事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

2018年版日本と韓国の性犯罪率:強姦強制わいせつの統計

日韓性犯罪統計

日本と韓国の性犯罪率統計

外務省が平昌オリンピックに先駆けてスポット情報を出していました。そこでの情報を辿るうちに、日本と韓国の犯罪比率の比較データがありましたので2018年現在手に入る最新の情報を整理していきます。

ここでは何かと話題になる強姦と強制わいせつに絞って整理していきます。

※2020年6月6日追記:一部のデータが更新されたので2020年版として整理しました。

外務省の注意喚起と情報ソース

外務省関連のWEBで注意喚起と治安情報が示されています。

外務省HPでの韓国の治安情報

外務省韓国注意喚起

主な犯罪の発生リスクを日本と比較すると,韓国は殺人が約2.5倍,強盗が約1.2倍多く発生しています。 

在韓日本大使館のHPにおける韓国治安情報

2018平昌冬季オリンピック・パラリンピック大会特設サイト|在大韓民国日本国大使館

PDF:http://www.kr.emb-japan.go.jp/people/pyeongchang/anzen_manual_2.pdf

在韓日本国大使館安全の手引き
強姦は約13倍、強制わいせつが約6.4倍となっています。

注意したいのは、韓国の統計はいつからか強姦と強制わいせつを分けなくなったということ。現在もそのような統計が続いているのか調べられませんでしたが、この数字そのものは信じてよいでしょう。(おそらくオフィシャルな統計以外に日本と定義を似せた数があるのだと思います。)

日本の犯罪数の推移

強姦と強制わいせつの発生件数の統計

犯罪白書刑法犯認知件数


平成28年版 犯罪白書 第1編/第1章/第1節/1

平成28年=2016年の日本における強姦は989件強制わいせつは6188件性犯罪全体では約7100件でした。これを人口10万人当たりで計算すると強姦は0.785強制わいせつは4.91

これを外務省発表の数字をかけると韓国においては強姦が人口10万人当たり10.2強制わいせつは31.43となります。これを単純に韓国の人口の5100万人に直すと韓国の強姦は約5200件強制わいせつ約16000件となり、性犯罪全体では約21200件。つまり日本の約3倍の件数、人口比で約7.4倍の比率となります。

韓国の犯罪率の推移と日本との統計比較

韓国のサイトは探せなかったので、国連の機関である国連薬物犯罪事務所の調査データを参考にします。こちらは2017年にリリースされたデータです。

UNODC Statistics Online

性犯罪の日本と韓国の経年比較

上記データを基に10万人あたりの性犯罪(強姦+強制わいせつ)発生率のグラフを作成しました。日本は横ばいであるのに対して、韓国は上昇傾向にあります。

2014年度の比較では日本6.82に対して韓国42.5日本の6.16倍です。

なお、このサイトでは「性犯罪全体」の他に「レイプ」と「未成年に対する性犯罪」があります。韓国のデータは「レイプ」(つまり強姦)の項には存在しませんでした。よって、この調査の段階では韓国の統計は(オフィシャルな統計としては)強姦と強制わいせつを分けていなかったと言えます。

生データはこちら

※2010年までのTotal,Rape,against childrenの生データがあったのでこちらでどうぞ

韓国の性犯罪率と世界の性犯罪率との統計比較 

http://www.civitas.org.uk/content/files/crime_stats_oecdjan2012.pdf

こちらはCIVITASというイギリスのウエストミンスターにあるシンクタンクのデータです。国連薬物犯罪事務所の調査データを基に、比較的統計的な処理が似通っているOECD諸国に限って犯罪データを比較したものです。

強姦率についてのOECD諸国と日本韓国
Sources: United Nations Office on Drugs and Crime, Statistics on Crime, Sexual Violence
http://www.unodc.org/documents/data-and-analysis/statistics/crime/CTS12_Sexual_violence.xls

こちらでは「レイプ」の統計が確認できます。日本が1.1に対して韓国が13.5ということで、外務省の約13倍という情報と同じ結果です。この調査結果は2010年に発表されました。対象年は2006年か2007年です。

ここでも注意すべきは、各国で性犯罪の定義や統計の取り方が異なるため、この順序に治安が悪いということには必ずしもならない可能性があるということです。OECD加盟国以外のデータが見たい方は、先述の国連薬物犯罪事務所のサイトからどうぞ。

ネット上の情報についての検討

「韓国は性犯罪大国」「韓国の性犯罪は日本の40倍」などという言説をたまに見かけます。

韓国は性犯罪大国か? 

性犯罪大国などという言葉を使ってはいけないのは犯罪率が高くても低くても変わりないと私は考えます。それに、CIVITASのデータを見ればわかるように、OECD諸国の中で韓国の性犯罪率はこの調査においては「中の上」といえます。殊更韓国のみを取り上げるのは公平性に欠けると言えるでしょう。

追記:また、日本と韓国との性犯罪の規定には若干のずれがあり、刑事司法の運用や司法統計の扱いが異なる可能性があるということには留意が必要です。

ただし、日本から韓国に渡航する際に警戒すべきなのは変わりなく、注意喚起として必要な情報だと言うべきです。韓国で日本人が狙われやすいかどうかは調査では不明であったものの、韓国では反日教育が行われている以上、見た目上の数字以上に、日本人は身の回りに気を付けなければいけないということは明らかです。

ネット上では韓国の性犯罪は日本の何十倍という言説があるが…

以上に示した通りです。何十倍という事はありません。ネット上でいいかげんな数値を用いている輩がいるということです。昔のデータでもそのような数値には決してなりません。 

まとめ:韓国の強姦の認知件数の率は日本の約13倍・強制わいせつは6倍以上

  • 韓国の強姦の認知件数の率は日本の約13倍
  • 韓国の強制わいせつの認知件数の率は日本の6.4倍
  • 韓国の性犯罪全体の認知件数の率は日本の約7.4倍
  • 韓国の性犯罪率は統計上OECD36ヶ国中13番目に多い
  • 韓国の性犯罪率は上昇傾向

統計上の数字ではわからない現地の治安などは、やはり外務省HPや現地日本大使館のHPを参考にするべきです。また、よく行われる犯罪の手口も記載されているので、海外渡航の際には十分目を通しておき、心構えと対策が必要です。

以上