事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

西浦教授が朝日新聞「接触7~8割削減の根拠 厳密には6割」を否定

朝日新聞による西浦教授の6割デマ

西浦教授が朝日新聞の「接触7~8割削減の根拠 厳密には6割」とタイトルにした記事を否定しました。

これは少し注意すべき内容のようです。

朝日新聞「接触7~8割削減の根拠 厳密には6割」と報道

「接触7~8割削減」の根拠は? 厳密には6割だけど… [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル魚拓

 新型コロナウイルスに関して、安倍晋三首相は7日に緊急事態宣言を出した後の会見で「緊急事態を1カ月で脱出するためには、人と人との接触を7割から8割削減することが前提だ」と求めた。「並大抵のことではない」と首相も認めたが、この数字には、どんな意味があるのだろうか。

 首相の発言は、厚生労働省クラスター対策班の計算がもとだ。対策班の西浦博・北海道大教授はドイツの状況から推定し、感染者1人が平均で2・5人に感染させるとして、人と会うなどの人と接触する行動を「6割」抑えると感染拡大が減少に転じると計算した。

 しかし、要請ですべての人の行動が変わるわけではないので、少し多めの「8割」減を人口全体で設定したとツイッターで解説している

朝日新聞はクラスター対策班の方針である「接触7~8割削減」の根拠について、西浦教授が「厳密には6割」と説明したとタイトルで指摘しています。

これは本人が否定しています。

西浦教授「厳密には6割などとは言っていない、取材も受けてない」

西浦教授は「厳密には6割などとは言っていない、取材も受けてない、8割が必要です!」と、朝日新聞記事のタイトル部分を否定しています。

新型コロナクラスター対策専門家のツイートを誤解か

朝日新聞は新型コロナクラスター対策専門家のツイートを誤解したのでしょうか?

記事本文には「しかし、要請ですべての人の行動が変わるわけではないので、少し多めの「8割」減を人口全体で設定した」と書いてあるのですが、これはどう理解したら良いでしょうか?

朝日新聞の記事の問題点

 この説明からは朝日新聞の記事には以下の問題があると思います。

  1. タイトルが「厳密には6割」と誤解を招く表記(しかも行動抑制という目標とは逆方向に誘導するもの)
  2. 「少し多めの「8割」減を人口全体で設定した」という部分が、計算によって導いたものではなく感覚で上乗せしただけのように受け止められる

「少し多めに」「設定する」という文言が動画内で使われていますが、これは実効再生産数が1を下回るためにはどうすれば良いのかについて、諸要素を計算した上で導き出した話であるという雰囲気があります。

決して6割⇒8割の過程で計算が為されていないという意味ではありません。

「7割」は政治側が言っていること

じゃあ「7割」についてはどう考えているのか?

これは「政治側が勝手に言っていること」と明言しています。

田崎史郎氏の解説などでも、この7割は政治側が独自に言い出した数値だということは言われていました。

以上