事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

礒崎元首相補佐官「一つの番組について補充的説明をするに至った」朝日新聞「新解釈を追加」:放送法の政治的公平性

やはりくおりてぃぺーぱー

礒崎元首相補佐官「一つの番組について補充的説明をするに至った」

礒崎陽輔 元総理補佐官について、立憲民主党の小西洋之議員が「放送法の政治的公平性に関する解釈に関して総務省に働きかけていた」などと問題視しています。

それが高市早苗議員の「捏造文書でなければ辞職」答弁に繋がっています。

こうした動きを受けて、礒崎氏はTwitterで以下ツイート。

魚拓    

  1. 総理補佐官在任中に、放送法で定める政治的公平性の解釈について、総務省と意見交換をしたのは事実
  2. 昭和39年の政府解釈では分かりにくいので、補充的説明をしてはどうかと意見した
  3. 一部報道で「この件は俺と総理が決める話」と言ったとあるが、総務省との意見交換の後に、同省が「官房長官にも話をすべきだ」と言ってきたので「それは、私の仕事ではない。総務省の仕事だ」と伝えたものであり補充的説明の内容とは関わりが無い話

こうした主張でした。

昭和39年の政府解釈や高市総務大臣の答弁については以下でまとめています。

要するに「解釈変更」ではなく、従来解釈の中身についてより詳細を述べたまで、というのが政府見解です。そして、実質的にもそのように評価するのが妥当です。

総務省側に対して働きかけをしたことのみをもって何か問題視する向きがありますが、意見をしたとしても何ら問題が無い行為です。

朝日新聞「新解釈を追加」と印象操作か:放送法の政治的公平性規定

放送法の解釈追加、官邸側の働きかけ認める 礒崎元首相補佐官が証言:朝日新聞デジタル魚拓

礒崎氏は取材に「首相補佐官の在任中に、総務省の局長と政治的公平性に関する放送法の解釈について意見交換し、補充的説明をするに至ったのは事実」と話した。内部文書に示されていた、新解釈を加える一連の経緯をおおむね認めた。

朝日新聞は独自取材として礒崎氏にアプローチし、磯崎氏はそこでも「(放送法の政治的公平性規定について)補充的説明をするに至った」と説明しています。

にもかかわらず、朝日新聞はタイトルに「解釈追加」と記述し、本文で礒崎氏への取材結果について「新解釈を加える」などと書いています。

流石は くおりてぃぺーぱーですね。印象操作でしょう。

解釈変更」だと完全に嘘になるから、「新解釈追加」という造語を使ってきたか。

でも、"新"解釈というのも虚偽では?

国会議事録で「解釈追加」「解釈を追加」と検索しても、政府側の用語法としては一切出てきません。こんな用語法は法解釈学においても聞いたことがありません。

第190回国会衆議院予算委員会平成28年2月29日にて奥野総一郎議員が「大臣の言葉で言えば補充、補充ということは追加ですね、新しい解釈を追加したのか、何か事情の変更があったのか、このタイミングでどうしてこれを変える必要があったのか、補充する必要があったのかについて、まず大臣に伺いたいと思います。」などと質疑していましたが、「補充」を独立したモノとして「追加する」と理解する用語法は日本語の国語的にもおかしい。
※法解釈学上の「補充性」「補充性要件」「補充的保障説」などの意味も異なる。

当時の高市総務大臣は「私の見解は、これまでの解釈を補充的に説明し、より明確化したものであり、整合性に問題はないと思っております。」と答弁しており、「既存のモノの内部へ取り込む」という趣旨で表現しています。

既に森友学園問題のときのような細かい印象操作、言葉の意味や概念、発言内容のスピンが行われているなと感じます。

そして、その例はこれだけではありません。それは別稿にて。

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