ドコモ口座と提携している銀行において口座を利用しているすべての非ドコモ口座ユーザーが被害者・潜在被害者であるドコモ口座事件
ドコモ口座事件に関して記者説明会が開催されました。
- ドコモ口座記者説明会が開催
- 新規口座連携登録停止後も不正チャージで被害発生
- 被害銀行12行は誤り、11行に訂正、最も古い被害は2019年10月
- チャージ(口座振替によるドコモ口座への預金移動)停止は銀行判断
- docomo側でチャージを止めない判断の是非
- インターネットバンキングの被害との比較
ドコモ口座記者説明会が開催
9月14日午後1時頃からWEBシステム上においてドコモ口座事件に関する記者説明会が開催されました。
雑音が入ったりして聞き取りづらかったですが、一問一答形式でまとめている人がTwitter等にはいるので、ここではポイントだけ。
新規口座連携登録停止後も不正チャージで被害発生
9月10日0時に新規口座連携登録停止後にもチャージで被害が発生したことが判明しています(1件)。
この点は、「紐づけ」=ドコモ口座と銀行口座の連携登録(口座振替登録)が新たに行われたものではなく、既に連携登録が行われていたものにおいて被害が生じたと説明されています。
被害金額は増えていますが、既に発生していた被害について被害者による申告がおこなわれたことによって判明したとしています。申告ベースです。
ただ、登録停止後(※ドコモ口座自体はメルアドのみでの登録が可能なのは変わらない)の不正チャージも今後どんどん明らかになってくるものと思われます。
ドコモ口座の被害額は2500万円超に、新規口座の登録停止後も不正チャージが発生 | 日経クロステック(xTECH)
被害銀行12行は誤り、11行に訂正、最も古い被害は2019年10月
被害銀行は12行に増えたという報道がありましたが、別の事案での被害を算入したためとのことでした。
被害件数が120件で前回公表時(9月11日)より47件プラスになっています。
ドコモが銀行から報告を受けた被害把握件数の日と件数ですが、8日で24件、9日は9件でした(10日時点で+33件の66件、11日時点で+7件の73件、12・13日は土日で公表なし)。8日、9日のチャージ被害は現時点では報告が来ていないと回答。
なお、最も古い被害発生は2019年10月であるとしています。この点は「2020年8月以降」であるかのような発言をしたことについて陳謝しています。
チャージ(口座振替によるドコモ口座への預金移動)停止は銀行判断
チャージ停止についてはドコモはユーザーが多く居ること、システムが銀行毎に異なるため銀行側で判断して止めるべきことであるという認識を示しました。
チャージ停止銀行は「13日午後7時時点」として2行追加で22行となりました。なお、14日12時の時点で京都銀行も停止を表明しています。
「チャージを停止していない銀行においては被害は発生していない」とありますが、これはこの資料を作った段階でのチャージを停止していない銀行、という意味です。
10日時点での被害銀行は11行で、その中で最も遅かったのはゆうちょ銀行の11日朝の段階でのチャージ停止でした。
「チャージは停止しない」とHPで宣言した銀行も、のちに複数がチャージを停止していますが(紀陽銀行・ゆうちょ銀行・静岡銀行・池田泉州銀行・十六銀行・京都銀行)、この中から新規登録停止⇒チャージ停止までに被害が出た可能性があるのはゆうちょ銀行のみとなります。
docomo側でチャージを止めない判断の是非
ドコモ口座自体を止める考えは現時点では無いと回答していました。
これは認証方式がしっかりしている銀行で止める意義は小さいのですが、ドコモ側は銀行側のシステムを理解している節がないですし、銀行側もチャージ停止の時期がまちまちだったりと、その判断が迅速に正しく行われていたかというとかなり疑問なため、「ドコモ側で止めろ」と言うのが不合理であるとも思いません。
ドコモ側で止めるべきだったのではないか?と思います。
被害者・潜在被害者は【提携銀行口座において口座を開設しているすべての非ドコモ口座ユーザー】なわけで、少数のユーザーの利便性のために大多数の非ユーザーを危険に晒すのは傲慢だと思います。
インターネットバンキングの被害との比較
一般社団法人全国銀行協会 別紙2 「インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻し」等に関するアンケート結果
191行を対象にしたインターネットバンキングの被害件数と被害金額についてですが、2019年度は1756件も発生しているのが分かります(アンケートベース)。
ドコモ口座連携銀行は36行なので5倍規模ですが、これをみると今回のドコモ口座事件は「よくあることの一つ」という捉え方がされている面がある(当初はそのように認識されていた)可能性があるんじゃないかと思います。
銀行側の感覚がマヒしてるんじゃないかと思います。
以上