事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

河北新報『確認団体の「2台目の車両使用」』は印象操作か?【仙台市長選挙】

報道された事実

下記報道の事実について、電話にて、自民党宮城県連、菅原裕典(ひろのり)事務所に事実関係を確認しましたので整理します。

※自民党県連の対応が変わっているので追記しています

 

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 あす投開票の仙台市長選で、確認団体の車両は1台と公選法が限定しているにもかかわらず、ある候補者の確認団体が2台目を使った疑いがあることが21日、市議会総務財政委員会の質疑で分かった。
 委員の一人が「市役所前で20日にあった街頭演説会で、奥山恵美子市長も確認団体の車とは別の車に上って演説した」と指摘。市選管の担当者は「別の車に候補者らが上がり、演説したことを確認している」と事実を認め、公選法違反の恐れがあるとして同日、関係機関に情報提供したことを明らかにした。 

 

 

 

報道内容の整理:「ある候補者」と「確認団体」の「別の車」

 

ある候補者」というのは誰か?「奥山恵美子市長が演説した」、とあることから、仙台市長選挙において奥山市長が応援している菅原ひろのり候補をほのめかしていることは明らかである。

 

では、「別の車」を使用した事実はあるのか?
私は自民党宮城県連の事務局に電話し、以下の事実関係と認識を確認しました。

 

自民党宮城県連の「確認団体の車両」に関する弁
※1,2度目の確認の際の弁。

 

  1. 公選法上、候補者が使用できる街宣車は1台のみの使用となっているが、確認団体として申請して許可を得れば、確認団体としての車両として追加で1台の使用が可能である。
  2. 確認団体の車両として事前にナンバーを届出るのではなく、使用車両に標札を掲示して使用すれば良いこととなっている。
  3. よって、車両を乗り換えて使用することは公選法上問題はない
  4. 確認団体の車両を2台同時使用した事実はない
  5. また、車両の乗り換えの際、標札の掲示に不備があったという事実もない
  6. よって、公選法違反の事実はない

 

他方、菅原ひろのり事務所の男性スタッフの弁は、上記のうち5番の標札の掲示の不備の点については明確な回答をしなかった。この点を県連の事務所スタッフに伝えたところ、不審に感じておられた。

 

選挙管理委員会の認識

仙台市の選挙管理委員会に確認したところ、以下の事実認識であった

 

  1. 確認団体の車両を2台同時使用した事実はない
  2. 車両を乗り換えて使用する際、標札の掲示に不備があった

 

※追記:再度宮城県連に確認:通話相手:ハンザワ氏

上記の県連の事実関係は、女性の通話相手からの聴取であった。一旦電話保留で確認の上、標札の掲示に不備があったということもないと私に話しており、2度電話して同じ回答をいただいていた。

 

3度目の電話でのハンザワ氏の対応は以下である

 

  1. 確認団体の車両を2台同時使用した事実はない
  2. 菅原事務所ではないので事実関係は把握していない
  3. あり得るとすれば、標札の掲示に不備があったのでは

 

対応が変わっているので注意です。
2台同時使用した事実はないという点については同じ。選管とも菅原事務所とも一致。
そうすると、1,2回目の応答は誰に確認したのか?
この辺りが、今回の選挙で自民党の色を消していることの遠因のような気がしている。

 

事実の整理:確認団体の「車両変更の事実」はあった

 

以上まとめた通り、確認団体として使用するための車両を変更したという事実はあったが、県連の1,2回目の説明によれば標札の掲示もなされていたようである。よって、この場合は公選法上の違反はないということになる

 

菅原事務所の弁によれば、搭載しているスピーカーの性能が異なるため、車両を変更したとのこと。

 

河北新報の報道は、事実ではある

 

念のため申しておきますが、河北新報は事実を報道しています。

 

 

  • 委員の1人が「市役所前で20日にあった街頭演説会で、奥山恵美子市長も確認団体の車とは別の車に上って演説した」と指摘したこと
  • 市選管の担当者が「別の車に候補者らが上がり、演説したことを確認している」と言ったこと
  • 選管職員が?「公選法違反の恐れがあるとして同日、関係機関に情報提供したこと(ここは主語が不明確だが、後述の委員の方によれば、選管職員とのこと)

 

 

これらは7月21日の仙台市議会総務財政委員会で仙台市長選挙について「ある委員」が質疑したことと、それに対する答弁である。このこと自体は事実のようである。

  

 

「ある委員」とは

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伊藤ゆうた仙台市議会議員:青葉区選出

かつて維新より国政に出馬、甘利大臣に挑み落選。前回の市議選で民進から出馬し、当選。

 

選管としても重く捉えているとのこと。

 

彼のfacebookページにはこのように記載があります。

 

議事録が現段階で公開されていないので、選管の職員が本当にそう捉えているかは、推し量れませんが、少なくとも伊藤ゆうた議員の説明によれば、そのような認識とのこと。
※後の電話で選管は「標札の掲示の不備」の事実が公選法違反にあたるという認識であった。
 

ということは、1,2度目の自民党県連担当者の事実認識が完全に間違っているか、選管の職員の事実認識が完全に間違っているかの二者択一ということになります。

 

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他の公選法違反疑惑の報道:2つのうち1つは否定、1つは村井知事のミス

ポスターが事前運動にあたるという疑惑について

sp.kahoku.co.jp

 

こちらの記事では

 

「県選管に届け出が正式に受理されており、問題ないと考える」と話した。

 

 

とあるように、明確に公選法違反の事実を否定している。

この時には、疑惑の相手の反論を載せている点で、納得ができる。

 

その後、当該行為について公選法違反であるとの報道はなされていない。

 

村井宮城県知事による応援動画の事前運動のおそれについて

他方こちらの報道はどうか

仙台市長選挙の公示前の応援メッセージ動画についてである。

www.kahoku.co.jp

<仙台市長選>応援動画、村井知事が謝罪 | 河北新報オンラインニュース

 

文字リンクの方で、既に動画は削除済みとある。よって、この件については、村井知事のミスということだろう。

 

仙台市長選挙という重要な事柄にかんして軽率な行動をとる村井知事とその側近は猛省して頂きたい。

 

河北新報社の報道姿勢は

 

選挙の投票日前日に、実質的に候補者の反論の機会を与えないこのような報道は、果たしてフェアなのだろうか?

 

上記の河北新報の記事には、菅原陣営の認識を掲載していません。
当然である。「ある候補」としているから、記事の中で特定の候補者に確認していたとすれば矛盾する。 

また、質問した委員の名称を伏せるという方法も奇妙である。

 

上記の記事からすると、確認団体の車両の運用を知らない一般人からすれば、2台同時に使用していたという重大な公選法の違反をしていたと捉えかねない。

 

現段階では疑惑に過ぎないが、選管の事実認識は「標札の付け替え忘れ」というものである。これは記事の印象から受け取れる「2台同時使用」との関係では比較的軽微なものである。もちろん、だからと言って問題がないなどとは言ってはならない。

 

仮に選管の主張する内容が事実なら、候補者とその所属会社の信用まで落としかねない行為は、元々政界におらず経済界から出馬した菅原さんにとって、足枷となるだろう。

  

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