みんないったい何と戦ってるんだ?
「結婚式の加害性」,『みんないったい何と戦ってるんだ?』感がもの凄い
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2022年6月28日
①弁護士A"同性婚法制化ない中で披露宴に同性愛者を呼ぶと傷つける可能性"
②それを受けて弁護士B"祝賀行事は全て加害性あるが不可避なので覚悟を決めるしか無い"
③弁護士C"結婚式の加害性に気をつけろという趣旨のツイを見た"
- 「結婚式の加害性に気をつけてほしい」の元ネタ
- 「結婚式…加害性」に関して触れるかえる氏の「火元」ツイート
- 佐藤倫子弁護士「法律婚ができない同性愛者の友人を結婚披露宴に呼んで祝ってと言うのは恥ずかしい」
- 「結婚式の加害性」ツイートの炎上に関する誤解まとめ
「結婚式の加害性に気をつけてほしい」の元ネタ
「結婚式の加害性に気をつけてほしい」
— ピピピーッ (@O59K2dPQH59QEJx) 2022年6月26日
みたいなツイを見た。
「隣の人が、毎週、ベンツの洗車をしている。慰謝料を請求したい」
みたいな法律相談を思い出した。
「結婚式の加害性に気をつけてほしい」の元ネタはこのツイートです。
冒頭ツイートの「弁護士C」ですね。
しかし、彼自身がそう言っていたということではなく、「そういう趣旨のツイートを見た」ことを受けて自身の経験を述べるだけのものです。
このツイートの後に「結婚式の加害性に気をつけてほしい」という文言のみを取り上げて批判するツイートが為されてバズっているものが複数出現しました。
では、「みたいなツイ」は何なのか?
ここで、「火元」として特定・認識されるようになったものを見ていきます。
「結婚式…加害性」に関して触れるかえる氏の「火元」ツイート
https://twitter.com/72jailbreak/status/1540877139792109568
https://twitter.com/72jailbreak/status/1540880952141828096
「結婚式…加害性」というワードを書いている かえる 氏の「火元」として炎上したツイート群がこちら。現在はアカウント削除状態になっています。
私の記事冒頭ツイートで言う「弁護士B」です。
確かに、「結婚式…加害性」というワードを使ったのはこちらが初めてです。
しかし、このツイートを注意して読んでいただきたいのですが…
「結婚式の加害性に気をつけてほしい」などとは主張していませんよね?
最後のツイートにあるように「その他祝賀行事には原理的にすべて加害性がある」ことを前提に「だれも傷つけないように中止するのは不可能なのだから覚悟を持てよ」と言っているだけです。
決して「加害性があるから配慮しろ」などと遠慮することを押し付けているものではないわけです。
細かい認識に関しても現代における事務処理実態から離れた結婚式招待の影響の分析という趣旨のツイートなので無視できる。
「加害性」などと結婚式に対して表現することが気に入らない、という主張は理解できますが、それは【自らの気持ちを他者による加害のせいだという責任転嫁のためにそういう用語法をすること】が許せないのであって、かえる氏はそういう目的で使っているのではない。
他にもたとえば「独り身に対するクリスマスの加害性」などと表現することも可能で、それはクリスマスを満喫する行為者への非難としてではなく、『そのような行為ができない、必然的に受け身になる者にとっては「周りが楽しんでいるのに自分だけは孤独であるのは情けない」というような心情になるのは理解できる』という程度の意味として使う分には許容できるでしょう。
(もちろんあまり好ましくない用語法ではあるとは思う。「加害性」という単語では、言外にどうしても行為者への非難というニュアンスが出てくるので。)
誰も傷つけないで生きることは、不可能なのだ。
— ピピピーッ (@O59K2dPQH59QEJx) 2022年6月28日
建明、債権回収、名誉毀損、離婚、交通事故、相続、労使など。
街弁の仕事は、ほぼ例外なく誰かを傷つけるのだ。
遺言作成すら、遺産をもらえない誰かを傷つける。
このツイートも、【自らの気持ちを他者による加害のせいだという責任転嫁のために「加害性」というワードを使用している】ではない。
さて、かえる弁護士は「結婚式に同性愛者の友人を読んだら傷つけてしまうかも…」という発言に対して論評を加えるツイートを出発点にしていました。
その元ツイートが存在します。
佐藤倫子弁護士「法律婚ができない同性愛者の友人を結婚披露宴に呼んで祝ってと言うのは恥ずかしい」
友人を結婚披露宴に呼んだとする。友人の愛する人は同性で、そのことをオープンにできず、自身が結婚できないことに悩んでいるかもしれない。想像しただけで耐えがたくないですか?たとえ友人がオープンにしていたとしても、自分は異性愛者だからお陰様で結婚できます、祝ってくださいなんて言える?
