事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

テレビ朝日は男女雇用機会均等法違反?女性社員のセクハラ被害と記者会見:財務省福田事務次官辞任を受け

テレビ朝日女性記者セクハラ被害疑惑記者会見

2018年4月18日、夕方の財務省福田事務次官辞任を受けて、19日深夜0時にテレビ朝日が自社の女性社員(記者と明言せず)がセクハラ被害の事実があったと記者会見を開きました。

ここではテレ朝と福田事務次官の記者会見の結果を取り上げるとともに、一連の事態が孕む問題点についても言及していきます。特にテレ朝の男女雇用機会均等法違反?についても触れています。

なお、18日時点で福田事務次官はセクハラの事実を否定するコメントを書面で発表しているが、その後も新潮社から新たな事実とする発信がなされている。

魚拓:http://archive.is/nwchE

【週刊新潮】“胸触っていい?”「財務省トップ」のセクハラ音声 - YouTube

テレビ朝日の記者会見の発表と質疑の内容

投稿者:shiminjichi 3rd 時事の事件の報道として引用

テレビ朝日の発表、質疑に対する応答の発言要旨

  1. 音声データの確認、関係者への聞き取りから、女性社員に対するセクハラがあったのは事実と判断している
  2. セクハラの内容については詳細は差し控えたい
  3. 女性社員は約1年半前から取材目的で福田氏と1対1の会食をする機会があったが、会食のつどセクハラ発言があったため、身を守るために会話の録音を始めた
  4. 女性社員は今年4月4日に上司にセクハラの事実を相談した
  5. 上司は報道によって女性社員の二次被害が生じる懸念から報道しないと判断
  6. 上記判断や判断過程について深く反省し、今後の対応について社内で検討をすすめる
  7. 女性が新潮社に提供した音声データは異なる日の音声が複数ある
  8. 提供した音声データは1年半前のものも含む
  9. 第三者に録音データを渡したことは不適切であり、社として重く受け止めている
  10. データ提供に対して新潮社から報酬を受け取ったというようなことはない
  11. 財務省に対して抗議と調査を進めることを求める
  12. 女性社員の特定に繋がる情報については詳細は申し上げられない
  13. 本人の強い申出によって記者会見をし、意向を確認した上で会見している

報道にあるような事実以外の事実があるという点と、朝日新聞社内でのパワーハラスメントがあったと言える事案だということがわかります。

さらに、提供したデータにはセクハラとは無関係の「取材音源」も含まれているが、これを第三者に提供したことは報道機関として問題ではないか?という議論もあり得ることになる。これについては記事の後半で指摘する。

テレビ朝日の発表、質疑に対する応答の詳細

朝日新聞:ミナト

◆女性社員の数は何人?

◎詳細は明らかにしない

◆記者か番組付きのディレクターか?

◎本人特定が進むため申し上げられない

◆新潮の記事では4月上旬のものとして同じ内容について録音を持っていて確認した?

◎週刊新潮が先週と今週報じているやりとりのうち、福田記者とあるものについては当該社員のやりとりであると確認した。

◆1年半前のものについても出しているということか?

◎そこまではいっていない。 ※後に訂正

◆社内調査はいつから行っているか?

◎今週月曜日に本人の申出があった

◆本人から進んで申し出たのか?

◎聞き取りを始めている中で申し出があった

◆聞き取りは何人で行った?

◎詳細は申し上げられない

◆なぜこのタイミングでの会見となったか?

◎月曜日に申出があって調査を進めてきた。週内にも何らかの形で公表しようとしていたが、その中で福田事務次官の辞任会見があったので会見をしようとした。

◆録音内容の吟味について何回分の録音について確認したか?

◎詳細は申し上げられない

◆先方には録音内容を伝えていなかったのか?

◎そういうことです。

◆上司からは「報道は難しい」とあるがいろんな含みがある言葉。どういう言葉で本人に報道しないとしたのか?

◎本人特定、二次被害が発生する懸念。

◆何回分の録音データを新潮に提供?

◎詳細は申し上げられない

産経新聞:カネマツ

◆録音を提供した女性社員のコメントについて「第三者に渡したことは不適切」とあるが、なぜこのようなことをしたのか、本人はどう考えているのか

◎財務次官という社会的に重い立場によるセクハラが黙認されてしまうのを避けるため

◆第三者に渡したことについて本人のコメントは?

