対馬の和多都美(わたつみ)神社に関して、「外国人参拝禁止」という表現が使われることがありますが、結論から言えば「不正確」であり、神社側からすれば「誤り」であると言えます。
対馬市の和多都美神社「参拝禁止」は誤り
この弁護士ドットコムの見出しにもある「外国人の参拝禁止」
— ねぎたま (@watazumi55) 2020年1月14日
明らかな印象操作
「無期限停止」「制限する」 とはいいましたがhttps://t.co/vsnZjvd3HI
「参拝禁止」という表現は問題があるようです。
そこで和多都美神社側にその意味を質問した結果、以下ご返答を頂きました。
外国人の"受け入れは無期限停止"としただけですので、気持ちがある方は遥拝して頂いて構いません。
また、外国人の参入については"受け入れを無期限停止"と記述したとおり、"参拝"の意思がある方はご相談頂ければ、ご対応させて頂きます。
確かにフェイスブックの投稿は「受け入れを無期限停止」「韓国からの団旅行については改善策が示されるまでの間、境内の参入をお断り致しております」とあり、ツイッターは「制限します」との表現でした。
和多都美神社(対馬) - 12月28日に韓国人ユーチューバーが当神社で隠し撮りをし、都合のいい内容にすり替えてユーチュ... | Facebook
外国人の参入については、受け入れを無期限停止させていただきます。
韓国人観光客を制限します。
— ねぎたま (@watazumi55) 2020年1月8日
断っておきますが、ヘイト、人権侵害だと思われる方は、直接、私と対面して討論しましょう。
これ以上、信仰の場を破壊する行為は、絶対に許しません。 pic.twitter.com/KsryxiOtk1
出入り禁止→韓国団体(改善策が示されるまで)
— ねぎたま (@watazumi55) 2020年1月14日
参詣と遥拝という参拝方法
「遥拝」(ようはい)とは、離れたところから神仏などを拝むことを意味します。
要するに本来の「参拝」の意味の中には、実際に社寺に出向いて拝むこと=参詣(さんけい)と、遠く離れたところから拝むこと=遥拝が含まれるということです。
ただ、一般人目線では参拝の典型例が参詣と理解されているため「境内への参入禁止=参拝禁止」と勘違いされてしまったということと思われます。
したがって、弁護士ドットコムの記事で「参拝禁止」という表現になっているところは「不正確」であると言えるでしょう。
私が靖国神社事務所に本宮・鎮霊社について質問した際も『一般人が近寄れるわけではないが、「遥拝」という方法で「お参りはできる」』という説明でした。
地方の神社の遥拝所
この画像は宮城県仙台市の大崎八幡宮のとある場所の立て札です。
「遥拝所」と書かれ、由縁のある所として皇居や伊勢神宮などが記述されています。
この画像を撮った向きは概ね南~南南西だったと思います。
特に皇居に向かって遥拝する行為は「宮城遥拝(きゅうじょうようはい)」と呼ばれるようです。
このように、「遥拝」という行為は神社においては至極当たり前に存在している行為であるということが分かります。
まとめ:「韓国人・外国人の参拝禁止」は誤り
以上より、韓国人・外国人の参拝禁止という表現は、誤解を招くものであり、誤りであると言ってしまった方がいいでしょう。
弁護士ドットコムの記事では「外国人の一律参拝禁止は信教の自由の侵害」という法律構成が検討されていましたが、ここで指摘したような神道・神社の様式を考えると、かなり無理筋な論だということになると思います。
以上
追記
的確なご質問を頂きましたので、その回答文と補足を載せます pic.twitter.com/Gmd90Ztbek
— ねぎたま (@watazumi55) 2020年1月16日