※本記事は平成29年=2017年当初の情報を整理したものです。
- 福島県の子供の外部被ばく線量と甲状腺がんとの関連についての調査結果
- これからの課題
- 今後も出てくる「危険性を煽る報道」
- 私たちにできること 福島の方が「故郷を取り戻す」ために
- 追記:特定復興再生拠点区域は避難指示解除、子供への甲状腺がん調査については過剰診断の危険が指摘
- 追記2:「甲状腺がん認定」に関する誤解、フェイクニュース、デマ情報などの事案発生
福島県の子供の外部被ばく線量と甲状腺がんとの関連についての調査結果
論文URL
http://journals.lww.com/md-journal/
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※※※※※※※ 論文の概要 ※※※※※※※※※※
県民健康調査の基本調査における個人の外部被ばく線量の結果をもとに、福島県を3地域
(外部被ばく線量が5ミリシーベルト以上の方が1%以上いる地域、外部被ばく線量が1 ミリシーベルト以下の方が99.9%以上の地域、それ以外の地域)に分け、地域間で甲 状腺がんの有病率に違いがあるかどうかを検討したところ、地域間で違いはみられません でした。
内部被ばく線量が考慮されたWHO(世界保健機関)の被ばく線量分析の結果に基づいた地域分類(3地域)でも検討を行いました。こちらでも、甲状腺がんの有病率との有意な 関連はみられませんでした。
さらに、甲状腺検査と基本調査を共に受けられた12万9321人について、個人の外部被ばく線量と甲状腺がんの有病率との関連を分析しましたが、関連はみられませんでした 。
本論文では、福島県における震災後4年間にわたる調査(先行検査の実施期間)において、外部被ばく線量と甲状腺がんの有病率との有意な 関連がみられなかったと結論付けています。
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個人の外部被ばく線量と甲状腺がん有病率との関連
外部被ばく線量が以下の場合における甲状腺がんの割合はそれぞれ
1ミリシーベルト未満 0.05%
1ミリシーベルト以上2ミリシーベルト未満 0.04%
2ミリシーベルト以上 0.01%
これからの課題
福島の人々に故郷を取り戻させるのは、放射線についての正しい認識です。
第1:放射線量それ自体が高いことを根拠にして不安を煽る
第2:放射線の核種の違いによる影響の違いを根拠にして不安を煽る
第3:疫学的調査の結果を誤解し、誤認させる情報を拡散して不安を煽る
第4:生物濃縮による土壌、農作物汚染の疑いを持たせて不安を煽る
「セシウムについては、水銀や有機塩素化合物などと異なり、食物連鎖を通じて魚体内で蓄積しつづけるわけではない。」
今後も出てくる「危険性を煽る報道」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihit…/20161004-00062885/【Yahoo!配信レポート】ダム表層水のセシウム「1.63bq/L」→「検出下限値未満」に訂正 毎日新聞
・毎日新聞が9月25日付朝刊で、福島第一原発周辺のダム底に高濃度セシウムがたまっている問題を報じた記事に誤りがあったとして10月4日付で訂正した。ただ、誤りの経緯や原因についての記載はなく、訂正記事の出し方に疑問の声もあがっている。
・誤りの指摘を受けた後も、毎日小学生新聞が全く同じ誤報を掲載していた。毎小はまだ訂正を出していない。
『担当記者は検出下限値の意味を知らなかったわけではないようです』
私たちにできること 福島の方が「故郷を取り戻す」ために
もちろん上記のような記事が捏造だから、逆に安全であるということにはなりません
大切なことは、正しい事実の認識を日本国民である私たち一人ひとりが持つこと。それが福島の方々に故郷を取り戻させることになること。それは何も多くの専門知識を理解する必要はなく、一般人でも可能であり、むしろ一般人である私たちが認識してこそ故郷を取り戻すことが実現できるということ。
世界で最も教養の水準が高い日本国民であれば、それができると思っています。
私としては、「福島が安全であること」を内容とする情報は、あまり報道されないことに鑑み、必要があればここで紹介していきたいと思います。
追記:特定復興再生拠点区域は避難指示解除、子供への甲状腺がん調査については過剰診断の危険が指摘
福島 特定復興再生拠点区域の避難指示 すべての解除が完了 | NHK | 福島県2023年11月30日 13時04分
福島県内6つの自治体にあった「特定復興再生拠点区域」はすべて避難指示の解除が完了し、今後は、県内になお残る309平方キロ余りの帰還困難区域の早期の避難指示解除が求められます。
その後、令和5年=2023年11月には特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されました。
また、子供への甲状腺がん調査の過剰診断の危険を指摘する所が増えてきました。
もっとも、福島県行政自体は、「過剰診断」とは認識しておらず、継続調査していくという方針です。
疫学調査として破綻している――福島の甲状腺検査の意義を問う/津金昌一郎氏インタビュー / 服部美咲 - SYNODOS
追記2:「甲状腺がん認定」に関する誤解、フェイクニュース、デマ情報などの事案発生
その後の「福島原発事故に起因する甲状腺がん認定」に関する誤解、フェイクニュース、デマ情報などの事案発生には枚挙にいとまがありませんが、本ブログで取り上げたケースに関して以下リンクを貼ります。
以上