事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

韓国地裁、日本資産差押えは主権免除の国際法違反:隠されたギリシャ特別最高裁判決

 

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隠されている事実について。

韓国裁判所、日本の資産差押えは主権免除原則違反で国際法違反として差押えを認めない決定

日本資産の差し押さえ認めず 慰安婦訴訟費用、韓国地裁「国際法違反恐れ」 - 産経ニュース

 【ソウル=時吉達也】韓国のソウル中央地裁が1月、元慰安婦への賠償支払いを日本政府に命じた確定判決について、同地裁の別の裁判官らが判決内容の一部を職権で事実上変更し、訴訟費用の確保に向けた日本政府資産の差し押さえを認めない決定を出したことが20日、分かった。韓国紙、中央日報(電子版)が同日報じた。決定は、差し押さえが「国際法違反になりうる」との判断を示した。

これは国際法上の「主権免除原則」を考慮した結果です。

この点について差押えを認めた判断が出た際に解説していました。

主権免除に関する国際司法裁判所の判断:ギリシャ「特別最高裁」判決を参照

主権免除については過去にドイツがイタリアの国際法順守義務違反をICJ(国際司法裁判所)に訴えた事案があり、ドイツの主権免除を認めています。

そこにおいてギリシャ特別最高裁の判決が参照されています。

既に以下で解説していますので、ここでは要点だけ。

日本はICJに韓国の国際法義務違反の宣告や司法機関の決定の取消し宣告を求めればいい:韓国慰安婦訴訟|Nathan(ねーさん)|note

なぜか無視されるギリシャ「特別最高裁」のドイツの主権免除を肯定した判決:リドリキ村事件訴訟=マリゲロス対ドイツ連邦共和国事件|Nathan(ねーさん)|note

なぜか無視されるリドリキ村事件訴訟=マリゲロス対ドイツ連邦共和国事件

韓国による慰安婦訴訟肯定派は、「世界における人権保障の新たなトレンド」としてギリシャやイタリアにおけるドイツ軍の行為に対する訴訟を引き合いに出します。

が、結果は上述の通りですし、なぜか無視されている判決があります。

それが2002年9月17日の【ギリシャ「特別最高裁」のドイツの主権免除を肯定した判決】です(リドリキ村事件訴訟=マリゲロス対ドイツ連邦共和国事件。多く参照されてる出典として [2003] 56 Revue hellenique de droit international 199 )。

これは2000年5月4日にギリシャ最高裁でドイツの主権免除を認めなかった判決(ディストモ事件訴訟。ただし判決の執行を法務大臣が認めなかった)とは別事件です。

リドリキ村事件訴訟特別最高裁判決はディストモ村事件最高裁判決の結果を否定するものではありませんが、主権免除の解釈を変更したものです。

この件に関する解説が書かれたものに触れた事がある人は居ないと思います。

そう、無料メディアに出てくる人たちはみんな「隠してる」わけです。

韓国はギリシャよりは国際社会の一員として相応しいことを示した?

  • ギリシャ⇒最高裁が主権免除を無視、ICJでの訴訟に発展するも理論は採用されず。また、特別最高裁で判断を変更し、同種事件について主権免除の適用ありと判示
  • 韓国⇒地裁が主権免除を認めず。しかし地裁の別の裁判体が職権で判断を変更

こうした視点から見ると、韓国はギリシャよりは国際社会の一員として相応しいことを示したということが言えるかもしれません。

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