貶めるメディア
選択的夫婦別姓を認めるべきメリット等を積み上げれば良いのに、それとはまったく関係の無い、むしろ反対派のアシストになるような破綻した主張をしているメディア。
こういう低レベルな話にいちいち反応するのも疲れますが、今回の事案限りの話としてではなく、メディアの質の劣化という話でもあるので取り上げました。
そして、実はこういう言説を氾濫させること自体が、ある意味でメディアの目的である可能性があるのではないかと思うのです。
日本人の認知領域への攻撃、低俗な話に思考リソースを割かせる行為。
だからこそ、さらに低俗な陰謀論などに対しては「甘めの態度を取らない」ことにしたのですよ。
以上