あなたは政権与党のときになにをしてたの?
- 有田芳生「統一教会摘発に政治の力」モーニングショーで
- 民主党政権時の統一教会関係者に関する有罪判決前後の時系列
- オウム真理教ですら弁護士らの反対で破防法上の解散指定処分ができなかった90年代
- 村山・鳩山・菅直人・野田政権にも「政治の力」を使うチャンスあり:有田芳生参議院議員は何をしていた?
有田芳生「統一教会摘発に政治の力」モーニングショーで
あらためてモーニングショー2022/07/18
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2022年7月22日
仮に1995年秋以降,政治の力なるものがあったとして当時は村山政権
2009年に統一教会関係者に有罪判決が出たときは民主党政権。その後2010年に有田芳生氏が当選、与党議員に
このとき有田議員は何をしていたのか
政治の力は自分の体験としてもあったはずでは? pic.twitter.com/BsIpsCdBRZ
立憲民主党の有田芳生元参議院議員が7月18日のモーニングショーにおいて統一教会摘発に関して当時の警察庁幹部から「政治の力」があったと言われたとの発言が。
1995年秋なんですけど警察庁の幹部と警視庁の幹部に「有田さんレクチャーしてくれ」って言われて…2,30人いらしたかな…終わった後に警察庁と警視庁の幹部と話して、今日の集まりは何が目的だったんですか?って聞いたら「オウムの次は統一教会摘発するんだ」、って言ったんです。そのところがなにも動きが無かったじゃないですか。いまだにないんだけど。オウム事件から10年経って池袋で警視庁の幹部お二人と話をしたときに、10年経った今だから言えること教えてくれって聞いたんです。なんでオウムの次は統一教会だと言ったのにダメだったんですか?って一言ですよ。「政治の力だった。圧力」それで今に来てるんですよ。
だから本来ならば霊感商法をやってるのは信者さんたちであるということは明らかに、裁判で明らかになっているんだから、本来ならば宗教法人格をどうするんだってのは社会問題になってなければおかしいんですよね。
民主党政権時の統一教会関係者に関する有罪判決前後の時系列
時系列
- 2009年9月16日:民主党政権発足
- 2009年11月10日:統一教会傘下の霊感商法会社社長らに有罪判決
※統一教会関係の初の刑事有罪判決 - 2010年4月14日:文鮮明の3男が別団体設立,教義巡って父らと対立,「UCI財団」の定款書換え
- 2012年9月3日:文鮮明死亡,大きく3つに分派
- 2012年12月26日:民主党政権終焉
宗教法人法上の解散命令を出すなら民主党政権のタイミングじゃないですか。
もちろん、それまでに強引な勧誘、霊感商法などの消費者被害に関する民事事件の判決や裁判上の和解はありました。
しかし、当時の状況はどういうものだったか?
オウム真理教ですら弁護士らの反対で破防法上の解散指定処分ができなかった90年代
1990年代後半、オウム真理教の種々の事件が発生して教祖・幹部らも逮捕起訴されている中で、破防法上の解散指定処分が公安審査委員会の謎理論により棄却されました。
どこの団体がどういう風に反対したのかは上掲記事で書いてますが、日弁連や自由法曹団などの弁護士団体が「信教の自由」を持ち出して反対していました。
当時、そういう世情だったということです。統一教会から宗教法人格をはく奪する解散命令についても、同様の反対論が吹き荒れたでしょう。
もちろん、宗教法人法上の解散命令はオウム真理教には出ていましたが、その根拠規定は宗教法人法第81条1項1号「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」、同2号前段「第2条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと」であり、根拠事実は「大量殺人を目的として毒ガスであるサリンを大量に生成することを計画した上、多数の信者を動員し、抗告人の物的施設を利用し、抗告人の資金を投入して、計画的、組織的にサリンを生成した」でした。
参考:最高裁判所第一小法廷判決 平成8年1月30日 平成8(ク)8 民集第50巻1号199頁宗教法人解散命令に対する抗告棄却決定に対する特別抗告
村山・鳩山・菅直人・野田政権にも「政治の力」を使うチャンスあり:有田芳生参議院議員は何をしていた?
有田元議員が言うような警察庁幹部が"政治の力"と言った事実はあったのでしょう。
でも、そこから「実際に"政治の力"が存在したのか?」は未知数。
なお、宗教法人法上の解散命令を請求できるのは所轄庁(この場合はどうやら東京都知事らしい),利害関係人,検察官(又は裁判所の職権で)であり、警視庁・警察庁に権限はありません。
それこそ「政治の力」で統一教会が多数の消費者被害を生んだ時点で宗教法人法上の解散命令請求をさせれば良かったと思います。
その意味では社会党の村山、民主党の鳩山・菅直人・野田政権にも「政治の力」を使うチャンスがありました。有田議員が政権与党時に解散命令請求を出させるよう動いただとか、そのために何か国会質疑・質問主意書を出したという形跡が無いのは、いったいどういうことなんでしょうか?
また、本当に解散命令請求をしようとしたのに「政治の力」が存在していたならば、それは1995年秋以降の警察庁幹部のセリフではなく、有田氏自らが経験した内容として話せるものもあるはず。
なぜ、それをやらないのか?
「取材」結果の公表をお待ちしています。
— 足立康史 衆議院議員 (@adachiyasushi) 2022年7月22日
ってか、これから「取材」するの?落選してから?国会議員として調査してきたはずなのに、落選してから調査を始める?ちょっと、よく分からない。がんばって下さい。応援しています! https://t.co/PwWFWqhTiz
統一教会の名称変更についてもいろいろ言われていますが、特に「疑惑を深める」事情はありません。
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