北京、上海、天津、広州、重慶などが「全面封鎖」というデマがあるので注意。
- 北京、上海が「全面封鎖」というデマ
- 北京市人民政府の「社区(村)における流行の予防と管理のさらなる強化に関する通達」
- 半閉式管理=セミクローズドマネジメントとは
- 「半封城」の通達の内容
- 「武漢封鎖」とは異なる
北京、上海が「全面封鎖」というデマ
速報
— 孫向文 新刊「中国人の僕は日本のアニメに救われた!」 (@sonkoubun) 2020年2月11日
天津
重慶
上海
広州
深セン
北京
封鎖決定
中国経済と政治の中枢が全面封鎖した
確かに北京市や上海市などが予防管理を強化する通達を出しているようです。
しかし、それは都市の「全面封鎖」ではありません。
北京市の例を載せます。
北京市人民政府の「社区(村)における流行の予防と管理のさらなる強化に関する通達」
关于进一步加强社区(村)疫情防控工作的通告_政策文件_首都之窗_北京市人民政府门户网站
北京市人民政府が2月10日に出した「社区(村)における流行の予防と管理のさらなる強化に関する通達」というものが元ソースです。
これに基づいて北京日報が下記の記事をUPし、他のメディアが追随して「半封城」という表現で報道しているといった感じで広まっていました。
元々の表現は「封閉式管理」です。
半閉式管理=セミクローズドマネジメントとは
閉式管理とは、ある区画単位をその外部と区別して扱う事全般を指すようです。
それの「半」ですから、一定程度緩和された措置を指しているのでしょう。
では、具体的にどういう扱いなのか?
通達の各項目を見ればわかります。
「半封城」の通達の内容
- 居住区ごとに検問を設けて体温測定、車両はバウチャー発行で管理、社区(村)が流行を広げた場合は必要に応じて隔離
- 原則として部外者や車両は社区(村)に立ち入ることはできない
- 自分の健康状態を住んでいる社区(村)に報告
- 北京に到着する前の14日以内に、流行地域を離れた人や流行地域の職員との接触歴がある人は観察
- 各地区の集中隔離
- 不要な文化およびスポーツ活動室、娯楽室などの社区(村)の公共の場所は閉鎖
- 賃貸物件の運営会社や仲介会社は、予防管理の責任者とその連絡先を明確にして必要に応じて住宅やテナントの賃貸に関する情報を社区(村)に提供
- 市場、食料品店、スーパーマーケット、薬局などは、業務時間を合理的に調整
- 住民は公共の場でマスクを着用する規則を厳守し、外出活動を減らし、パーティーやグループ活動への参加を控えなければならない
- 党員等による規制実施の強化
こういった措置は各都市で大体同じようです。
参考:上海市【武漢肺炎】上海宣佈「封城」 網民斥未阻168萬人湧入 自設漏洞 | 即時 | 兩岸 | 20200210
参考:重慶市重庆所有小区严格实行封闭式管理·重庆日报数字报
「武漢封鎖」とは異なる
武漢封鎖はまさに全面封鎖と言ってよい状況で、中国人であっても人の往来そのものが原則としてあってはならないものとして扱われています。
しかし、北京や上海、重慶などで行われている「半封城」と表現されている「封閉式管理」は、中国人であれば人の往来はある前提で、検問を設けて厳しくチェックしたり外出やイベントは控えろ、という内容なので、まったく異なるものでしょう。
メディアがまったく報じていないのも、既に中国からの渡航禁止、中国への渡航制限がかかっているため、ほとんど関係しないからだと思います。
以上