事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

この指とめようADVISER浜田敬子の止まらなかった指「AERA放射能がくる」

放射能が来るAERA浜田敬子

この指とまらなかった人が

一般社団法人この指とめようADVISERの浜田敬子

この指とまれ浜田敬子

元AERA編集長の浜田敬子氏は一般社団法人この指とめようADVISERに就任しています。

Twitterにおける誹謗中傷の検知とリアルタイムな啓発広告の表示」が主な活動内容であるとしていますが、「誌面における集団・地域に対する風評被害や誹謗中傷」についてはいったいどう思っているのでしょうか?

AERA「放射能が来る」当時の副編集長だった浜田敬子

AERA放射能が来る浜田敬子

2011年3月19日発売のAERA2011年3月28日号について、浜田敬子氏は当時副編集長であり、「放射能がくる」について「正しい報道だったと判明」と豪語しています。

AERA「放射能がくる」記事の中身

ネット上の「批判」「誹謗中傷」に、メディアや書き手はどう向き合えばいい?
広報会議 編集部 2016.06.29

浜田:東日本大震災のときに、『AERA』の2011年3月28日号で「放射能がくる」というタイトルの特集を組みました。その特集は、ものすごい批判にさらされて、最悪のケースでは休刊になるかもしれないとまで思いました。ただし、ちゃんと取材していた内容に自信はあったし、後に正しい報道だったことも判明しました。このときから定期的にTwitterをチェックするようにしています。

浜田氏は「後に正しい報道だったことも判明」としていますが、当該号の震災特集には複数の記事が数十ページにもわたっていて、記述内容も多岐にわたり、どの事項についての話なのか特定が困難です(浜田敬子名義の記事は無かったハズ)。

仮に、記述されている内容に事実の誤りが無かったとしても、それだけでは肯定することはできませんし、してはいけません。なぜなら…

以下記事で指摘するように朝日新聞は事実を報じるだけだが前提知識を省くことで知識の無い読者を特定の認識に誤導させる記事を書くスペシャリストだからです。

原発特集「放射能がくる」表紙に苦情でAERAは謝罪

原発特集でAERAが謝罪/「放射能くる」表紙に苦情 | 全国ニュース | 四国新聞社

 同社は、短文投稿サイトのツイッターとホームページで「編集部に恐怖心をあおる意図はなく、福島第1原発の事故の深刻さを伝える意図で写真や見出しを掲載しましたが、ご不快な思いをされた方には心よりおわび申し上げます」との謝罪文を掲載した。

 同社管理部によると、同誌の表紙と、同じ写真を使用した同誌の広告に対して、ツイッターなどを通して「恐怖心をあおっている」などの苦情が編集部などに寄せられたため、謝罪を決めた。

魚拓 

現に、こうして「印象」部分に関してAERAに対する抗議があり、実際にAERAも謝罪しています。にもかかわらず、浜田敬子氏はその素振りすら見せていないということ。

私が当該号を読んでみた感想ですが、確かに事実関係の誤りがあるとは言えないのではないかと思います。

浜田氏が言っているのは、冒頭記事の「東京に放射能がくる」という見出しで編集部の岡本進、伊藤隆太郎、両氏が文責の記事と思われますが、概要としては、長崎大学の山下俊一教授の認識・予測をベースに書かれた未来予測的な内容でした。

「最大でもチェルノブイリの千分の一、一万分の一の放射線量だ」という認識や、臨界事故が発生した場合でも数キロ離れた場所では「タバコを吸ってガンになる可能性を実証するレベル」という山下教授の説明も掲載されていました。唯一、この場合の乳幼児の甲状腺がんについては懸念が示されていました。

では、何も問題ないのか?というと、決してそうではないことに気づきます。

「放射能がくる」に書かれていなかったもの

チェルノブイリと比較することは仕方ないものの、非常に気になる所がありました。

それは、【チェルノブイリ事故の際に放出された放射性物質の量や、空間線量についての記述がすっぽりと抜けている】ということ。

他の記事の「放射能から自分を守る」という見出しの編集部、大波綾・木村恵子・野村昌二らの記事では、具体的な数値を最も出していたところ、ここでもチェルノブイリ事故の際に放出された放射性物質の量や、空間線量についての記述は有りませんでした

「チェルノブイリから〇〇km離れた場所では当時15歳以下の子供らが被曝により内臓疾患を抱えている」、ということなど、距離の対比については記述があるのに、比較において決定的な情報だけが欠けていたのです。

こうした構成になっているのは、「東京に放射能がくる」という冒頭記事の見出しの通り、「原発から〇〇km離れた場所」で何が起こるかの予測を読者にさせ、その基準としてチェルノブイリを利用していたからでしょう。

これでは、チェルノブイリ原発からの距離を日本の福島第一原発からの距離に置き換えてそのまま予測する人が出てしまっても不思議ではありません。

山下教授はチェルノブイリ笹川医療協力プロジェクトに参加して以来、約20年間チェルノブイリ原子力発電所事故の健康調査および甲状腺がんの子どもの診療に従事していた方なので、この数値について知らないとは考えられず、なぜそれを記事にしなかったのか不思議で仕方がありません。

平成29年の環境省のものになるが「避難を余儀なくされた人々の甲状腺の被ばく線量は高く、平均甲状腺被ばくで約490ミリグレイと推定されています。子供では更に高い平均甲状腺線量が推定されています。これは、事故直後から2~3週間にわたって、ヨウ素131で汚染した牛乳を飲んだこと等が主な原因です。」とある。

この指とまらなかった浜田敬子や代表理事の小竹海広

「放射能が来る」という煽り文句と防護服・マスクを装着した作業員の画像を掲載した表紙は、「具体的場所において避難しなければならないレベルの放射線量になる」という予測を生じさせるものです。

事実関係に誤りがなくとも煽動的な表紙であり抗議が来て謝罪したのは当然でしょう。

また、記事本文で山下教授の冷静なコメントが掲載されていても、読者における比較検証を不可能にするチェルノブイリの放射線量の数値の「隠蔽」と相まって印象操作的であると言えるでしょう。

さらには、代表理事の小竹海広が以下の体たらくなのですから、この団体、誰か止めてあげられなかったのでしょうか?

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