事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

中国広東省「新型コロナウイルス退院患者の14%が陽性反応」は再感染なのか

 

中国広東省が「新型コロナウイルス退院患者の14%が陽性反応」と公表しました。

これは「再感染」を直ちに意味しません。

退院患者の14%から新型コロナウイルス陽性反応の報道

新型コロナ、中国・広東省 退院患者の14%から陽性反応(TBS系(JNN)) - Yahoo!ニュース

広東省の衛生当局は25日、会見を行い、新型コロナウイルスによる肺炎の治療を受け、その後、退院した患者の14%から再びウイルスの陽性反応が出たとの分析結果を明らかにしました。衛生当局は、理由について、現時点では研究段階で科学的な結論は出せないとした上で、個人の体質や病状によってウイルスが体内に残り完全に治癒できていない可能性があると指摘しています。

中国広東省が退院患者の14%から新型コロナウイルスの陽性反応という報道。

これの元ソースを探します。

中国広東省人民政府と保健委員会の記者会見内容

報道では2月25日に広東省人民政府の報道局が記者会見をしたとあります。

この内容に触れた記者会見として26日の保健委員会の以下のページがあります。

広東省は「复阳」という言葉を使って、退院患者の14%が再度陽性になったことを明らかにしたものの、これが「再感染」を意味するのかは未だ科学的結論に至っていないとしています。

「14%」の母数が何人なのかという情報が無いため、あまり信用するのは良くないと思いますが、これが本当であれば厄介だと思います。
(予備データとして13人が「再度陽性」だったという文言は見つかるが)

なお、この14%の人の濃厚接触者については感染が確認されなかったとしています。

つまり、この段階で感染力を持つという情報は今のところはないということです。

再度陽性反応≠再感染

再度陽性反応が出たからといって、「再感染」を意味するとは限りません。

会見ではどのような者が退院しているのかという質問がないのでよくわかりませんが、症状が出なくなったら退院させているのかもしれません。

或いは、退院前に拡散増幅検査をして陰性になった者を退院させているのかもしれません。

抗体が作られない「再感染」は他のウイルスにもある

一度ウイルスに罹患すると抗体ができて 「再感染」することは無いと言われますが、再感染するリスクがあるウイルスというのはいくつかあります。

ただ、今回は短い期間に14%もの人が「再び陽性」になっているので、「再感染」だとすると通常のウイルスとは違う特異な振舞いをしているということになります。

「退院患者14%が陽性反応」は再感染を直ちに意味しない 

退院患者で陽性反応が見つかった者で、それは退院何日後の話なのか、症状回復後何日後の話なのか、など、精査しなければならない問題はいくつかあると思います。

考えられるパターンは以下のようなものでしょうか。

  1. 新型コロナウイルスは症状が回復してもしばらくはウイルスが体内に(陽性になる程度)残っている
  2. 新型コロナウイルスは症状が回復し、ウイルスが無くなっても、再感染しやすい
  3. 再感染しやすい環境だった

今回の広東省の患者らの住居は入院時に消毒が行われていたようですが、それでも何らかの要因で再感染しやすい環境にあったという可能性が残っています。

分母が分からない以上、この発信をそのまま信用することは拙速ですし、そろそろチャイナ側が情報操作をしてくる可能性があるので(最初から一部はやってるだろうが)、ここはみんな慎重になっているハズです。

峰先生の見解を踏まえると、上記1番の可能性が高いのではないか(そしてそれは何も特異なウイルスであるということではない)と思います。

以上