事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

AERA「高齢者接種の7月末完了指示書を独自入手」記事の悪質な捏造

アエラ捏造

誤報どころか悪質な捏造です。

AERA「高齢者接種の7月末完了指示書を独自入手」記事

今西憲之、AERAdot.取材班による【独自】「ワクチン足りず、医療従事者用を回せ」国が高齢者接種の7月末完了で“脅し” 自治体が反発 2021.5.13 16:00という記事。

【独自】AERAdot.が入手した厚生省が地方自治体に出した指示書はこちら

「実はファイザーの都合で、今週中に高齢者用ワクチンが届かない市町村が相当数、発生します。しかし、ワクチン接種が順調にスタートした感を演出するため、『医療従事者用のワクチンを高齢者に当てるように』と総務省、厚労省が都道府県に内々に指示しています。85%の自治体が7月末までに高齢者への接種完了と答え、菅首相はご満悦ですが、実際は総務省が各県副知事への電話し、『7月末までに接種完了は難しい』と答えた市町村に対し、『公表するぞ』と脅した成果なのです」(政府関係者)

として、新型コロナワクチンの高齢者接種を7月末に完了するようにした指示書を独自入手したと書いてあり、それを「脅し」などと報じています。5月13日の記事です。

意味不明過ぎますし、少なくとも誤報と言えるものです。

厚労省の高齢者向けワクチン接種の7月末完了指示通知

厚労省ワクチン接種の通知

事務連絡 令和3年5月6日 厚生労働省健康局健康課予防接種室 効率的な予防接種の推進に向けた新型コロナワクチンの調整等について

この指示書、5月6日にはネットで公開されてる上に、「7月末までに接種完了」については4月30日の通知内容で既に説明されていました。

事務連絡 令和3 年 4 月 3 0 日 厚生労働省健康局健康課予防接種室 新型コロナワクチンの高齢者向け接種の前倒しについて

厚労省のワクチンの使用用途制限の緩和の通知

また、5月6日の通知には2ページ目に以下あります。

1.使用用途制限の緩和(再周知
ワクチンの使用用途について、「ワクチンの使用用途制限の緩和等について」
(令和3年4月2日付け厚生労働省健康局健康課予防接種室事務連絡)におい
て、配送の名目が医療従事者等向け接種又は高齢者向け接種のいずれの用途となっているかにかかわらず、医療従事者等及び高齢者に接種することができること

医療従事者向けのワクチンを高齢者用に融通して優先しろ、などという内容では無く、互換性を持たせて接種することも可能にしましょう、ということです。

従来の状況がわかるものとして:https://www.mhlw.go.jp/content/000765306.pdf

AERA記事は「医療従事者用のワクチンを高齢者優先にした」と誤解させることに誘導する悪質な捏造

厚労省の通知は確かに「医療従事者用のワクチンを高齢者に当てるように」という内容はありますが、その逆に「高齢者用のワクチンを医療従事者に当てるように」という内容も含まれているのに、AERA記事はそれについては触れずに記事を構成し、読者の認識を誤導しています。

AERAドットの記事は、この内容を曲解し、「医療従事者用のワクチンを高齢者優先にするよう政府が要請した」と読者が理解するように書いているわけです。

しかも、通知は2ページあるのに1ページ目のみ載せて、上掲の文言が映らないようにしている。(表示されている1ページ目の画像も解像度が低くて読む気にならない)。

明らかに故意であり、悪質な捏造です。

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