吉村洋文大阪府知事について「選挙運動で公職選挙法違反だ」という人が居ます。
上図のツイートが指摘されているので確認していきます。
吉村知事が梅村みずほへの投票を促すツイート
「梅村みずほ」が大ピンチ。知名度不足なので仕方ありません。なんとか挽回したいところです。維新は大阪で二人当選が大目標。僕は「梅村」を応援します。前半戦は海外出張公務で大阪にいませんが…。どうぞ皆さん、「梅村」をよろしくお願いします。https://t.co/fRvJFFHRsO
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) July 4, 2019
吉村知事はこれ以外にも、梅村みずほ氏のツイートを複数リツイートしています。
これは梅村みずほ氏が今回の参議院選挙に際して立候補したので、彼女への投票を呼び掛ける行為ですので、紛うことなき選挙運動になります。
これを見て「公職選挙法136条の2違反だ」と言うアカウントが複数いました。
総務大臣による通知文を読んでも、吉村大阪府知事の公職選挙法違反は明らか。処罰の対象。府選挙管理委員会に通報だな。
— fckisn維新セルフ領収書 (@fckisn) July 5, 2019
府知事の地位を使って、大阪選挙区の特定候補への応援を府民に要請するなんて有り得ない。これでも弁護士かよ。#維新の会#参議院選挙#公職選挙法違反https://t.co/LeeHO72yYh pic.twitter.com/aGnXd4d7r4
公職選挙法136条の2と選挙運動
(公務員等の地位利用による選挙運動の禁止)
第百三十六条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、その地位を利用して選挙運動をすることができない。
一 国若しくは地方公共団体の公務員又は行政執行法人若しくは特定地方独立行政法人の役員若しくは職員
二 沖縄振興開発金融公庫の役員又は職員(以下「公庫の役職員」という。)
2 前項各号に掲げる者が公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的をもつてする次の各号に掲げる行為又は公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)である同項各号に掲げる者が公職の候補者として推薦され、若しくは支持される目的をもつてする次の各号に掲げる行為は、同項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。
一 その地位を利用して、公職の候補者の推薦に関与し、若しくは関与することを援助し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。
二 その地位を利用して、投票の周旋勧誘、演説会の開催その他の選挙運動の企画に関与し、その企画の実施について指示し、若しくは指導し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。
三 その地位を利用して、第百九十九条の五第一項に規定する後援団体を結成し、その結成の準備に関与し、同項に規定する後援団体の構成員となることを勧誘し、若しくはこれらの行為を援助し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。
四 その地位を利用して、新聞その他の刊行物を発行し、文書図画を掲示し、若しくは頒布し、若しくはこれらの行為を援助し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。
五 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを申しいで、又は約束した者に対し、その代償として、その職務の執行に当たり、当該申しいで、又は約束した者に係る利益を供与し、又は供与することを約束すること。
要するに「その地位を利用して」選挙運動をすること(+職務執行に当たって利益供与等をすること)が禁止されているのであって、そうではない単なる選挙運動は禁止されていません。
したがって、吉村知事が「その地位を利用」したのかが問題になります。
「その地位を利用し」の意味
職務上の影響力又は便益を用いて第三者に働きかけることをいい、例えば、次のような場合がこれにあたります。
- 補助金の交付、事業の許認可などの権限をもつ公務員が、外郭団体や請負業者に対し、その職務上の影響力を利用すること
- 公務員の内部関係において、上司が部下に対し、指揮命令権や人事権を利用して特定候補者への投票を勧誘すること
- 市役所の窓口で住民に接する職員、世論調査で各戸を訪ねる職員などが、これらの機会を利用して、職務に関連づけて住民に働きかけること
これを見ると、公務員の地位にあることで得ている権限や機会を利用している場合には「その地位を利用し」に当たり得るということが分かります。
考えてみれば、当たり前のことを書いてるに過ぎません。
では、吉村知事の場合はどうでしょうか?
吉村洋文大阪府知事と「地位の利用」
吉村知事のツイッターアカウントは2010年5月に登録され、利用されています。
当時はまだ大阪市長ではありませんでした(2015年に就任)。
つまり、このツイッターアカウントは吉村洋文個人のアカウントとして利用されているということです。
現在は大阪府知事の役職にあるために関連した情報も発信している、という位置づけになります。
他にも大阪維新の会の人間としての発信もしており、このアカウントが大阪府知事としての公的なアカウントではないということは明らかです。ツイートの内容も、何らかの権限を利用したものではありません。
したがって、このアカウントから単に発信したからといって、直ちにそれが公職選挙法136条の2における「その地位を利用」したことにはなりません。
これが許されないとすれば、吉村氏が公務員の地位にある間は常に誰かを応援することはできないということになります。
ちなみに昨年も大阪市長時代の吉村氏が休校ツイートをこのアカウントで呟いたことが違法であると言う者が居ましたが、そうではないということを指摘しています。
まとめ:吉村知事は「公職選挙法違反」はデマ
希望の党 東京 5区・福田峰之さん。
— 小池百合子 (@ecoyuri) October 13, 2017
水素研究会の仲間であり、フィンテックの専門家です。自民党の副大臣を辞して「希望の党」へ参加。しがらみ政治にノーを言う、まっすぐな男です。日本に希望を!#希望の党 @kibounotou #衆議院選挙#福田峰之 pic.twitter.com/qOcsPikWnY
公職選挙法136条の2はすべての公務員が対象です。
ですから、もしも吉村府知事が選挙運動をしただけで違法と言うならば、国会議員である志位和夫も公選法違反ということになります。また、都知事の身分があるときに候補者を応援した小池百合子都知事も違法ということになります。
「地位を利用して」という要件を無視した違反の指摘が多く、話になりません。
維新に関するデマは多いので、騙されないようにしましょう。
以上