事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

萩生田光一事務所「自民党『ガソリンの税金が高いと思うなら、慣れればいいじゃないか』はフェイクニュース」

政治家のSNSでの「戦い方」を注視

萩生田光一「自民党『ガソリンの税金が高いと思うなら、慣れればいいじゃないか』はフェイクニュース」

「自民党『ガソリンの税金が高いと思うなら、慣れればいいじゃないか』」という見出しについて

この2023年12月2日付JAPAN NEWS NAVIの記事見出しは、事実無根のフェイクニュースです。

以下の点を明確にいたします:
- 自民党からこのような発言は一切ありません
- 萩生田光一からもこのような発言は一切ありません

国民の不安を煽るような虚偽の情報を拡散することは、社会に悪影響を及ぼす重大な問題です。正確な情報の発信と共有にご協力ください。

令和6年12月10日、自由民主党の萩生田光一議員のXアカウントから、2023年12月2日付JAPAN NEWS NAVIの記事見出しは、事実無根のフェイクニュースであり、自民党や萩生田光一からこのような発言をしたことは一切ないと投稿されました。

萩生田氏が引用しているアカウントの投稿は今年の12月8日のものですが、そこでシェアされているJAPAN NEWS NAVIの記事の日付は2023年の12月2日となっています。

https://archive.md/wyx2u

さらに、そこでソースとしているのは以下の2023年12月1日に投稿されたXアカウントの投稿です。

ガソリンの「税金」や「税率」が高いことに慣れろと言った事実は無いし税率を高めようとはしていない

萩生田氏がガソリンの「税金」や「税率」に関して高いことに慣れればいいとする発言をした事実は無いということです。現在の市場価格よりも高い価格であるかどうかも言及していません。

暫定税率としてガソリンの価格には各種の税金(石油税・ガソリン税本則・暫定税率)が一定の割合で上乗せされているのは事実ですが、萩生田氏が「税金」や「税率」を上げようとしているということではない、というのが、一連の発言でうかがえるものと言えます。

なお、暫定税率については、12月11日の自民・公明・国民民主の各党の幹事長が交わした合意文書では、時期は明示していませんが廃止するとしています。

ガソリン減税は 税制改正 令和7年度(2025年度) | NHK

「ある程度の金額に慣れて頂く必要がある」 の元である2023年11月28日の萩生田政調会長ぶら下がり会見

さらに、萩生田氏のアカウントからは『関連して』、という前提で「ある程度の金額に慣れて頂く必要がある」との見出し報道について、元となった発言は【2023年11月28日の萩生田政調会長ぶら下がり会見】であるとして、発言の全文と要旨を投稿しています。

関連して、「ある程度の金額に慣れて頂く必要がある」 との見出し報道について、元になった2023年11月28日の萩生田政調会長ぶら下がり会見の全文と正しい要約を掲載します。

各種報道と見比べていただければ幸いです。

記者:1年前はトリガー見送ったが、1年経って状況は変わっているという認識か?

萩生田:まず1年前の協議は我が党は政調会長、政調会としてですね関わりを持ってないので、もう少し大きな議論の中で3党協議をしていた一つの話題がトリガーの話題だったのではないかっていうふうに承知をしている。

状況の変化があるとすれば、円安局面が変わらない、それから中東の情勢が不安定で原油の値段がなかなか下がってこない、一方サウジをはじめとする減産にかじを切った国も出ている中で、OPECプラスがどういう対応するのか、こういうことを考えていますと、この激変緩和措置がですね激変じゃなくて恒常的に原油高がずっと続くという局面が今すごく強くなってきてるんじゃないかなと思っているので、脱炭素などを考えればですね、一定金額これ今こういう補助制度やってるのは残念ながら日本ぐらいです。したがってある程度金額的に国民の皆様に慣れていっていただくってことも一方では必要なんではないかと思ってますので、こんな点が状況の1年前との変化かなというふうに思っている。

要約すると、

1. 円安傾向が継続している
2. 中東情勢の不安定さにより原油価格が高止まりしている
3. サウジアラビアなどによる減産の動き
4. OPECプラスの今後の動向が不透明

これらを考慮すると、現在の原油価格高騰は一時的な現象ではなく、長期化する可能性が高まっています。

また、脱炭素の観点からも、現在日本が行っているような補助制度は世界的に見ても珍しい状況です。そのため、ある程度の価格水準については、国民の皆様にも徐々に適応していただく必要があるのではないかと考えています。

ここで言われている「金額」は、「税金」ではなく、原油とそれに関連するガソリン等の製品の値段(必然的に税金が含まれることになる)を指しています。

で、ガソリンの金額が高くなる(それに伴って税金額分も増加)のは不可避的な外部要因による原価増であって、税収を得ようとしてガソリン価格を上げることは考えていないし、税収が高くなるからガソリン価格上昇について等閑視している、ということでもありません。

激変緩和措置】として補助金が出ていたものが、原油価格が従前よりも高い恒常的な状況が形成されたことで、一定の役目を終えたと。敢えて言えばその根拠が無くなった、ということでしょう。

萩生田事務所のX投稿での説明は偽情報対策やレピュテーション対策として正解なのだろうか?

さて、こうした萩生田事務所の発信ですが、こういった説明は、偽情報対策やレピュテーション対策として正解なのでしょうか?

Xで反応を見た感じでは「『ある程度の価格については適応していただく』って書いてるのは事実じゃないか、言ってるじゃないか」という反発が多く、擁護者による説明も少ない雰囲気でした。

論理的に話をして理解できる層ばかりではなく、恣意的に悪評を広めようとする者も多いです。

いちいち直接反論をしたり不満を押さえつけようとするのは避けるべきですが、ここで書いたような趣旨を明示したり、その趣旨を説明できる他者を用意するなど、SNS情報空間での戦い方としての正解はなんだったのか?は、追求していくべきではないでしょうか。

以上:はてなブックマークをお願いします