事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

伊是名夏子「精神病なんて病気でもなんでもなく、ただ理解者がそばにいて話を聞いてくれればいいだけなんだよね」

伊是名夏子精神障害について語る

伊是名夏子氏が消したブログに精神障害についての記述が。

伊是名夏子「精神病なんて病気でもなんでもなく、ただ理解者がそばにいて話を聞いてくれればいいだけなんだよね」

コラムニスト 伊是名夏子ブログ クワイエットルームへようこそ 2009/09/26 11:41

元URL:http://blog.livedoor.jp/natirou/archives/51571923.html

すごくよかった!
クワイエットルームへようこそ。
精神病なんて、ささないなことで誰でもなっちゃうし、本当は病気でもなんでもなく、ただただ理解者がそばにいて、話しを聞いてくれればいいだけなんだよね。
キャストも豪華で、内田有紀がこんな演技をするだなんて知らなかったし、蒼井優も今までと一味違った演技ですごかった。
そしてなんと言っても大竹しのぶだよね。
苦しいけど、面白くて、なんかストーーンって、刺激される映画でした。
見て、本当に良かった。

どうやら松尾スズキ原作の 【クワイエットルームにようこそ】の映画を観た感想のようです。精神病棟という舞台における人間模様を描いた作品のようですが…

作品の構成に引きずられただけなのか、精神病・精神障害者に対する理解としては不適当な記述がみられます(実際、Amazonレビューには「精神病に対する偏見をなくしたかったようにも思えなかった」というものもある)。

精神障害と非行・犯罪

「理解者がそばにいて話を聞いてくれれば良い」

これは一面において真実と思われますが、同時にそれだけではどうにもならない現実があります。

私が衝撃を受けたのは弁護士の神谷信行による事実の治癒力 心理臨床と司法の協働 を読んで、有名な事件の犯人だった少年の脳に器質的な障害がみられたということ。

それは成長とともに治癒される可能性があり、だからこそ少年の非行・犯罪というのは成人とは必ずしも同一のものとして扱うことは適当ではない、というようなことが書かれています。

それ以来、本人の意思や、周囲の人間の努力ではどうにもできないことがあり得るという状況への想像力を得たように思います(もちろん、過程にある努力を無意味とする趣旨ではない)。

同様の事はケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) [ 宮口 幸治 ]でも書かれているように伺えます。

これらは、非行少年や犯罪者だけの話では無いでしょう。

伊是名氏も生活の中で、自身の意志力や周囲の人間の助力だけではどうにもならなかったという体験は数多くしてきたはず。

このブログ記事から12年が経過している今は(というより作品の印象から離れて)、より柔軟な視点が備わっていることを期待したいです。

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