「職業差別」の話ではない
AV女優藤かんな「バレエ教室にバレて指導者をクビ」
私はバレエ教室で指導もしているんだけど、
— 藤かんな (@fuji_kanna8) 2023年6月19日
来月のシフト、私の知らないうちに全部決まってた。
私の指導担当日、1日もなかった。
もう何がしたいか、分かってきたよ。
それにしても、あんまりだな… pic.twitter.com/JgkJzHz7vH
AV女優の藤かんな氏が「バレエ教室で指導もしている」と表明したのが2023年6月19日のツイートが最初。
この時点で「指導から外された」旨が書かれているため子供らの姿が映っている写真がUPされたことが原因で指導から外されたという事情は無いと言える。SNSで勘違いしている者も居た。
で、27日にバレエ教室の先生から指導を辞めるよう言われたとする投稿が。
先日、バレエの先生と話してきた。
— 藤かんな (@fuji_kanna8) 2023年6月27日
教室のマダムも1人、同席していた。
先生は言った。
「かんなちゃんがこの教室で指導するのは、辞めてほしい。生徒や親御さんが嫌な思いすると思うから」
私は承諾した。
(続く…) pic.twitter.com/SVuRfiyW5U
「バレエ教室を開く資金作りのためにAV女優」?
藤かんな氏はnoteに自身の経験を綴ったものをUPしていますが、その中に「4歳からクラシックバレエを続けており、2割程度の本気度だがバレエ教室を開く資金作りのためにAV女優を志望したことを志望動機に記載した」旨の記述があります。
ただ、「子供らに指導」をしていたという記述はnoteには一切ありません。
自分がレッスンを受けていることについては何度もTwitterに投稿がありますが。
「バレエ指導者」実演者としての技術レベルの実在性
これ講師のレベルに無いよね。
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2023年6月27日
話題になってる件、実在性あんの? https://t.co/Dos6hWr2Sm
- 「4歳からクラシックバレエを続けている」記述
- 「2割程度の本気度だがバレエ教室を開きたい希望がある」記述
- 「指導をしている」旨の記述
- バレエの専門用語を使っての動画UP
こうした発信からは、「彼女自身が技術指導の実演者として子供らに教えている」という印象を持ちます。
が、この動画の通り、技術レベルはそのようなレベルにはありません。
他方で、単に「指導者」と言うだけなら、子供らの人数が多くて練習を回せるようにするために経験者であるパパさん・ママさんコーチの手を借りる話ならよくあることです。そのような補助的な立ち位置での「指導者」であれば、あり得ないことでは無い。
球技であれば、その競技は未経験でも身体操作の上手さや教育者としての振る舞いによって筆頭指導者たる地位が相応しいと認められる人は居る。ただ、「形が命」のバレエにおいて、そのような形態はあり得るのだろうか。格闘技ではまず聞かない。他には、指導者が他に居らずやむなく、というパターンくらいしかない。
なお、自身に実演者としてのスキルはあまり無いが、過去の経験を伝えたり分析能力の高さで監督やコーチをやっている人は存在する。例えばフィギュアスケートの浅田真央選手のコーチだったタラソワ氏も、自分の現在の演技を見せていたわけではない。が、藤氏に関しては、そうした能力が伺える投稿は一切ない。教育論に関しても何もない。
妄想による職業差別論と安易なメディアによる報道
ところが、本件について既に複数のメディアがTwitter上の投稿とnoteの投稿のみで書かれたと思われる記事を出しています。
バレリーナ、成人向け作品出演バレたらクビ? バレエ教室「仕事のことを知りました。ショックです」→指導日ゼロに 「拒否反応示す生徒いる」「バレエ続けて」と賛否両論 神戸新聞NEXT
バレリーナ、成人向け作品出演バレたらクビ? バレエ教室「仕事のことを知りました。ショックです」→指導日ゼロに 「拒否反応示す生徒いる」「バレエ続けて」と賛否両論 まいどなニュース
セクシー女優 講師務めるバレエ教室に職業知られ「ショックです」と言われたことを告白…同業者も「現実に差別されている」と憤り 6/26(月) 18:59 女性自身
2022.02.26 16:00 週刊ポスト 藤かんな「胸が大きくてもバレエは続けられることを証明したい」
「彼女自身が技術指導の実演者として子供らに教えていたが、AV出演がバレたためにバレエ教室の先生からクビにされた」というストーリーは、実在性が極めて怪しい。
にもかかわらず、そのような物語を想起させるメディア記事が複数見られます。
SNSでも「職業差別」の観点から論じられてバズって居るのがありますが、本件はそういう話にならない。何らかの専門性が備わっているなら別ですが、そうでない限りは妄想の類でしかない。
藤氏はデビュー当時は一般企業に勤務していたと言っており、副業がバレて「副業禁止規定に違反していると言われ」退職したという旨を投稿したこともあった。このときも女性誌が彼女にインタビューして記事化していたが、なぜか企業側の声は一切取り上げて無い。
※このときは「胸の大きな子だってバレエが好きなら続ければいい。そう自ら証明したくてグラビアに挑戦しました。将来、バレエ教室を開きたいと思っているので、これからもバレエ好きの女の子たちに伝えていきたいです」とまで言い切っており、2023年6月に書かれたnoteの記述とは明らかに齟齬が生じている。
で、この人の場合、それが指摘されたところで、話題になる事それ自体が利益だと思ってそうです。血液が下半身に行ってる頭ゆるい男たちにとっては関係無いからね。
だからこの話は、【実在性が怪しい事柄について安易に取り上げるメディアや職業差別がどうのこうのと自説に引き付けてる人たち】の問題として捉えるべきでしょう。
以上:はてなブックマーク,ブログ,note等でのご紹介をお願いします