— 佐藤倫子 (@sato__michiko) 2022年6月25日
私が結婚披露宴をした十数年前、私は正直そんなこと1ミリも考えなかった。そして今、考えなかった自分のことを恥ずかしいと思ってる。#結婚の自由をすべての人 訴訟で川田中や麻智テレサ、もうお二人の代理人として活動することで、あのときの自分を償いたい気持ちもあるんだと思う
— 佐藤倫子 (@sato__michiko) 2022年6月25日
https://archive.ph/4aYyK https://archive.ph/lJYtO
佐藤倫子弁護士は、現行法では法律婚が認められていない同性愛者に関して、「同性愛者の友人を結婚披露宴に呼んで祝ってくださいなんて言える?私は自分が恥ずかしい」という趣旨のツイートをしていました。
私の冒頭ツイートの「弁護士A」です。
かえる弁護士のツイートの言及対象はこのツイートであるとしか思えません。
そして、これはかえる弁護士のツイートとは異なり、「結婚式の加害性に気をつけてほしい」という趣旨のツイートであると言い得る内容です。
しかし、「結婚式…加害性」という単語は用いられていないため、このツイートが元ネタであるとして騒がれたわけではありませんでした。
ただ、これは6月20日の同性婚訴訟大阪地裁判決を受けてのツイートであり、「同性婚を法的に認めろ」という主張が先にあり、「同性愛者同士の法律婚ができない同性愛者にとっての加害性」を論じているものであり、「法律婚が可能な異性愛者をも含めた婚姻(披露宴)の加害性」に関する指摘ではない。
少し話が本題から逸れるが、佐藤弁護士の主張に対しては以下が指摘できる。
別に披露宴は法律婚とは関係なくできるし、実際に同性の結婚式は何度も見たことがありますけど親族が参列しているケースもありますから、結局は周りの理解が大事。
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2022年6月26日
法律婚に拘らずに祝ってあげる事は可能なので"政府に承認されないとダメだ"というこのツイートの思い込みの方をどうにかするべきでは? https://t.co/kGul77ItvX
「法律で認められてるから結婚を祝う空気がある」のではないですからね。
夫婦が共同生活を営むこと=結婚を祝う慣習があるから法律で保護を与えたわけで、順番が逆なんですよ。明治憲法以前は法律婚なんてなかったでしょと。
「結婚式の加害性」ツイートの炎上に関する誤解まとめ
- 佐藤倫子弁護士による「同性愛者同士の法律婚ができない同性愛者にとっての披露宴に呼ぶことの加害性」ツイート⇒「結婚式の加害性に気をつけろ」と言っているツイートとして選ぶなら本来はこちらの方、ただし言及対象が限定されている
- 佐藤弁護士のツイートを受けたかえる弁護士による「結婚式その他の祝賀行事には原理的に加害性がある」が「だれも傷つけないように中止するのは不可能なのだから覚悟を持てよ」ツイート⇒「結婚式の加害性に気をつけてほしい」の元ネタとして認識され、ツイート内容を盛大に誤解されて攻撃を受ける
- いずれかの言及か不明だがピピピーッ弁護士による「結婚式の加害性に気をつけてほしい みたいなツイ見た」ツイート⇒先にワードが認知され拡散されたのはこちら
「結婚式の加害性」ツイートの炎上に関する誤解をまとめるとこんな感じです。
先にワードが認知され、後で「結婚式の加害性に気をつけろと言ってる元ツイートが特定された」と思い込まれたが、実際の趣旨は異なる(むしろ真逆と言い得る)内容のツイートであるにもかかわらず、盛大に燃やされてアカウント削除に至った、ということです。
おそろしいですね。
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