事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

大阪市松井市長「スマホ・ゲーム利用条例化」はフェイクなのか?

大阪市松井市長「スマホ・ゲーム」条例化はフェイク?

「大阪市松井市長がスマホ・ゲーム利用の条例化を検討」という話があります。

本当でしょうか?

産経新聞の報道「松井市長、スマホ使用時間の条例化を視野に」

不登校…スマホ・ゲーム利用「条例、ルール化を」 大阪市の松井市長 - 産経ニュース魚拓はこちら 2020.1.15 23:58

小中学生がスマートフォンやオンラインゲームに依存するのを防ごうと、大阪市の松井一郎市長は15日、スマホの使用時間を条例でルール化することも視野に、実効性ある対策を検討するよう市教委に指示した。

 松井氏は同日市役所で開かれた会議で、不登校の要因の一つがスマホやゲーム依存であるとの実態が紹介されたことを受け、「夜は何時までとか、条例でルール化したらどうか」との考えを示した。

松井市長がスマホの使用時間の条例化・ルール化を検討しているという旨の報道がなされたのは、産経新聞が15日深夜にUPした記事です。

ここでは「同日の会議」でスマホの使用時間の条例化等を視野に入れて指示したなどと報じられました。

これについては報道が先走っているのではないかという声があります。

松井市長の定例記者会見


令和2年1月16日14:00~ 大阪市市長会見

報道の翌日に行われた大阪市長定例記者会見の発言を見ていきます。

26分3秒から28分25秒くらいまで

記者 昨日の教育総合会議で、スマホとかゲームっていうのが長時間の使用っていうのが不登校の原因の一つになるっていう指摘を受けて、ルール化することも効果的だという話が出ていましたが、たとえば市長としては条例化も視野に何か検討した方がいいというお考えをお持ちでしょうか。

松井市長 まずは現場の校長先生からスマホと、それから、そういうなんというかな、スマホでのゲーム、これのやりすぎというか、長時間化が子供の引きこもりに繋がっているという、そういう現場からの指摘、これを受けて何らかのやっぱり対応はしなければならないと思ってますけれども、まずはやっぱり、専門家も入れる中でね、そのエビデンス、本当にそうなのかの検証、これは必要だと思います。香川県のゲームの時間規制も、2・3年かけて検証しながらやってるという、やはり行政でルール、条例という形でそういうルールを規制するということになればね、やっぱり事実確認、それから事態検証というものをやった上でね、根拠をもってルール作りが必要だと思いますけど。その検証の中でね、明らかにやはり子供たちが不登校に繋がる原因の大きな一つとなるのであればね、それは少しでもそういうマイナスを取り除いてあげるという、取り除くための手段を尽くすというのが我々の使命だと思いますから、そういう形、そういう結果が検証されれば、子供たちがまさに不登校とかね、そういうことにならないような手段を考え、提案をしたいと思ってます。

この発言だけ見ると以下に整理できます。

  • 松井市長からは積極的に条例化の提案はしていない⇒現場からあがってきた
  • 条例化を指示というよりは事実検証を指示したにとどまる

そして、会議というのは大阪市総合教育会議ということが分かります。

大阪市総合教育会議の議事録

大阪市:令和元年度第1回大阪市総合教育会議開催結果 (…>市政の総合調整>会議の開催状況)

1月15日の総合教育会議の資料ページには現時点では議事録が公開されていません。

過去の議事録は発言が詳細に記載されているので、そのうち公開されるでしょうからチェックが可能でしょう。

まとめ:「スマホ・ゲーム利用条例化」はフェイクなのか?

音喜多駿議員によれば記事は「不正確」だということのようです。

とはいえ、話している内容は市長の定例記者会見以上のものはありません。

松井市長が極めて慎重な言い回しをしているということは動画からも読み取れるので、少なくとも松井市長から積極的にスマホ・ゲームの時間規制についてルール化・条例化を目指しているわけではないということは現時点でも言えそうです。

以上