伊是名夏子氏がヘルパー申請を虚偽申告してたのでは?という疑惑についての私見。
- 消された伊是名夏子「ヘルパー活用」記事
- 障害者自立支援法に基づく居宅介護
- 「ヘルパー申請で嘘ついちゃった」をどうみるべきか
- 「ヘルパーを使う」という記述について
- 「どうにかすればできるけどがんばらなきゃできない」と「乗車拒否」
消された伊是名夏子「ヘルパー活用」記事
2008年2月20日「ヘルパー活用」というタイトルの記事。
URL:http://blog.livedoor.jp/natirou/archives/51219546.html
ブログ記事の大量削除の一つにこの記事がありましたが、介護制度に関する話題なので検討してみます。
障害者自立支援法に基づく居宅介護
ちなみにこんなに状態を悪くしても、ヘルパーを使えるのは一日4時間。
一日4時間でご飯もお風呂も、掃除も、お出かけも、、、だなんて絶対に無理です。
この記述からは、障害者自立支援法に基づく居宅介護を受けていると思われます。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)
第五条
2 この法律において「居宅介護」とは、障害者等につき、居宅において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則(平成十八年厚生労働省令第十九号)
(法第五条第二項及び第三項に規定する厚生労働省令で定める便宜)
第一条の三 法第五条第二項及び第三項に規定する厚生労働省令で定める便宜は、入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助とする。
この時間制限は認定された障害の段階に応じて自治体が設定するものらしく、制度も2008年から若干変更があるようです。
この観点から、令和電子瓦版さんが伊是名氏の現住所(と主張)である川崎市の障害福祉課に取材し「虚偽申請」に該当する場合を記述しています。
伊是名氏に新疑惑 虚偽申請でヘルパー受給か | 令和電子瓦版
それでは、伊是名氏は虚偽申請に該当するのだろうか?
「ヘルパー申請で嘘ついちゃった」をどうみるべきか
私、ヘルパー申請をする時、かなり嘘をついたのです。
お風呂は一人では入れない。
ご飯も一人で食べられない。
トイレも介助が必要・・・などなど。でもね、よく考えるとそうなのです。
お風呂の電気をつけるときは台が必要だし、
ご飯も重い鍋はもてないから工夫したり、キッチンに立つときは車椅子に立つから、いささか不安定だし。
どうにかすれば一人でできるけど、がんばらなきゃ一人ではできないのです。そして、今みたいに怪我をしていると、大変なわけで。
腕だけで移動している私が、片手を怪我しちゃうと、ほとんど動けなくなります。
お風呂もご飯もトイレも、移動だけでかなりの時間がかかります。
怪我をして、すぐにヘルパー申請ができるなら、嘘をつかなくてもいいけど、書類もろもろで申請して最低一ヶ月はかかります。
怪我が多い私にとっては、怪我も想定して、常に動かないといけないわけで。
伊是名氏は骨の弱い障害「骨形成不全症」を有しており、ちょっとしたことでも骨折等のケガをしてしまうという状態で生活しています。
小さい子供がいる状態で自分がけがをしたらどうしよう、と考えるのはもっともなことであり、そういう危険を想定してヘルパー申請をすること自体は、虚偽内容ではないと思います。
「嘘をついた」という記述も、「恒常的にそういう状態」ではないが、「いつそういう状態になるか不安定で不透明」という不安があるなかでストレートに要件充足していると言い切れない、彼女の障害を有する者特有の事情について説明しているものとして違和感はありません。
確かにヘルパー申請要件の文言から伺える典型的なケースからは外れているのかもしれませんが、だからといって要件充足していないとか、ましてや法令上の虚偽申告と言えるかと言うと、そうではないでしょう。
もっとも、社民党全国連合常任幹事としての説明責任はあるんじゃないでしょうか。
障害認定の等級に影響しそうですし申請時に正直に話して頂くのが一番だと思います。
「ヘルパーを使う」という記述について
ヘルパーも使いにくくて、不都合で、非人間的な制度です。
伊是名氏のブログにはこのような記述が見えるのですが、これは「ヘルパー制度を利用する」という意味で、「仕組み活用」の趣旨と捉えれば良いんじゃないでしょうか?
伊是名氏に対して「ヘルパーを人間扱いせず、物として見てる」のような評価を見ることが多いですが、必ずしもそうだとは思えません。
以下は例外だと思いたいです。
「どうにかすればできるけどがんばらなきゃできない」と「乗車拒否」
どうにかすればできるけど、がんばらなきゃできない
こういう状態は、危険が通常よりも大きい。
同様に、普段案内していない無人駅(階段での移動必須)に、事前連絡も無く案内を要求した人に対して、近隣駅から男性職員4人を派遣させて100kg以上の電動車椅子を階段で運ばせるという行為も、鉄道会社側からすれば「どうにかすればできるけど、がんばらなきゃできない」わけです。
これを即応可能にするには、近隣駅に男性職員を多く配置していなければならないことになり、女性職員の配置が制限され、或いは採用にまで影響する可能性があります。
普段あまり人が来ない無人駅への対応を過剰にすると、それ以外の障害者が多く利用する駅でのサービスの質が低下、さらには通常運行にまで影響を及ぼすでしょう。
そうすると、鉄道運行の安全という本来業務にも支障が出ます。
「さっきはできないと言ったよね?できるなら最初からやってよ」
というのは、「がんばらなきゃできない」危険を相手に負担させている場合があるのではないでしょうか。
以上:はてなブックマークをして頂けると助かります。