事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

安倍総理「朝日新聞も3300円で布マスク販売」は泉大津市のマスクプロジェクトの製品だった

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4月17日の会見で安倍総理が朝日新聞記者から布マスク配布政策を批判された際に「朝日新聞も3300円で布マスク販売しておられた」と指摘しましたが、これは泉大津市のマスクプロジェクトの製品だということが分かっています。

安倍総理「朝日新聞も3300円で布マスク販売されていた」

質疑応答の場面で安倍総理が「朝日新聞も3300円で布マスク販売しておられた」と指摘しています。この話はネット上では前々から指摘されていました。

朝日新聞SHOPで3300円のマスクが販売⇒緊急事態宣言で休止

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朝日新聞SHOP / 洗える立体ガーゼマスク2枚セット魚拓

朝日新聞SHOPで3300円のマスクが販売されていたのですが、4月7日の緊急事態宣言を受けて、SHOP全体が休止されました。

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「物流に支障が出る恐れがあることから」という理由がなんだか釈然としませんが、残念なことです。

詳細:朝日新聞SHOPで布製マスクが3300円のぼったくり価格で販売中

「繊維のまち」泉大津市マスクプロジェクトの大津産業株の製品

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http://www.izumiotsu-cci.or.jp/latest_information/202003184231/

 

朝日新聞SHOPで販売していたのは泉大津市のマスクプロジェクトに参画していたメーカーのうちの一つのメーカー(大津毛織(株))の製品です。

価格もこの通りの設定です。

「繊維のまち」泉大津市の強みを生かして作られたものとして商工会議所も絡んでるので、一般にネットで販売しているものよりは信頼性は高いです(HPもある)。

安倍総理は「ぼったくり」などと言っていない

魚拓

なぜか「安倍総理が「ぼったくり」のように揶揄した」とみてる人が居るのですが、発言を見てみましょう。

記者 朝日新聞のホシノですよろしくお願いしいたします。総理、先ほどですね、予算案の組み替えについて責任をお詫び申し上げるということでしたが、この間の会見でも一斉休校について感染者の拡大を防げなかったというふうに述べられました。最近では布マスクや星野源さんの動画でも批判を浴びているんですが、この間の一連の新型コロナの対応についてご自身でどのように評価されていますでしょうか。

安倍総理 全国の一斉休校は、私は判断としては正しかったと思っています。あのあと多くの国で一斉休校を行っていることからも明らかではないかと、そう思います。そしてまた布マスクにつきましてはさきほども申し上げましたように、まずはサージカルマスクを医療機関にしっかりと配布しながら、サージカルマスクの受注について対応をしていく上においても、それ以外のたとえば介護施設等々については布マスクの配布をさせていただきました。今ご質問をいただいた御社のネットでも3300円で販売しておられたということを承知しておりますが、つまりそのような需要も十分にある中においてですね、我々もこの2枚の配布をさせていただいたということでございます。

安倍総理は、朝日新聞が「不必要では?」という疑問を呈したので「朝日新聞も販売していたくらい需要があったから配布を決めた」と指摘したに過ぎません。

朝日新聞はアベノマスクに「布マスク配布は意味が無い」

そもそも朝日新聞は「布マスク配布は意味が無い」という記事を書いていました。

布マスクは有効? WHOは「どんな状況でも勧めない」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル魚拓

新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環で、安倍晋三首相が洗濯して繰り返し使える布マスクを5千万余りある全世帯に2枚ずつ配る方針を表明した。布マスクの効用をめぐっては、専門家の間でも懐疑的な見方が多い。

省略

5年前に英国の医学誌に発表された論文では、1607人の医療従事者を、医療用マスクをつける人、布マスクをつける人、マスクをつけたり外したりする人にわけて感染リスクを比べたところ、布マスクをつけた人がもっとも呼吸器疾患やインフルエンザ症状を示した人が多かったという。

WHO(世界保健機関)は、新型コロナ感染拡大期における布マスク使用について「いかなる状況においても勧めない」と助言している。

5年前の論文とはA cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workersです。

この研究は医療施設における医療従事者を対象に、メディカルマスクを使用したグループ(この研究内においてサージカルマスク等を意味し、N95マスクを含まない)と対象群に対して、布マスクを使用したグループの感染リスクがどうなるかを比較しました。

結果は布マスクグループがもっともリスクが高かったというものでした。

しかし、ここでの対象群とは「普段通りに行動する人たち」であり、その内訳は37%がメディカルマスクを使用し、8%が布マスクを使用し、53%がメディカルマスクと布マスクの両方を使用し、残りの1%ずつがN95マスク着用とマスク無しであったとしています。

布マスク着用群とマスク着用無し群との比較を直接行ったのではありません。

朝日新聞の記事はかなりいいかげんに論文を紹介しています。

論文著者もこの研究については布マスクとマスクをしない者との比較には限界があると記述し、「布マスクはつけないよりはマシだ」とメディアに答えています。

また、WHOが「いかなる状況においても布マスク着用は勧めない」と記述したのは医療従事者向けのアドバイスにおける表現であって、一般向けにはマスクの種類の限定はありませんし、限定的な場合には健康な人にもマスクを推奨しています。

詳細:WHOのCOVID-19に対する布マスクの方針の推移を整理する 

朝日新聞が地場産業支援ならなぜ泉大津市マスクプロジェクトに触れないのか?