◎不適切な行為であったという私どもの考えを聞いて反省している。

日本テレビ:モリ

◆上司は報道が難しいと判断したとのことだが、どういう役職の方?上司だけで判断?それとも局長など幹部も含めて判断?

◎上司の役職については本人特定されるため控えさせていただく

◆判断は一人で?報道局全体で共有?

◎上司1人での判断

◆福田氏と財務省に対する正式の講義とあるが、福田氏は訴訟を視野に入れているとあるが、テレビ朝日としては訴訟は考えているか?

◎検討中。

◆取材活動で手に入れた情報が第三者に流れたことが不適切と言うコメントがあるが、御社がきちっと受け止めて報道していればこういうことにはならなかったと思うが、これについての受け止めと改善のコメント

◎先ほど申し上げた通り、適切な対応ができなかったのは深く反省している。今後きちんと組織として情報共有して適切な判断ができればと思います。

読売新聞:クリハラ 

◆デイリー新潮で公開されている音声データはつぎはぎになっているので前後関係がおかしかったと言われているが、女性記者はどう考えているのか?

◎提供しているのは音声の一部のため、次官は否定しているが、全体を見ればそうではないということがわかると思う。

◆財務省が調査強力要請をしているが、それに応じることはあるのか?

◎基本的には調査機関の第三者性について様々な疑問が出ているため、私どももそのように伝えているところ。慎重に検討をしていきたい。

読売新聞:イシハラ

◆適切な対応をすべきだったというのは具体的にどういうことが考えられるか

◎仮定の質問になるが、当時相談があったときにどうすべきかを現在答えるのは難しい。ただ、例えば抗議、報道するなどいろんなケースが考えられた。

◆ちゃんと対応するというのは上司1人の判断ではなく複数の判断で対応できたということか?

◎おっしゃる通りです。

共同通信:ハギワラ

◆音声データの提供は複数回?一部の提供ということであるが、一回の会食の一部なのか、それとも別日付のものを複数回一部ずつということか?

◎複数回。

◆取材で得た情報を第三者にということについての女性記者に対する御社の対応はどういう事を考えているのか?

◎詳細調査は現在係属中のため追って考えていく。現在は決まっていない。

◆夕方の福田事務次官の会見を受けて今回の会見を判断したということだが、福田氏の会見の内容についてはどう考えているのか?

◎先ほど申し上げた通りセクハラ行為を事務次官が否定しているが、当社としては事実があったと考えている。

◆否定されたということ自体についてはどう思っているか?例えば事実をうやむやにしているとか。

◎セクハラ行為があったのは事実と考えている。

※司会者から

質疑にあった、1年半前の音声について出していたかという質問について、出していないと回答したが、2016年のものについて出していたということ。ご理解いただきたい。

TBSテレビサンデージャポン:不明

◆女性社員は事務次官の辞任についてどう考えているか

◎当該社員は福田氏がハラスメントの事実を認めないまま辞意を表明したことを残念に思っている。財務省に対しては今後調査を行って事実を明らかにしてほしい。全ての女性が働きやすい社会になってほしいと思っている

◆麻生財務大臣の対応については当該社員はどう思っているか?

◎聞いておりません

TBSラジオ:サワダ

◆1年半前からセクハラ発言があったということだが、相談したのはいつごろで複数回相談があったか?

◎調査の詳細については冒頭のコメント以上のことはご勘弁頂きたい。

◆本人が報道した方がいいということで上司に相談したとのことだが、そのときは二次被害を帽子するということを理由に報道しないという判断になったということだが、そのことに納得していないから新潮に情報提供したということではないのではないか?

◎先ほども申し上げた通り。社会的に責任の重い立場の人物による不適切な行為が表に出なければ社会的に黙殺されてしまう、され続けてしまうという強い思いから。

◆この時点でネット等では本人特定の二次被害が起こると思われるが、改めて今回発表するに至った経緯についてコメント頂きたい。

◎まず当社として看過できない事態となった。また、当該社員本人の強い希望でこのようになった。

◆上司の処分、今回の決定の社内研修を行っていくなどの考えはあるか

◎詳細な調査はこれからなので詳細は述べることはできません。

◆今回報じられているのは当該女性記者の方以外のものも含まれているということはあるだろうか?

