事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

河村氏「スタートは元徴用工問題」とのテレ朝報道:韓国首相GSOMIAと輸出優遇セット

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日韓議連の河村健夫幹事長が韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相と会談し、帰国しましたが、河村氏の発言についての報道に違和感を感じたので記録に残します。

『河村氏「スタートは元徴用工問題」』という報道

韓国側が「GSOMIA」と「輸出優遇」セットで戻す提案魚拓

 日韓議連・河村幹事長:「GSOMIAとホワイトリスト、セットで一緒に元へ戻すということはどうだろうかと」
 河村氏は2日、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相と約2時間会談し、韓国側の提案に対して「スタートは元徴用工問題だから、これはこれで検討しなければならない」と応じました。これに対し、韓国側は「内々の協議をスタートさせている」と明かし

さて、この報道ですが、何か臭いです。 

河村氏が言ったとする「スタートは元徴用工問題だから、これはこれで検討しなければならない」の部分ですが、動画では吹き替えとなっています。

また、TBSニュース、NHK、日経新聞、時事通信、朝鮮日報ハングル版では、上記のようなニュアンスの発言があったという報道はなされていません。

テレビ朝日の報道が最初⇒中央日報ハングル⇒日本語

2019/09/03 12:05:テレ朝⇒target="_blank"韓国側が「GSOMIA」と「輸出優遇」セットで戻す提案魚拓

2019.09.03 14:42:中央日報ハングル⇒target="_blank"日의원 "이낙연, 한일 조치 원점복귀 제안"…아베 거부했다 - 중앙일보魚拓

中央日報日本語⇒2019年09月03日15時35分:韓国首相に会った河村氏「GSOMIA・ホワイトリスト、セットで原点に戻そうと提案受けた」 | Joongang Ilbo | 中央日報魚拓

報道の時系列はこの通りです。

そして、中央日報の記事を見ると「テレビ朝日が報じた。 」と冒頭に書いてあります。

よって、テレビ朝日の報道が初出となります。

韓国首相GSOMIAと輸出優遇セットについての他のメディアでの報じられ方

韓国首相、“最優遇国”と“GSOMIA”「セットで元に」と提案 TBS NEWS魚拓

「河村氏は、徴用工問題と同時に協議を始めることが必要と伝え」

首相 「徴用」めぐる問題の解決が最優先 韓国側に対応求める | NHKニュース魚拓

河村氏は、イ首相が、日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて、「ことし11月に失効するので、それまでの間に、日本の輸出管理の問題と合わせて解決する方法を見いださなければならない」と述べていたことを伝えました。

河村氏が韓国首相と会談 元徴用工問題など議論 :日本経済新聞

今後日韓首脳会談を開くにはどうすればよいかという点についても意見交換したとしている。詳細は説明していない。

他のメディアの報じられ方としては、徴用工問題はGSOMIAやホワイト国除外の話とは別個のものとして協議を始めるべきだ、と言っているようにしか見えません。

これはテレ朝の報じ方とは印象が異なります。

「何についての」スタートなのか?

河村氏は「日韓の関係改善の最初のステップが徴用工問題についての韓国の対応である」と言っているのか?それとも「GSOMIA破棄やホワイト国除外の事の発端が徴用工問題である」と言っているのか。

テレ朝の記事だと韓国首相がGSOMIAとホワイト国リストをセットで、と言ったことに続いて河村氏の言葉として紹介しているので後者のニュアンスになってるが、明示的にそのように報じているわけではありません。

しかし、この二つの意味内容は大きく異なっています。

両方とも本当に発言をしたが、各メディアは片方だけ報じた、ということなのでしょうか?

以上