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新型コロナ「心臓肝臓脳にも異常、中国が病理診断」報道⇒通常の感染症でも見られます

新型コロナウイルスについて「中国が病理診断で心臓肝臓脳にも異常」などという報道がなされていますが、相変わらずのインフォデミックです。

新型コロナ「心臓肝臓脳にも異常、中国が病理診断」報道

新型コロナ 心臓、肝臓、脳にも異常 中国が病理診断 - 産経ニュース

中国の国家衛生健康委員会は4日、新型コロナウイルスの感染者では肺のほか脾臓(ひぞう)などのリンパ系器官、心臓や肝臓、腎臓、脳組織などにも異常がみられたとする病理診断の結果を公表した。一部の患者の生体組織診断や遺体の病理解剖を行い、新型肺炎の診療ガイドラインの改訂版に盛り込んだ。

産経新聞は中国の国家衛生健康委員会の4日の発表に触れて、「心臓、肝臓、脳にも異常」とタイトルに盛り込んで報道しました。

どういう意味があるのでしょうか?

中国の国家衛生健康委員会

産経新聞の報道のもとになっているのは、中国の国家衛生健康委員会の新型コロナウイルス肺炎に対する診療ガイドラインの第七版です。

《新型冠状病毒肺炎诊疗方案(试行第七版)》解读

三、增加“病理改变”
  按照大体观、镜下观分别对“肺脏、脾脏及肺门淋巴结、心脏和血管、肝脏和胆囊、肾脏、脑组织、肾上腺、食管、胃和肠管等器官”进行描述。以肺脏和免疫系统损害为主。其他脏器因基础病不同而不同,多为继发性损害。

主に肺および免疫系の損傷が起き、心臓・肝臓・脳など、他の臓器のほとんどは二次的な損傷である、と書かれているに過ぎません。

中国公式の発表からは、産経新聞で報じられているニュアンスのような「通常の感染症とは異なるもの」という要素は何も見出せません。

感染症専門医「通常の感染症の所見で見られるもの」

心臓・肝臓・脳など、他の臓器の損傷が見られた、ということについては、峰宗太郎医師は感染症によって死亡したものを解剖した所見として一般的なものである、という評価です。

サイトカインストームという言葉の独り歩き

サイトカインストームという言葉も独り歩きしているようです。

これまで「新型コロナウイルスは異常だ!他のウイルスと違う!」などと言われているもので、他のウイルスでも当たり前にして起こり得る現象は以下です。

  • エアロゾル伝播
  • 再感染・再陽性
  • ウイルス構造にHIVたんぱく質と類似した構造がある

これらもいろいろ騒がれていますが、すべて新型コロナウイルスに特徴的なものではありません。

関連記事を以下に並べます。

まとめ:インフォデミック

  1. ソースの中国公式は心臓・肝臓・脳など、他の臓器の損傷は、単に二次的な損傷に過ぎないと記述
  2. それは感染症の病理解剖において一般的にみられる所見
  3. それを産経新聞が な ぜ か タイトルに盛り込んで報道
  4. それを見た一般人が「新型コロナウイルスは何か通常の感染症とは違う異常な症状が出る危険なものだ」と誤解

これも一種のインフォデミックですね。

以上