事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

NHK「マスクは顔パンツ?しらべてみました」⇒ツイート削除・文章修正:ネット上の不用意な言葉や認識をメディアが安易に取り上げる問題

安易に「民間の声」を使用してバズらせようとする公共放送とは

NHK「マスクは顔パンツ?しらべてみました」

https://archive.ph/HuzOT

NHKが「マスクは顔パンツ?しらべてみました」などという記事を書きました。

さすがにこれはおかしいでしょう。

NHKはツイート削除・文章修正「不快感を示す意見が寄せられたため表現を改めました」

魚拓

※当初の記事で、「人前で外せない」との意味でマスクを下着に例えた表現を用いましたが、不快感を示す意見が寄せられました。このため表現を改めました。また、この記事はマスクが必要な方に、外すことを求めるものではありません。

NHKはツイート削除し元記事の文章も修正されています。

「顔パンツ」は有名な言葉なのか?若者において広まっているのか?

NHKの記事が出されてから跳ね上がってますが、それ以前はほとんどつぶやかれていません。NHKの記事でも「多くの人に使われている」という事は書かれていません。

中国新聞デジタルマスク外せない若者 もはや「顔パンツ」2021/12/5(最終更新: 2021/12/17)

過去のメディア記事「ネットではマスクを「顔パンツ」と例える人も少なくない。」として当該単語を挙げる所もありました。

同時期の12月9日にモーニングショーで「マスクは顔パンツ」として番組の一部が構成されています。この12月初旬の際にトレンド入りしたようですが、このように、「メディアが報じるから話題になっている」程度

それ以前に「マスク」を「顔パンツ」とする投稿は、5日間誰も投稿してないことなどザラにあります。そのような用語法を肯定するものになるとさらに少ない。

さらに遡っても、やはり報道をきっかけに知る人のツイートが目立ちます。

しかも当該単語は、新型コロナ禍以前から存在していました。以下のツイートが現在までで最もリツイート等されたものと思われます。

ネット上や民間の不用意な言葉や認識を安易に取り上げるNHKの傾向

つまり、公共放送であるNHKが当該単語を取り上げるべき必然性があるとは言えないのではないか?

今回のように、そんなに市民権を得ているとは言えない、ネット上や民間において使われている不用意な言葉や認識を安易にマスメディアが取り上げることで、そのような用語法が大拡散され、認識が再強化されるということがあります。

中には「ネット上のトレンド」をゼロから創り出すメディアもあります。

NHKに関して言えば「女性に対するAED」の記事などが同様の事例としてあります。

※NHKは6月の炎上からしばらく記事をシェアしなくなったが9月末に再度問題記事をシェアするようになった

NHKが「ネット上の声」として「セクハラと勘違いされて通報されるのでは…」という無根拠の心配を取り上げ、さらには特定の専門家による「配慮する方法もある」という言葉を使ったことで、SNSではそのような認識が正当であるとする投稿で溢れ、女性に対するAEDの使用が忌避される方向のナラティブが発生しました。

しかも、SNS上で法的な現状を整理する弁護士に対して、「いやだいやだ!自分は被害者になりたくない!」などと言いながら誹謗中傷をする者が大量発生するという、実に醜悪な展開が起きました。

これらの問題は多数の者が疑義を呈してきました。

しかし、NHK記事で解説している専門家が根拠とする論文やリサーチの結果を見ると、「男性でもAEDが使われにくい」「女性も女性へのAEDをためらう」といった傾向があるということは無視されています。

私は、「配慮」と表現される行為が、救急救命の現場におけるオプションを提示することになるという、良い方向にも使えるものとして捉えるべきだと書きました。

同時に、NHKは別のAEDに関する記事で良質の情報を提供・啓蒙をしているということも、何度も指摘してきました。

最近のNHKのWEB記事には、「バズり」を期待してるのか不用意と評価せざるを得ないものが稀に見られるのですが、今回のもそういった傾向を感ぜざるを得ません。

指摘を受けて修正したのがせめてもの救いでしょうか。

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