◎週刊新潮に聞いていただきたい。

ジャパンタイムズ:ヨシダ

◆セクハラの認定が出ているようだが、セクハラの内容は出ているようなものだったのか?どれくらい深刻な物なのか?言葉遊びだという次官のコメントがあったが、その範疇を越えているものだったか?

◎セクハラの具体的な内容について詳細は控えさせていただく

◆第三者への情報提供が不適切なものだったということだが、女性への処分、社の対応、このバランスはどう考えているか?

◎詳細調査中のため対応は決まっておりません。

読売新聞:ヨシダ

◆女性から相談があったときに配置換えをするとか、報じることが難しいとかだけでなく女性の心理的負担を考えて何か処置をとったのか?

◎配置については変えたかどうかも含めて個人特定に繋がるためお答えできない。

TBSテレビ:カワイ

◆財務省について正式抗議とのことだがスケジュールは?

◎詳細申し上げられないができるだけすみやかに行うつもりです。

読売新聞:イシハラ

◆最初に女性から相談があったときに音源は上司に聞かせていたのか?

◎聞かせてません

◆セクハラがあったという特定をしたとのことだが、それは音源を報道局長において聞いて確認したのか?

◎私は聞いている。報道を精査、福田氏の声などから判断。

◆財務省についてはテレ朝からは福田氏の音声ですよね?という事は確認しているか?

◎確認していない。

TBSラジオ:サワダ

◆上司は男性か女性か

◎個人の特定につながるためお答えできない。

◆上司の方、被害者の二次被害ということで報道しなかったということだが、取材活動に対する懸念ということは判断に含まれていたか?

◎先ほど申し上げた通り二次被害防止のため

朝日新聞ミナト

◆御社の中でセクハラに対する意識が低かったため最初の対応がそういうことになったのでは?

◎批判は受け止める。情報が共有されていなかったということ。これについてはきちんと対応すべきだったと思います。

◆発表前に本人の意向も確認のためということだったが、どういう内容での会見はいいと言っているか?

◎週刊新潮に取材を受けたという理由と同じです。つまりこのままセクハラ放置は看過できない。

◆音源に関して4月4日の録音については確認しているということだがその分は新潮に出しているということは確認しているのか?

◎一部ですがそうです。

◆複数と一部と言っていることについて、同じ日に録音したものを何回にも分けているのか、それとも別の日録音したものを何回かに分けているということか?

◎複数回というのは別の日という意味

◆新潮に出ているものは4日の分と一致しているのか?

◎福田記者とのやりとりということに関しては一致している

◆4日の録音の後に「後日上司に」とあるが、後日というのは何日後か?

◎詳細は差し控えさせていただく

◆当該社員への内容の吟味と「関係者」への聴取とあるが、「関係者」とは?当該社員と上司以外に例えばこれまで担当していた者などを含むのか?」

◎詳細は差し控えさせていただく

◆1年半前から1対1で会っていたとのことだが、その時期から担当していて1年半前から録音していたということか?

◎担当と言うところについては申し上げられない。ここにあるとおり1対1で会食をしたときにセクハラがあったので録音を始めた。1年半というのは幅がある。約1年半前。

◆録音をした時点では 第三社に渡したことについて問題だと言う認識。録音をしたこと自体については本人の考えは確認していない。

◎本人の許可を得ずに録音をしたこと自体については本人の考えを確認していません。第三者に提供したことについて反省していると聞いている。

読売新聞:ヤギヌマ

◆本人が直接新潮にデータを渡した?

◎そうです。

◆自らの身を守るために録音とあるが、取材目的ではなくて身を守るため?

◎そうです。

◆これはいずれ告発などを想定して?

◎といか自らがこのような行為を受けていることを示すため。例えば会社や上司に説明するために録音したということ。

◆先ほど当該社員さんの「大変残念に思っている」等のコメントはこれを受けての本人の思いということか?

◎そうです

◆もう一度読み上げていただいてよいですか

 略

日本テレビ:モリ

◆週刊新潮に対して本人が直接連絡したのが4月4日以降ということですが、これはそういうことがあったという取材を受けただけ?つまり録音提供は取材の後?

◎最初の連絡と録音提供にはタイムラグ(日数)があります。

◆「要請を受けて」というのは週刊新潮からの要請?

