事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

朝日新聞かがみよかがみ「就活で面接官に『なぜジェンダー専攻?』という質問に傷ついた、Mic drop」

朝日新聞かがみよかがみマイクドロップ

※注:就活の面接官に関しての発言です。

「就活で面接官に「なぜジェンダー専攻?」という質問に傷ついた」

「なぜジェンダーを専攻したの」という質問に、傷ついた気持ちになる 野風真雪 2022/08/07 かがみよかがみ

約2年前、就活をしていてよくされる質問があった。

「あなたはなぜジェンダーを専攻したのですか?何かきっかけがあったんですか?」

就活生の考えやきっかけから紡ぎ出される言葉を聞くため、どんな分野を選んでいようと、尋ねることになっているのだろう。しかし、この質問に対する最適な答えは持ち合わせていない。毎度戸惑ってしまい、ネットで見た適当な言葉を並べる。

勉強している「理由」って話さなくちゃいけないの?

ジェンダーやセクシュアリティの勉強をしていることを語る時、自分の過去の経験やセクシュアリティを半強制的にカミングアウトさせられているような、そんな少し傷ついたような気持ちになる。
自分が当事者であることが、専攻を決めた大きなきっかけになっている人もいるだろう。また、過去に傷ついた経験があったり、自分が違和感を感じたり理不尽な経験をしたことをもとに勉強を始めた人もいるはずだ。

ただ、5分前に初めて会ったばかりの面接官に対して、パーソナルな事は言いたくないし、勿論そんな義務もない。自分の経験や、その時感じた違和感や苦しみなんて分かってくれるものか。

朝日新聞社の関連サイトである「かがみよかがみ」(mirror.asahi.com)において、「「なぜジェンダーを専攻したの」という質問に、傷ついた」という快作が投稿されていました。11月になってから注目を浴びています。

早稲田大学 文化構想学部卒。一人旅をよくしています。映画、ジェンダー、音楽、アート、占いが好き。」と書いている野風真雪による記事ですが、就職活動中に大学で専攻していた分野であるジェンダー論について尋ねられた経験を述べるものです。

「自分の過去の経験やセクシュアリティを半強制的にカミングアウトさせられているような、そんな少し傷ついたような気持ち」「5分前に初めて会ったばかりの面接官に対して、パーソナルな事は言いたくない」といったパンチラインが怒涛のように押し寄せてくるその発想と文章能力は圧巻の一言です。

野風真雪「そもそもこの質問で就活生の何が測れるのだろうか?」

そもそもこの質問で就活生の何が測れるのだろうか?行動と思考の一貫性?
だとしたら、全ての物事なんて後付けでストーリーなんて作れてしまう。そしてそのストーリーを語っているうちに、それが真実にすり替わるんだと思う。

野風真雪(まぁペンネームだろう)は「そもそもこの質問で就活生の何が測れるのだろうか?」という、実に就活生らしい感想を綴っています。

確かに、自身の不幸な体験が、ある分野を学んでみようとする動機となっている人は居るでしょう。しかし、それは何もジェンダー論を専攻した者だけではない。

大学で何を専攻していたかどうかは当たり前にして採用判断のために聞く話で、質問する側はエスパーではなく人の心を読めるわけじゃないのだから、それが個人の不幸な体験と結びついており、しかもそれを問うことでバックラッシュを引き起こすレベルなのかということは分からない。そんな事態は類型的に存在しない。

そのときに本当の理由を言う場合には詳細は話したくないのであればその旨を説明すべきで、そうすればほとんどの面接官はそれ以上聞くことはないでしょう。

採用担当者は、専門職を求めているのでない限り、その学問的な説明の意味をすべて理解して評価しているのではない。

その多くは、自己の経験や行動の理由について、口頭で対外的に合理的な形で示し説明する能力を図っているに過ぎません。

したがって、個人的な体験を述べたくないのならば、対外的に通用する理由付けを成形して堂々としゃべればよい。会社に入り組織として動く際に、ありのままの事情を全て対外的に口走るような脇の甘い人間なのかどうか、どの仕事を任せられるかどうかにかかわる話。

就活生の時点でこのことに気づかないなんて。

それ自体が一つの評価の分岐点です。

ネットで見た適当な言葉を並べてる場合ではない。

朝日新聞かがみよかがみは Mic drop すべきじゃないだろうか

就活の時、あまりにもジェンダー意識のギャップに唖然とした経験が何回かある。
1つは障がい者の就労支援をしている会社の面接官との面接で起きた。

私がクィアスタディーズやフェミニズムを専攻している話になり、面接官が「野風さんってフェミニストですか?」と聞いた。
私は質問の意図もよく分からず、「あ、そうですね」と答えると、面接官は「私フェミニスト大嫌いなんだよねー」と言った。
別に彼女の好き嫌いは自由であるけれど、普通にびっくりしたし、ショックだった。

~省略~

ジェンダーを勉強したのは、ただ勉強したかったからです。
私はそれしか言いたくない。貴方達に語るべき理由なんて無いから。Mic drop。

フェミニストが嫌われているですか。

それは大御所の上野千鶴子が地域社会そのものを貶める発言・行動をしているなど、社会に対してマイナスの影響を与えて来た先人たちのせいですね。ご愁傷さまです。

(※フェミニズムの考え方やその有益な実践を試みる方々も居ますが、悪目立ちする人が多いというレベルをはるかに超えてそちらが主流派であるというのが現状です)

会社は誰と雇用契約を結ぶかということを決定する契約締結の自由があります。

誰に対しても平等に接しなければなりませんが、誰に対しても同じ接し方をしなければならない、ましてや採用しなければならない理由などありません。

会社・面接官の立場からは、会社に合う人物の適正評価をするために、合わないものは合わない、と明言することはむしろ優しさでしょう。

しかし、この執筆者は、そして朝日新聞社は、このエッセイをもって何がしたいのか?

個人的な体験で特定の会社の面接で嫌な思いをしたということだけを書いて、いったい何を伝えたいのか?

この寄稿では、クィアスタディーズやフェミニズムがどういうものであり、どれほど社会のためになる素晴らしいものなのか?ということの説明が何にもない。

そういうとこやぞ。

朝日新聞社運営の「かがみよかがみ」は、"Mic drop" すべきでは?

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