小林よしのりは国会審議の中身をよく見てないのだろう
- 国会で話し合うべきもっと重要な案件がある?
- 「国会は森友問題だけ」なのか?
- 予算委員会の質疑の配分は?時間配分は?
- 重要な審議はなされていたのか?
- 結語:国会で話し合うべきもっと重要な案件があるはずだ
- 補足:予算委員会での質疑内容について
国会で話し合うべきもっと重要な案件がある?
小林よしのり氏のBLOGOSでの記事
2017年04月03日 12:08自称保守は国会中継を見ていない
街のカフェでも、主婦が森友学園の噂をしていて、「籠池は小悪に過ぎなくて、もっと悪いのは安倍首相と昭恵夫人よね」と話していた。
サラリーマンは、「国会で話し合うべきもっと重要な案件があるはずだ」などと言ってみたりする。
同様の意見を自称保守論壇の馬鹿ウヨどもが言い始めたのだが、それは国会中継を見てないからに過ぎない。国会では他の案件もやっているのだが、報道されるのが森友学園ばかりになっているだけだ。
そうか、では見てみましょう。
2017年3月23日の予算委員会の中継です。
「国会は森友問題だけ」なのか?
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=46854&media_type=fp
シークバーの位置に注目
2時間10分の動画時間ですが、籠池さんの証人喚問の質疑応答に終始していますね。
しかし、国会で行われているのは、何も予算委員会だけではありません。
予算委員会以外にも、本会議と各種委員会がありますね。
他の委員会の動画を見ましたが、民進党の議員さんなども、まともな質疑を結構しています。
籠池さんの証人喚問をはじめとする森友問題は、予算委員会でのみ取り上げられているということです。そして、それのみをメディアが報道している。
よって、小林よしのり氏の指摘は間違いではない。
小林氏「勝った!自称保守ざまぁ!」
………
いや、ちょっと待ってほしい
私は自称保守ではないですが…
何かがおかしくないだろうか?
2017年度の予算ですが
- 一般会計の歳出総額:97兆4547億円と5年連続で過去最大を更新
- 社会保障費は高齢化で過去最大の32兆4735億円
- 防衛関係費も過去最大の5兆1251億円
予算委員会で、これらの案件について重点的に議論していたでしょうか?
特に防衛費がこんな程度でいいんですかね?北朝鮮との軍事衝突の危険が高まってるのに。
予算委員会の質疑の配分は?時間配分は?
予算委員会の開催日程はこの通りです。
森友学園問題についての具体的な質疑が予算委員会で扱われたのは、2月23日の
逢坂誠二(民進党・無所属クラブ)の質疑からです。
それ以前は稲田大臣叩きに時間が割かれていました。
これを見ると、野党の質疑応答に大半の時間が割かれているという時間配分ですね。
このうち、民進党の質疑の(おそらく)全てが森友学園問題に関するものでした。
動画を全て見てるわけではないですが、各発言者の冒頭と終わりを見る限りはそうです。
しかも民進党議員の持ち時間が30分越えがずらり…
この傾向はその後の他の日程も変わりませんでした。
重要な審議はなされていたのか?
これは、他の委員会ではそういう審議も行われていたと言えるでしょう。
しかし、少なくとも2月23日以降の予算委員会においては、重要な審議はほとんどなされていない
このこともまた明らかです。
私の印象などではなく、予算委員会の動画ページの各議員の時間配分を見ればこういう結論にしかなりえません。
しかもこれ、衆議院だけでなく、参議院でも同じでした。
どんだけですか… 見たくないでしょうがリンクを一応貼っておきます。
結語:国会で話し合うべきもっと重要な案件があるはずだ
これ以外の評価をすべき事情は今の所見つからないのですが…
とにかく、予算が年度内に成立して良かったですね!
「TVで放送すべきもっと重要な案件があるはずだ」
新聞やTV局というマスメディアは必要です。
そこは勘違いしてはいけない。マスメディアがあるからこそ私達は「おかしいのでは?」と思える情報にもアクセスできるのです。
ただ、それが既存のマスメディアであるかは、また別問題。
補足:予算委員会での質疑内容について
「国の予算について話し合う場所でしょ?何で私人の証人喚問とかやってんの?」
こういう疑問を感じる方は多いと思います。
ただ、本来は確かに予算について話し合うのが中核的な目的なのですが、予算というものは国の諸活動の全てに関わることですから、必然的に質疑事項は多岐にわたります。
これまでそういう質疑が繰り返されてきた結果、現在では予算とはあまり関係の無いような事柄についても質疑されるのがいわば当たり前になっているという慣習が出来上がっているのです。
したがいまして、予算委員会でこのような質疑が行われることそれ自体は、受け入れられているというのが実情です。
ただ、このような質疑のあり方が望ましいかどうかは別問題です。
これについては今後も注意していかなければなりませんね。
以上