事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

Twitter児童の性的搾取に関するポリシー:「ウェブサイトへのリンクがアウト」の危険性

ツイッタールール、児童の性的搾取に関するポリシー

Twitterで【児童の性的搾取に関するポリシー】があります。

この内容が結構おそろしいので、内容を紹介します。

『自分は関係ない』と思っている人も巻き込まれる可能性があるのです。

Twitterルール:児童の性的搾取に関するポリシー

ポリシーは少し変わった作りなので、順番に紹介していきます。

児童の性的搾取に関するポリシー
Twitterルール
Twitterでは、児童の性的搾取に該当するコンテンツやこれを助長する行為を一切禁止しています。これにはメディア、テキスト、イラスト、コンピューターで作成した画像が含まれます。

テキストも対象となるので、凡そあらゆるコンテンツが対象になるということですね。

小説形式で描写したツイートをすることも対象になるということです。

児童の再犠牲者化、犠牲につながりうるコンテンツも対象

基本原則
Twitterでは、児童の性的搾取についての意図、表示、共有、またはリンクの有無にかかわらず、描写された未成年者の再犠牲者化につながるメディアは禁じられています。児童の性的搾取を助長または賛美し、児童の犠牲につながりうるコンテンツも同様です。

「再犠牲者化」がどういう状況を指すのか定かではありませんが、これはいわゆる「二次元キャラ」についての話ではなく、「現実の被害者」を想定しているのではないでしょうか?二次元キャラが「犠牲者になる」という状況が想定できませんからね。

他方、「児童の性的搾取を助長または賛美し、児童の犠牲につながり得る」というのは、二次元キャラでも当てはまるでしょう。

さて、気になるのは「リンクの有無にかかわらず」という部分。

リンクもアウトなのでしょうか?

妄想・第三者のウェブサイトへのリンクもアウト

適用範囲
このポリシーの解釈において、未成年者とは18歳未満の者をいいます。児童の性的搾取を描写または助長する例としては以下のコンテンツが挙げられますが、これらに限定されません。

  • 性的に露骨な、または性的な暗示を含む行為をする未成年の視覚的な描写
  • 性的に露骨な状況または性的に露骨な行為をする未成年者のイラスト、コンピューターなどで作成した写実的な描写
  • 児童の性的搾取に該当する内容を掲載する、第三者のウェブサイトへのリンク

「未成年者」と「児童」の関係が不明ですが、細かいことは無視してどっちも性的搾取をしてはダメだと理解しましょう。 

上記は「例示列挙」ですね。「これらに限定されません」とありますから、他の状況も「性的搾取を描写または助長」に当たり得るということになります。

上記では視覚的な描写やリンクのみ書かれていますが、最初に書いた通り「テキスト」も対象になっていることを忘れてはいけません。

次の部分は「限定列挙」と解せばよいでしょう。

Twitterでは以下の行為も禁じられています。

  • 児童の性的搾取について妄想したり、そうした行為を助長する。
  • 児童の性的搾取に該当するコンテンツについて、入手したいという願望を表現する。
  • 以下についての興味関心を募る、宣伝する、または表現する: (1)児童との商業的な性行為、または(2)性的な目的で児童をかくまったり、車に乗せたりする。
  • 性的に露骨な画像を児童に送る。
  • 未成年者と性的に露骨な会話をする。
  • インセンティブや脅迫によって、未成年者から性的に露骨な画像を入手しようとしたり、彼らに性的なサービスをさせようとする。
  • 児童の性的搾取の犠牲者とされる人物について、その名前や写真を公表する。

これらは「ツイート」という限定が無いので、DM(ダイレクトメール)機能の内容も対象でしょう。

妄想」も規制対象になるというのですが、ツイッターは文字や画像によって意思表示する場ですので、現実には妄想そのものではなく発信したコンテンツが児童の性的搾取であるとして規制されるということです。

さて、ここまでに挙げた中で一般人が注意しなければならないのは以下だと思います。

  • 児童の性的搾取に該当する内容を掲載する、第三者のウェブサイトへのリンク

なぜこれが注意すべきで危険なのか?