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https://otsukeori.co.jp/news/%e6%9c%9d%e6%97%a5%e6%96%b0%e8%81%9e%e3%81%b8%e6%8e%b2%e8%bc%89%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%e3%80%8c%e3%83%9e%e3%82%b9%e3%82%af%e7%94%9f%e7%94%a3-%e7%b9%8a%e7%b6%ad%e3%81%ae%e3%81%be/

朝日新聞へ掲載されました「マスク生産 繊維のまち結束」 | 大津毛織株式会社

魚拓

朝日新聞が泉大津市の大津毛織(株)の製品を販売していたことが「地場産業支援」なら、なぜ朝日新聞は会見翌日の4月18日の記事で「泉大津市マスクプロジェクト」に触れないのでしょうか?その名前を出して無理やりにでも反論でもすれば良い。

しかし、そういう慈善事業として捉えるのは違うのではないでしょうか?

それに、「マスク不足解消」が目的なのだとしたら、なぜ朝日新聞SHOPは緊急事態宣言後に休止されたのでしょうか?マスクだけでも販売ページを残してもよかったのでは?

仮に需要があったとして、それに追いつく生産体制は整っているのでしょうか?上記記事では「400枚」と書かれているだけなのですが。

「マスク不足解消のため」ならなぜ朝日新聞は3300円のものだけ販売し、他の泉大津市のメーカーの製品を販売していないのでしょうか?

安倍総理批判を無理やりしようとして矛盾が生じてますね。

マスクは個人の感染予防効果が薄く、集団感染拡大防止効果が見込まれてる

さて、私は過去記事でこのマスクを「ぼったくり」と評しました

それは朝日新聞が価格設定をしているという意味ではなく、泉大津市のメーカーに対して言っています。

一般におけるマスク着用は個人の感染予防効果が薄いです。それは岩田健太郎医師など複数の者が指摘しているように、エビデンスがある程度積まれています。

しかし、集団の感染拡大防止効果(感染者がウイルスを拡散しない事の効果。誰が感染者か不明な場合には集団にフォーカスする)を否定するエビデンスはありません。WHOもアメリカCDCもフランスもシンガポールも一般市民向けに布マスク着用を推奨しています。

「アベノマスク」は医療用マスクの需要を減らして一般人は布マスクを利用するように誘導することに加え、そういう効果をも狙ったハズです。

私はマスクは機能で評価しています。その機能とは上記の意味です。耐久力は二の次です。一般的にもそのような機能が求められていると言えるでしょう。

いかに高級素材を使って肌触りがよかろうが、デザインや質感がかっこよくても、マスクの機能としては他の布マスクと変わりがありません。だから私は機能に比して価格が高すぎると思っています。

「マスク不足解消」と言いながらそういう価格の製品を作っているということは、それは専らビジネスです。その事自体は否定しませんし、高級布マスクのメーカーとしてブランドを確立していったら良いと思います。

日本全体からみたら如何に少量であろうとも、実際に動いてプロの商品を生み出し市場にマスクを流通させているという実績はひたすら尊敬するしかありません。

しかし、ビジネスならばこちらもいち消費者として評価します、というだけの話です。

繊維のまち泉大津市をよろしくお願いします

マスクプロジェクトに参画しているメーカーはみなさんHPをお持ちでした。

大津毛織株式会社 | 原糸・テキスタイル・染色整理・寝装寝具 大阪府泉大津市 創立大正6年の繊維メーカー

カットソー縫製のOEMメーカー|カットソーの企画・製造・販売はカスガアパレル株式会社

会社概要|会社案内|健康生活|大阪|和泉市|PVC|KSB|ケイエスビー

SASAWASHI

瀧芳株式会社 | 泉州のシルク毛布、シルク製品

日の出毛織株式会社

FACTORY | J∞QUALITY

当然ですが、寝具・毛布・タオル・カーテンなどいろんな商品を扱っています。

一目で「良いもの」が作られているのだと分かります。

メーカー名で検索してみるとネットでも販売されているので支援しようと思う人は購入すれば良いと思います。

以上