事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

NHKネット業務のガイドライン改正案の受信料に関するパブリックコメント例

 

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NHKネット業務と受信料についてパブリックコメントを出してきたので例文として晒します。

ガイドライン案の問題点は以下で指摘しています。 

NHKがネット受信料の徴収に向けてパブリックコメント:ガイドラインの問題点

NHKネット業務のガイドライン改正案へのパブリックコメント例

第1 ガイドライン案第4の3項(以下、3項)に視聴環境設定者にのみ受信契約義務が生じる旨を明記せよ

1 3項の提供条件には、インターネット放送(以下、ネット放送)を視聴可能な端末を持つ全ての者から受信料を徴収することと、IDの取得などネット放送の視聴のために行動した視聴環境設定者にのみ視聴可能・受信契約義務が発生するという制度が「公平」という方向性が存在します。3項では「利用に際してID・パスワード等により~措置をとること」とあり、後者の方向性であるようにも読めますが「例」の扱いであり不十分です。ネット端末所持者全てに受信契約義務が生じる可能性を消すべきです。

2 平成29年12月6日の最高裁判決では「放送法64条1項は,同法に定められた原告の目的にかなう適正・公平な受信料徴収のために必要な内容の受信契約の締結を強制する旨を定めた」とあり、同法1条1号には「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること」とあります。しかし、上記規定はラジオやテレビを念頭に置いたものであり、ネット放送は含まれないと解されます。NHKはラジオやテレビ放送のインフラを作ってきたからこそ受信設備を設置しただけでも受信料を徴収する実質的正当性があります。しかし、インターネットについてはそうではない上に、ネットインフラは既に普及しています。更に、常時同時配信は任意業務ですから、ネット放送においては「放送が最大限に普及・効用が保障」を至上命題とすることはできません。

3 このようなネット放送に関するNHKの立場を鑑みれば、公平な提供条件としてネット端末所持者全員に対して受信契約義務が生じるとする見解をとることは許されません。その可能性を排除するために「視聴環境設定者」にのみ受信契約義務が生じることを明記すべきです。

第2 ガイドライン案の第4の4項(以下、4項)が、3項の手段を実施しない理由とされてはならない

1 4項は「業務の実施に過大な費用を要するものでないこと」と規定していますが、非受信契約者による不正利用の防止に過大な費用を要するという理由で公平公正を持ち出してネット端末所持者全員から受信料徴収をすることは許されません。

2 したがって、4項の文中に「この規定は非受信契約者による不正利用の防止にかかる措置に関して適用されるものではない」との文言を追加するべきです。

7月31日が締め切り:意見提出フォームからは1000字以内 

意見提出フォームからは謎の1000字制限があり、文言を削るのに苦労しました。

2000字程度は欲しかったところです。

締切は7月31日ですので意見がある方はお早めに。

以上