気軽にシェアしたリンクに性的搾取の描写・助長が含まれる、追加される危険性

気軽にシェアした記事に、実は「性的搾取の描写・助長」となるコンテンツが含まれていたという場合があり得ます。

リンク先の画像・動画・本文やテキストリンクに過激な描写がある場合などが想定でき、いわゆる「まとめサイト」はかなりこういうコンテンツを含んでいる割合が多いです(もちろん18禁コンテンツを含まないようにしているまとめサイトもある)。

広告も対象になる?

私がおそれているのは、記事本文だけではなく、広告も対象になる可能性があるのではないか?ということです。

アドネットワークによる広告表示(ランダムに表示される)であれば対象にならないとは思いますが(それとて現時点では不明ですが)、管理者が固定して表示させているような広告が「性的搾取の描写・助長」の場合は分かりません。

そのような広告を掲載しているまとめサイトや掲示板等のリンクはアウトになる可能性が高いと思っています。

性的搾取の描写・助長かは誰がどういう基準で判断するのか?

いわゆる「18禁」に該当するようなものでなくとも「性的搾取の描写・助長」に当たる可能性があります。この定義はツイッター独自のものですから、世の中で18禁ではないとされているものであってもギリギリの表現などはツイッターの規制に引っ掛かる可能性は抽象的なレベルでは存在しています。

既述の通り、性的搾取の描写・助長に当たる例は示されていますが、基準は明示されていません。そして、ツイッターの中の人がどういう判断をするのか分かりません。裁判所の「わいせつ」判断などはまったく参考になりません。

そういう意味で、「絵師」と呼ばれる人たちはかなり戦々恐々としているようです。

元々は大丈夫だったサイトが改変された場合が怖い

ウェブサイトの内容は、改変可能です。

それは私たちのあずかり知るところではなく、そのサイトの運営者が決めることです。

もしも、シェアした時点では健全なコンテンツであったのに、後に性的搾取の描写・助長にあたるコンテンツに変更されて通報されたら?

リモート爆弾を仕込めるということになりますね。

私が疑問視して使っていないのは占い結果などをシェアしているサードパーティーアプリのウェブサイトです。過去にはアプリケーション連携設定をすると本人の自覚なくツイートされるということがありました。

こういう不本意な形での違反になった場合、救済は無いのでしょうか?

悪意が無い場合は救済があるが、違反者は即時に永久凍結され、新規アカウントの作成すら禁止される 

措置
多くのケースにおいて、児童の性的搾取に関するポリシーに違反したアカウントは即座に永久凍結されます。違反者はさらに、今後新規アカウントを作成することも禁じられます。

違反者に悪意がなかった場合、違反と見なされたツイートの削除を要請し、アカウントを一時的にロックしてツイートできなくさせるという措置をとる場合もあります。
児童の性的搾取を描写または助長するリンクが発見された場合、Twitterはただちに当該リンクを予告なしに削除し、全米行方不明/被搾取児童センター(NCMEC)に通報します

悪意が無かった場合にはアカウントロックで済むようです。

ただ、悪意であると判断されると「即座に」永久凍結され、さらには新規アカウントが作れなくなるというこれまでにはなかったペナルティが課せられます。

おそらく電話番号やメールアドレスで紐づけていると思われるので、サブアカウントを作っていた場合、それらも全てアウトになるのではないでしょうか?

アカウントロック・機能制限については以下参照。

まとめ:気軽にシェアできないこんな世の中じゃ

対策としては、普段から「そういうコンテンツ」を含んでるサイトをシェアしないこと、むやみやたらに新規のウェブサイトをリンクしないこと、が考えられるでしょう。

悪意がない場合にはアカウントロックで済むのであまり気にする必要が無いかもしれませんが、Twitter側が「悪意がない」か否かの判断をどうするのか分からないので、心配にはなります。

慎重に判断してくれることを祈るばかりです。

以上