事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

レイプ犯罪率1位のオーストラリア議員「日本マンガアニメは性的搾取」:伊藤和子弁護士が裏に?

オーストラリアの議員がマンガ・アニメの年齢制限の分類を変更しようとキャンペーンを貼っており、日本のマンガ・アニメを槍玉に上げているようです。

※「伊藤和子弁護士の影響があった」と断定した部分は訂正し、ABC Newsの記事の内容の紹介にとどめました。

オーストラリア議員「日本マンガアニメは性的搾取」

Anime and manga depicting sexual images of children spark calls for review of classification laws - ABC News魚拓

Two South Australian crossbench politicians are calling for an urgent review of classification laws, after discovering videos and comic books sold in Australia that depict sexual images of children, including rape scenes.

南オーストラリア州の2人のクロスベンチャー(※注:いわゆる中立議員。独立した無所属議員と、少数政党の議員の両方を含めた概念)政治家が、レイプシーンを含む子供の性的画像を描写したオーストラリアで販売されているビデオや漫画を発見した後、分類法の緊急の見直しを求めています。

ABC Newsの上記記事の冒頭には伏見つかさ原作のエロマンガ先生のアニメ画がトップ画像として表示されています。

エロマンガ先生について

On Air | エロマンガ先生 | アニメ公式サイト

2018年に深夜アニメとして放送された作品ですが、もちろんレイプシーンなど存在しません。その画像の直近に上記の文章があるあたり、「狙って」やってますね。

記事中には他にも日本のマンガ・アニメが出てきますが、私の知る限りではいずれもアダルト向けではないものが出てきており、文中で取り上げている性的描写のあるマンガ等と混同させようとしているのが分かります。

文中ではオーストラリアの "Classification Board" = 等級審査委員会(日本で言う映倫のような組織)が、エロマンガ先生をMA15 +(15歳未満の人が閲覧するのに適さないコンテンツが含まれているため、閲覧のためには親または保護者の同伴が必要とされる分類カテゴリ )に認定したとされていますが、「R18」や「X18」ではないので、いわゆる「成人向け」とはみなされていません。

コニー・ボナロス、スターリング・グリフ上院議員が等級分類を変更しようとしている

この記事では上院議員のConnie Bonaros=コニー・ボナロス氏の主張がメインですが、彼女に賛同する者としてStirling Griff=スターリング・グリフ議員の主張も紹介されています。

両議員はオーストラリアにおけるマンガ・アニメの等級の分類を変更するよう活動をしているということです。そのための見せしめに日本のマンガが扱われているのでしょう。

記事の後半ではボロナス氏が「日本の活動家を助けたい」「彼らは外部からの圧力を必要としています」などと主張していることに触れています。

伊藤和子弁護士とコニー・ボナロスが会談と記述

ABC Newsの記事中には伊藤和子弁護士とコニー・ボナロスが会談する様子が写真に収められています。伊藤和子氏の影響が匂わされています。

本人はこのように主張していますが。

伊藤和子弁護士とは、ヒューマンライツナウ(HRN)という組織の事務局長で、慰安婦問題とAV出演強要被害を結びつけた催しを主催していたり、HRNが2017年7月24日に国連自由権規約委員会に英語で出した意見書では「性奴隷制を余儀なくされた」= "Wemen forced into sexual slavery" などと記述していたり、というようなことがありました。

また、「DAYS JAPAN」代表の広河隆一氏の「性加害行為」が明るみになった際には、ヒューマンライツナウのHPから広河氏絡みの活動記録を削除していました。

その理由として「告発された者に社会的名声がある場合、匿名で名乗り出た被害者の信ぴょう性を疑問視したり傷つける事があるため」などと言い訳してました。

OECDレイプ犯罪率1位のオーストラリア

オーストラリアのレイプ犯罪率:日本のマンガアニメが性的搾取?

http://www.civitas.org.uk/content/files/crime_stats_oecdjan2012.pdf

上図はCIVITASというイギリスのシンクタンクのデータの一部です。

国連薬物犯罪事務所の調査データを基に、比較的統計的な処理が似通っているOECD諸国に限って犯罪データを比較したものです。

オーストラリアの人口10万人あたりレイプ犯罪率は91.9です。

OECD諸国の中で断トツの1位となっているのが分かります。

マンガ・アニメを目の敵にする前に、こちらを先にどうにかするべきでしょう。
ちなみに日本は1.1で最低レベルです。

ABCの記事では、子どもの搾取に反対する専門家による「この手のマンガ・アニメは子どもの虐待への入り口である」という主張が紹介されていますが、まったく根拠がない話であるというのはいろんなところで何度も言われている話です(そのように実証したデータが無い上に、日本で性犯罪率が最低レベルであることの理由が説明できない)。

まとめ:現実の被害を救済するべき

  1. オーストラリアのある州の議員で、コンテンツの等級を見直すべきと主張する者が居る
  2. 彼らは日本のマンガ・アニメを槍玉に上げている
  3. オーストラリアはOECD諸国の中でレイプ犯罪率がトップ

オーストラリアは架空の世界の出来事を問題視するのではなく、先に現実の被害を救済するべきでしょう。

以上