事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

全国フェミニスト議員連盟、反ワクチンだった?HPVワクチン・新型コロナワクチン

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全国フェミニスト議員連盟は反ワクチンだった?と言えるような発信が多いです。

HPVワクチン・新型コロナワクチンに絞って調べています。

全国フェミニスト議員連盟のHPと共同代表の変遷

全国フェミニスト議員連盟のHPは2つあり前者は2015年頃までしか情報更新されてないように見えます。後者は2017年 5月31日には既に存在していたようですが途中は不明。

ですので、現共同代表者について誤解しないように気を付けてください。

HPVワクチン副反応を煽る共同代表の増田かおる議員

サーバリックスやガーダシルなどのHPVワクチンについて。
※通称は「子宮頸がんワクチン」だが、HPVは男性に多い中咽頭がんや、肛門がん、陰茎がん、男女ともに罹る尖圭コンジローマの原因にもなるため、それも予防する効果がある

副反応を過剰に煽る報道があったせいで厚労省の積極的勧奨は行われなくなり、今でも「風評被害」が続いています。

それに乗っかる形で増田かおる議員もHPVワクチンの副反応の危険性を煽る情報発信や各種活動をしていました。

https://archive.is/az0b2

このような「副反応について過剰に恐怖心を展開する」論調は、今年になっても変わっていませんでした。

松戸市  令和 3年  6月 定例会  06月10日-03号

◇次に、質問事項3.子宮頸がんワクチンについて。
 質問要旨(1)本市の基本的な認識は、(2)対象者に対する個別通知について、(3)今後の方向性について。
 厚生労働省は、2013年、子宮頸がんワクチンによる重篤な副反応の報告が相次いだことを受け、接種を勧奨しない、勧めないとしました。しかし、昨年10月、その方針自体は変えずに、対象者に情報を届けるために個別にお知らせするようにと各自治体に通知をしました。本市でも個別通知をしたとお聞きしています。
 そこで、端的にお尋ねします。
 まず、子宮頸がんと子宮頸がんワクチンについて、本市の認識を教えてください。
 次に、個別に通知すると判断した理由を教えてください。厚生労働省のパンフレットを同封したそうですが、その際に配慮した点はありますか。個別通知した結果、個別通知後の接種人数に変化はありましたか。
 最後に、松戸市内で重篤な副反応が出た場合の対応はどうされますか。来年度も個別通知を継続しますか。

それから、安全性というところも、後でちょっと言おうと思っていたんですけど、安全性というところも副反応が含まれているかというのが非常にわかりにくいと思います。子宮頸がんのワクチンというのはまだまだ研究中で、完全には検証されていないはずなんですね。その説明が大変わかりにくくて、ワクチン接種のプラス面ばかりリーフレットを読むと受け取ってしまう内容になっています。これを読んだ保護者は、安全性という言葉の中に副反応が含まれているとは思うんでしょうか。その証拠に、一昨年は接種した人がたった4人しかいなかったのに、同じ時期、通知した後の接種は109人に増えているわけですので、やっぱり打ったほうがいいんだなというふうに理解した保護者の方が多かったんだと思うんですね。
 とにかく、ワクチンを接種するかどうかは、リスクの重きをどちらに置くかということだと思うんですね。新型コロナウイルスワクチンの場合は、例えば副反応によるリスクよりも集団の免疫を得るほうが社会的リスクが低いので打とうというふうに判断できるかもしれませんし、子宮頸がんワクチンの場合は、まずは検査を定期的に受ける方法と、ああ、こっちもあるんだなということがわかれば今のところは打たないでおこうかなという選択もできるわけですね。もっと言えば、いわゆる性教育というか、命の教育、自分自身がすごく大事なんだという教育が、ジェンダー教育とも言いますけど、そこに本来なら力を入れていくべきだと思います。

HPVワクチンを接種した人が増えたことを問題視する姿勢だというのがわかります。

「完全には検証されていない」というのは言葉のマジックで、多くのワクチンは承認後も継続して検証中です。

副反応が多い、という話も比較対象の設定が間違っています。

HPVワクチン反対派の論に対する私見|akima|note

なお、増田かおる議員は新型コロナウイルスワクチンの場合は接種を肯定していますが、これが12歳以下の「低年齢層の接種」が推奨されるようになった場合、どう出るのかは不明です。

フェミ議連としてのHPVワクチン反対?伊藤とし子議員の虚偽

フェミ議連の機関誌AFERのVol.97(2018.5.25発行)にて以下の項目が

・HPVワクチン被害者を取り巻く状況
 (伊藤とし子/千葉県佐倉市議 全国子宮頸がん被害者連絡会世話人 HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク)

千葉県佐倉市議伊藤とし子氏が過去にフェミ議連に所属していたかは分かりませんが、少なくとも現在は世話人に名前がありません。

彼女の近年の発言を見てみるととんでもない内容が。

千葉県佐倉市議会 平成31年 2月定例会-03月18日-06号

◆14番(伊藤壽子) -省略ー

HPVワクチンを初めワクチン接種の副反応被害が懸念されます。特に同時接種での副反応相談は、1人が一度に3種類、または5種類ものワクチン接種をしていたことが判明しました。厚労省のホームページには、ワクチンの副反応報告によると同時接種による重篤な被害、死亡例が後を絶ちません。また、一度に複数本のワクチンを接種させられる子供の身になってほしいものです。3本、5本もの同時接種は、子供への虐待ではないでしょうか。

