自民党員が自民党員にお手紙する場合の「三権」とは、いったい、ウゴゴゴゴ……
- 井田奈穂 選択的夫婦別姓全国陳情アクション事務局長
- 「自民国会議員が地方議員に要請したのは三権分立違反」
- 井田奈穂のTwitter上での評判
- 国民主権と地方議会の自律性を説きつつ外国メディアに御注進の井田奈穂
井田奈穂 選択的夫婦別姓全国陳情アクション事務局長
選択的夫婦別姓反対議員50名の主張への法学者・当事者からの反論、公開質問状について 2021.02.25 2021.02.26
選択的夫婦別姓陳情アクション事務局長の井田奈穂 氏が、自民党国会議員が自民党地方議員に対して選択的夫婦別姓に反対する意見書の採択をしないよう求めた件で、このような記事を書きました。
その主張の中で驚くべきことがあり、かつ、その後の行動にも「珍しい」ものを見たので、ここでまとめます。
「自民国会議員が地方議員に要請したのは三権分立違反」
私たちは以下2点を問題と考えます。
- 三権分立の中で、国民が国に意見を届ける正当な手続きが地方議会の意見書です。 改姓問題は国民の生活上の困りごとであり、今回の「お手紙」は困りごとの改善を求める国民の声を国会に届けられないよう、国会議員が水面下で地方議会に圧力をかけたに等しく、国民主権の国であってはならないことではないかと感じました。
- また50名の方々の「反対理由」は、一読して偏見と無根拠さに満ちたものではないかと感じました。
国会議員と地方議員の関係の話が「三権分立」とは、韓国のムンジェインもビックリの理解です。
本来的には国家機関における権力分散のための統治の手段の一つであり、法規範でも何でもありませんから、国民の意見を国政に反映させる文脈で三権分立を持ち出すのは、よくわかりません。
本件とは無関係に、一般的に「地方自治における三権分立」という論じ方はできるかもしれませんが、それでも今回、行政はどこにも出て来てませんし裁判所も無関係です。
それに、国民が裁判所に求めた判決も国政に影響します。
たとえば刑法200条の尊属殺は、違憲判決が出たために国会で削除されました。
選択的夫婦別姓だって、平成27年最高裁判決の裁判官の「意見」などが政府内での検討に影響を与える可能性は十分あるわけで、なぜ「三権分立」と、わざわざ範囲を狭めてしまうのか、不思議で仕方がありません。
善意解釈すると、井田奈穂 氏は「国会議員が地方議員に圧力」云々と言っているので、おそらく「地方自治」と言いたかったのかもしれません。
曰く、「自民党員が議長職にある自民党員に選択的夫婦別姓に反対するよう要請したことそれ自体が、地方議会の自律性に反する」と。同様の事は信濃毎日新聞なども書いてました。
しかし、そうだとしても以下になります。
- 本件は【自民党員から議長職にある自民党員に要望した】だけ
- 地方議会の議長としての当人を名宛人にしているのではない
- 意見書の採択は各自治体の議会において決められた手続に従う、つまり「決議」が為された上で関係行政機関に提出されるため、その手続には干渉していない
井田奈穂のTwitter上での評判
井田奈穂 氏のTwitter上での評判ですが…
「三権分立」論について指摘したら以下の反応が来ました。
ご自身の国の制度、もう少し詳しく調べてからお返事いただけると助かります! https://t.co/JVUIwyV5zN
— nana/井田奈穂/選択的夫婦別姓・全国陳情アクション (@nana77rey1) 2021年2月27日
自民党員が自民党員にお手紙する場合の「三権」とわ… https://t.co/RmpRSltKLC
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2021年2月27日
あなたの受けた教育の問題なので、あなたを育てた保護者の方か、学校の公民の先生に、三権分立とは何か、聞いてきましょう。 https://t.co/zzaOBI5ThW
— nana/井田奈穂/選択的夫婦別姓・全国陳情アクション (@nana77rey1) 2021年2月27日
また、自民党員が今回の要望に反対したブログが紹介されましたが…
この手紙を受け取った自民党地方議会の議長が、https://t.co/Ls1qPcWzgO
— nana/井田奈穂/選択的夫婦別姓・全国陳情アクション (@nana77rey1) 2021年2月27日
「とても不愉快な手紙。全く、選択的夫婦別姓に対する理解不足に辟易する」と評価されてる点にご注目ください。
水面下で国会議員が地方自治に圧力を加えるような「コミュニケーション」は、受取り側も問題視してますよ。 https://t.co/0ME324tfYx
しかし、埼玉県議・埼玉県議会議長の田村たくみ議員のブログでは
以前に記載しましたが、この問題は自民党内の問題となっているのです。
と書かれているほかは、「自民党員が議長職にある自民党員に選択的夫婦別姓に反対するよう要請したことそれ自体が問題だ」とする点については、全く主張していません。
井田奈穂 氏が「水面下で国会議員が地方自治に圧力を加えるような「コミュニケーション」は、受取り側も問題視してますよ。」と書いているのは、"あなたの主観ですよね"ということに。
国民主権と地方議会の自律性を説きつつ外国メディアに御注進の井田奈穂
国民主権と地方議会の自律性を説いている井田奈穂 氏が、なぜか外国メディアのBBCに御注進している図。
これはいったいどういうことでしょうか?
このときは別人格が覚醒していたとしか思えないのですが…
これ、単に記事を紹介してるだけじゃなくて、「陳情アクション」のページですから、"Please join us"と書いてあるのは、「一緒に請願・陳情しましょ」と言ってるようにしか見えません(何か別の用語法があるんでしょうか?)。
日本国内に居住している外国人の人権に関する事柄であればまぁ外国人らが陳情をするというのは妨げられていませんが、選択的夫婦別姓は憲法14条などの人権の話ではなく、憲法24条の制度設計の話です。
それをBBCの日本語版ではなく世界版のアカウントに対して求めているというのは、日本人としての自律性の放棄であり、国民主権の考え方とも反しているのではないでしょうか?
以上