「女性へのAED」に関するデマのまとめ
「女性へのAEDで訴えるというアンケート」デマ
https://www.j-cast.com/2017/12/22317403.html
騒動の発端は、あるツイッターユーザーが2017年12月20日に投稿したツイートだ。
まず、j-castニュースが報じている事案は2017年12月のもの。
「AED使用に関して社内アンケートを採った結果、男性に服を脱がされたらセクハラで訴える、という女性社員が多かった…という会社に遭遇」との内容。
これについては本人が虚偽の内容だということを示して謝罪。
個人ブログでも事の顛末をまとめて謝罪しています。
https://web.archive.org/web/20180322041344/http://arekun.com/1549
しかし、「AEDデマ」というのは、これに限ったものではありません。
「交通事故現場で女性へのAEDで痴漢だと言われた」デマ
https://www.excite.co.jp/news/article/Sirabee_20161114321/
女性にAEDを使用した男性が「痴漢扱い」数年前に書き込まれた「交通事故現場に遭遇した際の出来事」が記された投稿を、あるツイッターユーザーがツイッターに投稿。その衝撃的な内容にネットが揺れている。
2017年5月1日にUPされたこの記事では、「数年前に書き込まれた」投稿を2017年4月28日にTwitterに投稿したものが取り上げられています。
元となっているのは2014年10月の投稿でした。当時も数千リツイートされているなど、それなりに広く拡散されていたことがわかります。
「交通事故の現場で助手席にいた女性にAEDを使ったら、女性本人ではなく事故車を運転していた者から痴漢だと非難を受けた」という内容のツイートですが、この投稿アカウントは現在は削除されています。
しかも、状況についても不審な点が多いです。
- 交通事故現場なら他の通行人等が居るはずなのに痴漢だと指摘する事故車の運転者たる「同伴の人」しか登場しない
- しかもAEDを他人に持ってきてもらう指示を出したのに、そのAEDを持ってきたとする者が一切、話の中に登場しない(助手席の女性が「かなり危ない状態」なのに、運転者がAEDを持ってこれるような状態とは思われない)
- 既に人工呼吸(マウストゥマウス)と心肺蘇生法(胸骨圧迫)をしているのに、AEDパッド装着のためにブラジャーを切る段になったら痴漢と騒ぐ人物という謎
- 「交通事故」の内容が一切書かれていない。対物なのか、対車両なのか、人身事故扱いなのか。
結局このような事故の実在を示すような情報はまったくありませんでした。
したがって、この話は虚偽のものとして扱うべきでしょう。
しかし、メディアでいちいちこれを取り上げたということで、真偽不明の話にもかかわらず、実在のものとして扱うアカウントが多く発生して不安感が拡散されました。
まとめ:デマが「女性へのAED」に対するネット上の反応に影響
ネットでは、こうしたデマの存在を前提にして、女性へのAED使用についての話題が出た際に「助けてもセクハラとか言って訴えられる」などの反応をしている者が見つかります。
AEDデマと女性へのAED使用率が比較的低いことの原因は別ですが、NHKを中心にAEDに関する記事が出ると、必ず「女性に対しては…」のような反応が出るという、現状のネット上の言説に与えた影響として無視できないと言えます。
この話は、男性に対するAEDも使用されない事が多いことや、「女性へのセクハラ等にあたると思うから躊躇」しているのかは科学的には不明であることが無視されています。
現実には1万件以上のAED使用事案の中で何か訴えられた事例はゼロなので、不合理にAED使用を躊躇うことがないように状況に合わせた判断を促す情報周知の啓発が為されていけばよいと言えます。
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