まず「死亡例が後を絶たない」という情況はありません。虚偽です。

「重篤」という言葉が使われれている副反応疑い報告は、確かにあります。
※率としてサーバリックスが100万分の79、ガーダシルが97。

しかし、必ずしも重篤でないものも「重篤」として報告されるケースがあり、重篤とされる全てがHPVワクチンと因果関係があるかというわけでもありません。

なお、子宮頸がんによる毎年の死亡者は以下の通りです。

子宮頸がん|公益社団法人 日本産科婦人科学会

毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり約3000人が死亡しており、また2000年以後、患者数も死亡率も増加しています。

子宮頸がんに罹る年齢層の女性人口を5000万人だとして率として100万分の60が死亡。

HPVは子宮頸がん以外の病変や病気に繋がることを考えると、さらに被害は大きいと言えるでしょう。

副反応追跡調査結果について|厚生労働省

57回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料 令和3年4月30日(金)

元世話人の皆川りうこ議員のHPVワクチンに対する姿勢

皆川りうこ、反HPVワクチン

第47号(2013年7月発行) – 国分寺市議会議員・皆川りうこのホームページ魚拓

皆川りうこ氏は2018年にフェミ議連の世話人となっていることが確認できますが、現在は名前の掲載がありません。

HPVワクチンについては2013年(平成25年)の時点での慎重姿勢(メディア報道に釣られている)が見えますが、それ以降の発信は見当たりません。

名古屋スタディなどの検証によって見解を変えたのかもしれません。

HPV・新型コロナウイルスワクチン不安を煽る元共同代表の会津素子

2014年時点の共同代表であった会津素子議員(成田市議会議員)

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン) | 成田市議会議員 会津素子の「えこねこ日記」魚拓

成田市  令和 3年  6月 定例会(第2回)  06月10日-04号

◆11番(会津素子君) いまだに苦しむ被害者がおります。これ以上の被害者が増えないことをただただ祈るばかりなんですけれども、成田市においては副反応についてぜひしっかりと説明をしていただきたいと思っておりますし、また厚労省が積極的な接種の勧奨をしていないんだということも、窓口で接種対象者に対して丁寧に説明をしていただきたいと思っております。

HPVワクチンについて副反応を強調して厚労省が積極的勧奨はしてないことを説明するようもとめているのが分かります。

厚労省は「勧奨」はしているという体裁です。予防接種法上の対象ですから。

たが、現実に「お勧め」をどれだけしているかというと疑問。

さて、会津議員は新型コロナウイルスワクチンについても以下述べています。

子どもへのコロナワクチンを考える | 成田市議会議員 会津素子の「えこねこ日記」魚拓

2021年8月の段階で「ワクチンは臨床試験が継続中であり、中長期的な人体への影響について明らかになっていないこと」「感染予防効果は認められていないこと」などと言っている時点で、反ワクチンと言う他ないでしょう。

成田市  令和 3年  3月 定例会(第1回)  03月02日-05号

◆11番(会津素子君) このワクチンは、人体に異質の遺伝子を打ち込み、体内でウイルスのたんぱく質を合成するという歴史上初めての遺伝子ワクチンです。将来にわたってどのような健康被害が出るのか誰にも分からないため、多くの市民が不安に思っています。そこで、健康被害が出た場合の救済制度について伺います。
 また、ワクチンを打たない市民は、今後、公共施設の利用が制限されるといった不利益を被ることがないのか、確認させてください。

◆11番(会津素子君) 最後に、周知について伺いたいと思います。これまで確認させていただきましたこのワクチンは、感染を予防するものではないということ、そして任意接種であり、個人の判断に基づいて接種されるものであるということ、また健康被害が出た場合の救済制度について、市民にしっかりと周知を行っていただけるのでしょうか。確認させてください。

「人体に異質の遺伝子を打ち込み~」ということを強調してるのはワクチン陰謀論と同様です。

感染予防効果」については、確かに「臨床試験で十分に示されていない」が、それは感染予防効果を臨床試験で見ることは難しく時間がかかるためリアルワールドでの疫学的結果等を見るようにしたからです。

厚労省のアドバイザリーボードが5月に提出した資料にもその旨は乗っていますが、同時に疫学的な感染予防効果の報告が世界各国から上がっていることも載せています。

諸外国で実施されている疫学研究等により、徐々に感染予防効果を示す研究結果も報告されている

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https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000796742.pdf

上のページがよく拡散されますが、下のページもあるということ。

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https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00256.html

「厚労省が感染予防効果が無いと言っている」は明確に事実と異なります。

この辺りはエビデンスに関わる言葉の使い方と国語の誤解が多いので注意です。

政治的主張を混ぜ込むおかしな声明が続出しているフェミ議連

過去の声明を見てみると、それなりに理解できるものはありますが、いちいち政治的な主張が混ぜ込まれているのが気になります。
※「防衛省自衛隊滋賀地方協力本部」のポスター“陸・海・空自衛官募集! 守りたいものを、守れる人に”に対する抗議は物議を醸し、幕僚本部はポスターを撤去したが、フェミ議連の主張内容はなぜか安倍総理による政治介入がどうのこうの…というものが混ざっていた。

増田かおるなどが共同代表になった現在の組織になってからは

  • 日本学術会議会員候補の任命拒否について抗議し、速やかな任命を求めます
  • 新井祥子議員に 対する 草津町議会の除名処分と議長主導の住民投票に抗議します
  • 森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長に全ての公職からの辞任を求めます

などといった内容のものがあります。

そして先日の戸定梨香に対する誹謗中傷。

本当に女性の権利を守る目的の組織なんでしょうか?

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