◎そうです。

◆それについて要性を受けた時点で音声を渡したのか?上司に相談したか?

◎上司に相談はしていない本人が迷っていたが提供した。

◆謝礼のようなものは発生しているか?

◎発生していません

NHK:オオニシ

◆上司が相談を受けた際の対応について確認。セクハラを止めさせるために財務省や事務次官に直ちに抗議をするなどの措置をとったのか、なぜとらなかったのか?

◎そういう措置はとっていない。基本的には報道に関してのみ判断した。

本人を守るためにそういう措置をする言う選択肢ももあったと思うがなぜそういう判断したか

◎基本的には組織として判断するべきであったがそれができなかったのが反省点だと思っている。

◆無断録音についての相談は上司は受けているか?

◎無断でかということについては確認していないが、録音があるということは聞いていた。しかし、その中身については確認していない。

◆上司は録音に対してどういう対応をしたか?

◎確認しておりません。

福田事務次官の記者会見

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2018年4月18日夕方18時頃に行われた記者会見。動画はこちら等にあります。

福田事務次官の記者会見発言要旨

  1. 週刊誌に掲載された内容は事実に反する
  2. 音声データにあるようなやりとりを女性記者に対して行ったことはない
  3. 「接客業の女性に対する言葉遊び」は一般論であり音声データのやりとりがそのような場面であるという意味ではない。データの場面はわからない
  4. 音声データにある声が自分の声かどうかは確信が持てない
  5. 辞任の理由は、業務に支障を来しており職責を全うできないため
  6. セクハラに対する認識が甘いのではということは、言葉遊びについてはご批判を受けており、今の時代はそうなのかなと思っている

記者とのやりとりは省略します。上記が重要。

事態の見通し:女性記者(女性社員)へのセクハラは可能性が残る

福田事務次官のテレビ朝日女性記者セクハラ疑惑の整理図
※図を修正:新潮社に提供された事実と公開事実がイコールではない可能性を考慮

事態の見通しを言うと、現時点での両者の発言は事実として正しい可能性があり、福田氏の「セクハラに対する認識の問題」に収斂していくと思われる。

福田氏は「報道にあるようなことで」「セクハラに該当する事実」は無いと否定しているが、女性記者が同じ事実でセクハラを受けたと感じたということはあり得る。

また、テレビ朝日女性記者は新潮社に全ての音声を渡しているわけではなく、一部の音声を渡しているに過ぎない。報道に表れているようなもの以外にも「セクハラに該当すると考えられている」音声が今後出る可能性があるということになる。

さらに、録音された音声以外のセクハラ該当発言や、セクハラに該当する身体的接触等があったのかどうかは現時点では不明。今後その可能性も含めて明らかになっていくと思われる。

つまり、新潮社が名誉毀損裁判で負けるとしても、女性記者に対するセクハラの事実は認定される可能性は残ることになる。

本件の問題点

本件は複数の問題を孕みます

1:テレビ朝日社内の女性社員(女性記者)へのパワーハラスメント

 

 

 

 

 

まず、テレビ朝日が自社の社員のセクハラ被害の申出に対して何ら対策を打たなかったことについては糾弾されるべきです。

そして、これはおそらくテレビ朝日だけの問題ではなく、報道機関全体がセクハラ容認、むしろ「女性」を使って情報を得るということが常態化しているのではないか?という疑問にも発展する。現実にそのような指摘も出ている⇒「4:セクハラの認識の欠如?」の動画参照。

 

2:テレビ朝日の法令違反:男女雇用機会均等法違反?

厚生労働省:職場のセクシャルハラスメント対策はあなたの義務です!!
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/00.pdf

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=347AC0000000113

事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号)

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000133451.pdf

男女雇用機会均等法では、事業主がセクハラ対策の措置を講ずるよう努力義務を規定しています。

セクハラの定義

職場におけるセクシュアルハラスメントは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることです。

「職場」とは事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれます。例えば、取引先の事務所、取引先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、当該労働者が業務を遂行する場所であればこれに該当する。

上記資料ではこのように記述されています。

福田氏の発言はセクシャルハラスメントか?

