日韓議連の河村健夫氏の発言が不用意であるためにメディアに利用され、誤解が広まっていることを観測しました。
安倍総理「徴用工問題の解決が最優先」
首相、日韓関係で「根幹にある徴用工問題の解決が最優先」 - 産経ニュース
安倍晋三首相は3日、韓国訪問から帰国した河村建夫元官房長官(日韓議員連盟幹事長)と首相官邸で会談し、いわゆる徴用工問題などで悪化する日韓関係について「根幹にある徴用工問題の解決が最優先だ。国と国との約束をしっかり守ってもらいたい。その一言に尽きる」と述べた。河村氏が会談後、記者団に明らかにした。
安倍総理の発言は「日韓の関係改善の最初のステップ」が徴用工問題についての韓国の対応である」と言っているのであって、「GSOMIA破棄やホワイト国除外」の事の発端が徴用工問題であるという事ではないでしょう。
「徴用工問題が先決」というのは、日韓の信頼関係回復の話。
GSOMIAや輸出管理とは別個。
それを改善しても、それだけでは日韓関係が修復したことにはならない、ということを言っているに過ぎません。
そして、この安倍総理の発言は河村氏が記者団に伝えたということが引っかかります。
河村「スタートは元徴用工問題」と不用意な発言
河村氏はプライムニュースの番組内でも韓国首相がGSOMIAと輸出管理をバーター提案してきたということに触れた直後に「元は徴用工問題」と不用意な発言をしていました。
河村氏の認識はともかく、日本政府としては両者を混同してはいません。
河村氏の発言は日本の国益を毀損している気がします。あまりにも不用意です。
誤解が広められている
河村氏の発言が「スタートは元徴用工問題」と紹介されているのは昨日の段階ではテレ朝のみでした。
しかし、他の記事でそのような表現・構成ではなくとも、次のような受け止めをしている者が相当数発生しているということは注意が必要です。
安倍首相が「根幹に徴用工問題」と言うのはまずいんじゃないの? 日本の立場としては、「対韓輸出規制と徴用工問題は別問題」だったはず。それとも報復措置と認めちゃうの?
— 伊丹和弘@マリサポ兼記者 (@itami_k) September 4, 2019
→ 首相「根幹の徴用工問題が最優先」 韓国首相の提案にhttps://t.co/2soWj6kv1r
しかし、日本政府の発信を追い続けている者は、以下のような読み方しか有りえないと思うでしょう。
このニュースについてこういう読み方をするツイートがかなりあるんだけど、別問題のうちのどの問題を最優先に解決するかという話ではないのか?
— モトケン (@motoken_tw) September 4, 2019
徴用工問題は(慰安婦合意破棄問題とともに)韓国が国家間合意を守る気があるかどうかという根本問題なので、そこに重大な懸念がある以上、最優先は当然。 https://t.co/VO9thiSViQ
これについては河村氏の発言があまりにも不注意で、日本政府が混同していると取られても仕方のないように伝えているものをメディアに利用されていると考えるべきだと思います。河村氏の表現能力に限界があると思います。
以上