事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

TBS 尾身会長の取材記事で『尾身会長「”オミ株”は…」』と記述、不適切では

水俣病や川崎病の教訓を無視した行為

TBS 尾身会長の発言で「”オミ株”」と記述

魚拓

尾身会長「“オミ株”はテーブルの人数制限だけでは不十分」19日 14時24分

TBSが尾身会長の発言で「”オミ株”」と記述していました。

ツイートだけではなく記事のタイトルがこのようになっています。

この記事は1月19日の尾身会長の囲み取材の発言について報じていました。

ダブルクオーテーションでくくり、名称の後にかっこを付けているということは、尾身会長自身が略称としてそういう発言をしたのでしょうか?

1月19日尾身会長囲み会見ノーカット

1月19日の尾身会長囲み会見ノーカット動画としてテレ東BIZのYoutubeチャンネルの動画を掲載しておきます。

37分以上の内容ですが、尾身会長自身がオミクロン株を略して「"オミ株"」などという発言をメインとして使っていたという事実はありません
※聞き漏らしがある可能性を考えて控えめに表現するが、少なくとも尾身会長は何度も「オミクロン株」と発言しており、特に略称を発話したことが特徴的なものとして扱うべき実態は不存在であると言える。

TBSによる発言の捏造?

TBSは『オミ株』という略称をして記述したことがありますが、全て『""』=ダブルクォーテーションではない形式でした。『オミクロン株』という記載の仕方の方が圧倒的に多数です。

なお過去のTBSの記事では誰かが発言した内容として""で括っているものがいくつも見つかりますが…

TBSがオミ株

中国“国際郵便が感染源” 送り元カナダ「とっぴな考え」19日 16時49分

""にかっこを付けているものは他にも『"まん延防止策"』など、見出しとしてインパクトを出すために使っている用語法もあるようで、必ずしも発言を抜き出したものではない。

しかし、今回は【尾身会長「“オミ株”はテーブルの人数制限だけでは不十分」】という表記。これは「」でさらに括っているので、尾身会長が実際に発言したとしか思えない。

タイトルを短くするため、という可能性も検討してみましたが、今回のタイトルは全角27文字に対して、30文字以上のタイトルの記事も普通に存在していることから略す意義も見いだせません。

また、囲み取材において"オミ株"という略称が使われたこともないですし、そのような用語法をするべき必要性が見いだせる状況もありません。

さらに…

従前は「尾身会長」の話として報じる際も「オミクロン株」と記述していました。

したがって、TBSの今回の用語法は不適切だろうと思います。

TBSは都知事時代の石原慎太郎の「私は日韓併合を100%正当化するつもりはない」という発言があったものを、サンデーモーニングにおいて「私は日韓併合を100%正当化するつもり」というテロップで紹介し批判した前科があるため、不審に思います。

WHOの感染症の命名ルールと「スティグマ・偏見」

また、TBSにそのような狙いがなくとも、別の問題があります。

 

WHOは2015年5月のWHO感染症命名ベストプラクティスに従っているとしています。

名前や地名に対する誹謗中傷を避けるため、ということですが、その懸念がまったくないとは言わないがXi株を「そういう姓の者が多いため」というウソまでついて回避しています。

既に日本では以下のように尾身会長と関連付けて揶揄する形での言及があるだけに、TBSの略称は不必要なものであるし、無用なニュアンスを感じさせるもので不適切だと思います。

※追記:TBSは記事タイトルを変更して前掲ツイートを削除し、新たに以下ツイートしました。

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