本件では外務省という外部組織の人間との飲食店でのやりとりが問題になっていますが、そのような場合でも「職場」に該当し得ると言えます。

今回のテレビ朝日は女性記者の就業環境改善の措置を適切に講じなかったということで、同法違反(11条1項違反)となるのではないかと思われます。

しかし、男女雇用機会均等法には罰則が厚生労働省による報告の求め等に応えなかったり虚偽の報告をしたりする場合にのみ規定されています。それ以外の努力義務規定の違反は、違法だが罰則はないというやつです。

テレビ朝日に対しては、厚生労働省から是正勧告等が発せられるにとどまるのではないでしょうか。ただ、それだけで良いのか?というところはもっと議論されてしかるべきだと思います。

なお、省庁内の懲戒規定に定められているセクシャルハラスメントの定義は、上記のものと若干異なるものになっています。

懲戒処分の指針について(平成12年3月31日職職―68)(人事院事務総長発)

懲戒処分の指針について

3:報道機関の締め出し

テレビ朝日の記者会見は、なぜか深夜0時に行われるという不可解なものになりました。しかも、テレビ朝日自体はリアルタイムで記者会見の様子を流しておらず、フジテレビでテレビ朝日の記者会見を見るというカオスな事態。

しかもなんと、朝日新聞社の系列であるハフィントンポストですら記者会見の会場には入れず、締め出されたとのこと。記者会見の質疑を見ても、質問時間の割には記者の数が少なく、同じ報道機関が何度も質問し、同じ人物が何度も質問するということがあった。これは記者会見としては異例。

このような記者会見となったのは、福田氏を糾弾する以上、テレビ朝日自身がセクハラの揉み消し、女性社員に対するパワハラによるセクハラの受忍を求めていたという恰好になるからだろう。

多くの人の目に触れる事を意図的に避け、自社に対して比較的「甘く」対応してくれるであろう報道機関のみ会見場に引き入れるという行為からは、卑怯という感想しか出てこない。

4:報道機関の自滅?「第三者への情報提供」の問題か?

女性社員が提供したデータにはセクハラとは無関係の「取材音源」も含まれているが、これを第三者に提供したことは報道機関として問題ではないか?という指摘があり得る。

私は、この点についてはやや疑問。というのは、まず録音については、女性記者がセクハラ被害を訴えるためであるなら、どういう文脈での発言があったのかという点が問題になるから、当然にして取材内容そのものも含まれるということにならざるを得ないからである。

仮にセクハラの事実があったとして、女性社員が自己の身を守るための録音すら許されないというのはなんたる非道だろうか。本件は報道機関と取材源との信頼関係の問題であるとは言えるが、それはセクハラの事実があったと仮定しても、報道機関の側の落ち度として捉えていい事案だろうか?

非難されるとすれば録音データが「第三者に渡ったこと」だろう。しかし、これはテレビ朝日のセクハラ被害の訴え(あるとして)への無策の結果であり、女性社員個人が責められるべき話ではない。

女性記者が録音データの全部ではなく一部の提供にとどめたのは、好意的に見れば取材源に対する配慮の表れとみることも可能だろう。

「第三者への情報提供」として非難されるべきはテレビ朝日であり、社員個人ではない。

5:セクハラの認識の欠如?

チャンネルくらら公式

こちらでは山村昭義氏が女性記者に対して福田氏の人と成りを取材しており、セクハラ疑惑については「さもありなん」という回答だったと言っています。つまり普段からあのような発言をするような人物として受け止められていたということ。

そうだとすると、この問題は福田氏の「セクハラ該当性の認識の欠如」という事に収斂していくのではないか?

なお、過去記事でも触れましたがこの件は財務省内の権力争いや官邸vs財務省の側面も指摘されており、この動画内では岡本主計局長の思惑について触れられています。

まとめ

  1. 福田氏はセクハラの事実を否定
  2. テレビ朝日の女性社員はセクハラの事実を訴えている
  3. 報道に現れた事実は全事実の一部に過ぎない
  4. セクハラ問題は福田氏のセクハラの認識の問題に帰着するのではないか
  5. テレビ朝日のパワーハラスメントや業界の取材姿勢が質されるべきである
  6. テレビ朝日の記者会見を巡る対応自体も問題である
  7. 「第三者への情報提供」という括りで批判するのは慎重になるべきではないか?

なお、この件で先走ってフェイクを行うことは、たとえ将来的にセクハラの事実が肯定されようが否定されようが許されないということは以下の記事でも指摘しています。

以上