事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

カジノ整備法成立:IR法(特定複合観光施設区域整備法)の情報源まとめ

特定複合観光施設区域整備法

2018年7月20日、いわゆるカジノ整備法と言われるIR法(特定複合観光施設区域整備法)が可決されました。

この法律に関する情報の在り処を整理しましたので読み込みたい方はそちらへどうぞ。

まずは検索に成功するために法律(法案)の名称から整理します。

IRカジノ政策についての基本理解とデマについてはこちら。

カジノ整備法=IR法(Integrated Resort)の正式名称

カジノ整備法=IR整備法の正式名称は「特定複合観光施設区域整備法」です。

首相官邸HPに置かれている特定複合観光施設区域整備推進本部と、その傘下に設置された特定複合観光施設区域整備推進会議があります。

ここで各種議事録や付帯決議が確認できます。

おそらく、このページ以外でヒットする情報は過去のジャンク情報だと思われます。

「統合型リゾート施設(IR)整備法案」=昔の呼称

「IR法」「カジノ法」「カジノ整備法」などで検索すると、マスメディアのニュース記事がヒットし、「統合型リゾート施設(IR)整備法案」といった表記に出くわすと思います。

これは過去の情報なので、この時点の法案を見ても変更されており今国会で成立された法律とは内容が異なるのでジャンク情報です。注意しましょう。

「IR」の表記は意味内容が変化していないため、そのまま使われています。

特定複合観光施設区域整備法のファイル

IR法、カジノ推進法

現在、参議院の議案情報ページに提出法案のPDFが見られるようになっています。

これは後ほど修正がどれほどあったのかの記述、付帯決議があればその付帯決議のファイル、そして「成立法律」のファイルが今後UPされるハズです。

特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律

特定複合観光施設区域整備法は、根拠法があります。

1条にあるように、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(整備推進法と呼ばれているかもしれません)の5条に以下のような規定があります。

政府は、次章の規定に基づき、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、このために必要な措置を講ずるものとする。この場合において、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならない。

「必要となる法制上の措置」が特定複合観光施設区域整備法(IR法)の成立ですね。

特定複合観光施設区域整備法(IR法)の関連法令としては、これの他に衆議院附帯決議と参議院附帯決議があります。

法案提出から修正がどれほどあったのかについては 参議院の議案情報ページ(本会議議決日平成28年12月14日)で分かります。

おそらく「カジノ推進法」は「カジノ整備法」ではなく、こちらの法律を指していることが多いと思われます。

参考資料:ギャンブル依存症対策など

Integrated-Resortパチンコ規制

必要な参考資料、ネットでヒットしやすいと思われる参考資料について整理します。

特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ~「観光先進国」の実現に向けて~

特定複合観光施設区域整備推進会議において決定された、特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ~「観光先進国」の実現に向けて~という資料があります。

これは法案ではなく、政策の全体像や公共政策としての方針が書かれているものです。

平成29年7月31日に、特定複合観光施設区域整備推進会議で決定されたもので、それまでの議論を反映しているものです。よって、会議のページに開催日毎に参考資料がありますが、この資料を見ればそれまでの資料は見なくてもだいたい制度の中身が分かるようになっていると思います。

パチンコとの違いについてはこちらを見ればわかりやすいと思います。

ギャンブル依存症対策についても書いてあります。

特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律関係資料

特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律関係資料があります。

多分ネットではこちらがヒットすることも多いのかもしれません。

しかし、これは特定複合観光施設区域整備推進会議の最初の開催日の参考資料です。

議論の経過を見る分にはいいのかもしれませんが、ここに書いてあることが何らかの方針であると考えるのは注意が必要だと思います。ただ、質問された疑問点などが末尾にまとめられており、使い方によっては有益だと思います。

ギャンブル等依存症対策基本法

ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議において議論が重ねられてきました。

その成果が2018年7月13日成立のギャンブル等依存症対策基本法です。

この法律で捕捉しようとするものには、パチスロなどの遊技も含まれています。

今回のIR整備法においても、この法律に基づくIR事業者の義務が規定されています。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

いわゆる風営法はパチンコ規制に関係します。

特に23条はパチンコの換金行為と関係します。

(遊技場営業者の禁止行為)
第二十三条 第二条第一項第四号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る。)を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 現金又は有価証券を賞品として提供すること。
二 客に提供した賞品を買い取ること。
三 遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(次号において「遊技球等」という。)を客に営業所外に持ち出させること。
四 遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること。
2 第二条第一項第四号のまあじやん屋又は同項第五号の営業を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。
3 第一項第三号及び第四号の規定は、第二条第一項第五号の営業を営む者について準用する。

これを知らずしてIRやカジノの議論はできないと言っても過言ではないでしょう。

まとめ:パチンコ規制との連動を意識して

  1. カジノ整備法=IR法の正式名称は「特定複合観光施設区域整備法
  2. 特定複合観光施設区域整備推進本部、特定複合観光施設区域整備推進会議のページを見るべき
  3. 参議院の議案情報ページに修正経過が掲載されるはず
  4. 政策の全体像や方針を知りたければ「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ~「観光先進国」の実現に向けて~」が便利

カジノ政策はパチンコ規制と切っても切れない関係にあるものだと思います。

当然、パチンコ業界等から妨害があると予想され、今後は政策や法律について凄まじいデマが喧伝されることが考えられます。こちらの情報源を当たっていれば、デマに騙されず、将来的なデマの減殺に繋がるだろうと思います。

以上