事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「村上茉愛が五輪反対派を見返したいと発言」について:デイリースポーツが記事修正、誹謗中傷者に対して

村上茉愛と五輪反対派を見返したい

デイリースポーツ

デイリースポーツが記事修正

「村上茉愛が五輪反対派を見返したいと発言」との認識の広がり

村上茉愛 団体戦後にSNSへの中傷コメントに3分間涙で訴え/東京五輪/デイリースポーツ online魚拓

「村上茉愛が五輪反対派を見返したいと発言した」という認識がSNS等で広がる。

この原因はデイリースポーツの記事に以下の記述があったから。

女子個人総合を戦い終えた村上は、27日の団体戦後に自身のSNSに中傷のコメントがついたと告白した。「コロナになってアスリートが発言するのはすごく難しい。もう消去しましたけど、そういう嫌なコメントを見てしまって…。すごく残念でした」。そう話すと涙が止まらなかった。
 コロナ禍で五輪を巡る空気は一変。開催に反対する世論が強まる中、夢舞台を目指す選手に対する風当たりが強くなった。今大会でも試合後にさまざまな形でSNS上に中傷コメントが書き込まれ、波紋を呼んでいる。
 「五輪を反対している人がいるのも知っている。そういう人を見返したいと思って、この1年頑張ってきた。そういう人たちに思い知ったかと思ってもらいたいです。すいません、最後に泣いてしまって」。3分間、涙とともに訴え続けた。

しかし、現在はこれは以下に修正されています。

コロナ禍で五輪を巡る空気は一変。開催に反対する世論が強まる中、夢舞台を目指す選手に対する風当たりが強くなった。今大会でも試合後にさまざまな形でSNS上に中傷コメントが書き込まれ、波紋を呼んでいる。

 「そういう人を見返したいと思って、この1年頑張ってきた。そういう人たちに思い知ったかと思ってもらいたいです。すいません、最後に泣いてしまって」。3分間、涙とともに訴え続けた。

選手に誹謗中傷をした者を対象にした発言 

【体操】5位の村上茉愛が号泣 SNS〝誹謗中傷〟明かす「嫌なコメントを見てしまって…」 | 東スポの体操に関するニュースを掲載2021年07月29日 23時26分(魚拓

ケガをしながらも自分の演技には満足していた村上。試合後のミックスゾーン(取材エリア)では笑顔を見せながら感想を語っていたが、海外メディアから「SNSでの誹謗中傷」「メンタルヘルス」について質問が飛ぶと、突如、表情が一変した。

「なかなか日本のメディアからは出ない質問ですね、言っていいのかな、自分もありました…」と言うと、堰(せき)を切ったように涙があふれた。そこからはおえつするほどの号泣となり、新型コロナウイルス禍の1年で味わった〝誹謗中傷〟を振り返りつつ「そういうのが嫌でSNSをやっていなくて…。コロナになって、いろんな人がいろんなことに中傷する世の中になった。アスリートが発言するのがものすごく難しいなって」と声を震わせた。

ー中略ー

 また、反五輪の意見がアスリートに向けられる状況にも思うところがあった。

「そういう人がいるのはすごく残念だなってすごく思います。反対している人も知っているし、もちろん分かるし。だけど、(誹謗中傷は)見たくなくても見てしまう、勝手に入ってきてしまう、すごく残念だなって、悲しかったなって」

 ここまで吐き出すと冷静さを取り戻し、「そういう人を見返したいと思ってこの1年頑張ってきた。思い知ったかって」と言って、最後は村上らしく笑った。

東スポも「反五輪派」と「誹謗中傷」に関して村上選手の発言を載せているが、少なくとも「そういう人を見返したいと思って」の直前は「誹謗中傷」に対して。

別の記事も見てみます。

村上茉愛もSNS中傷経験 「すごく残念、悲しかった」 取材エリアで大粒の涙― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

最近、問題となっているアスリートのSNSなどへの誹謗(ひぼう)中傷コメントの書き込みについて問われ、インスタグラムを活用している村上は「ありました。団体のを投稿した時に嫌なコメントを見てしまって残念で。見たくなくても見てしまう。勝手に入ってきてしまう。すごく残念というか、悲しかった」と涙を流しながら話した。

 新型コロナウイルス禍での五輪開催で賛成派と反対派に分断され、アスリートが自らの言葉で語ることをためらうことも多くなった。村上も「本心が言えない部分もあった」とする一方で、「そういう人を見返したいとこの1年、頑張ってきた」と話していた。

これらとデイリースポーツの記事の訂正を考慮すると、村上選手は五輪反対の意見を持つ者がすべて選手に対する誹謗中傷であると捉えているのではなく、選手に対して直接誹謗中傷も交えながら五輪反対を訴える或いは選手に辞退するよう強要するような、そういう発信をする者に対する発言だったのではないかと思われます。

この発言は海外メディアの取材に対する返答だったため、動画は見つけられていません。日本では以下の動画がありますが、競技直後のこのインタビューでは関連する質問・発言はありません。

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