「任意の中止要請」ではなかった。
- 埼玉県大野知事6月12日記者会見
- 埼玉県営プール水着撮影会禁止で「許可証が出なかった」
- 埼玉県公園緑地協会「不許可処分と許可処分の取消しが含まれる」
- 大野知事『特定の政治団体からの意見で「左右」されることはない』
- 許可条件「を着ていないようにみえるもの・衣装をずらす、足を大開脚するポーズはNG」
埼玉県大野知事6月12日記者会見
埼玉県大野もとひろ知事の6月12日記者会見にて、複数社の記者から水着撮影会の中止要請事件について質問がありました。
それをベースに気になる部分に触れていきます。
埼玉県営プール水着撮影会禁止で「許可証が出なかった」
知事
まず結論から言うと適切でないので是正を求めました。これは1つです。ただ、すいません、5日に許可証の申請が出ていて8日に判断をするというものが、直前になってというふうにいえるかどうかというのは、私にとっては決して、3日間の間に許可証が出なかったということですが、それをもとにして、いわゆる先ほど申し上げた抽選をして当初枠を取っていたわけですけども、この要請ということになったという、その日程感自体は、私は申請があったのはその段階ですから、あとはその細かな具体については、どういった形でこれをコントロールしていくかとかですね、あるいはそのルールを作って、お互いに合意をして当然契約するわけですから、そこについては公園緑地協会にお聞きいただきたいと思います。
大野知事の発言で気になる表現が。
2月に抽選会が行われ、枠の確保が為されたのちに許可証の申請が為されて、「許可証が出なかった」例についての言及。
これは「不許可処分」ではないのか?
ということで今回問題になった埼玉県営の公園・プールの指定管理者である公益財団法人「埼玉県公園緑地協会」に電話で話を伺いました。
埼玉県公園緑地協会「不許可処分と許可処分の取消しが含まれる」
結論から言うと、埼玉県公園緑地協会の「中止要請」に対する認識は「不許可処分と許可処分の取消しが含まれる」というものでした。
許可証が出されなかった主催者も居れば、許可証が出た後に「中止要請」が為された主催者も居たとのこと。
話し言葉としては「中止要請」という言葉が使われてても、法的な意味としては任意の要請ではなくて行政処分だったということ。
詳細は聞いてませんが、2月に応募が行われ、抽選や日程枠の確保があり、許可条件を説明するなど事前協議があって仮予約のような形が出来たところに許可証の申請が為されて最終的に発行されるという手続でした。
(そのため、「3日で許可不許可の判断が出るのは早すぎる、なので、きちんと精査できていないのでは?」という論じ方は意味が無いと思われる)
したがって、真正面からの行政処分と言ってよいんじゃないでしょうか。
ただ、これは埼玉県知事の指導によって「中止要請が撤回」されています。
6月10日に予定されていた株式会社エーテルの事案は、もし今後撮影会の機会が与えられるとすれば、それは新たな許可処分と言えるでしょう。
他の主催者で許可証が発行されてから「中止要請」が為されていた所は「取消し処分の撤回」ということになりそうです。
その関係で、以下で書いた事案整理の一部分で変わる所が出てきます。
大野知事『特定の政治団体からの意見で「左右」されることはない』
朝日
ツイッターの方で「特定の政治団体に左右されてはいない」というふうに投稿されてると思うんですけれども、これをツイッターの方で記載された経緯と言いますか、なぜなのかという辺りを伺えたらと思います。
知事
特定の政治団体からのというようなことがいろいろ言われていたものですから、県は御存じのとおり、今日もありましたけども、各党とかですね、市民団体さんとかですね、そういった方々から様々な御要望を頂いています。もちろん県議会は県民に近いところで御意見を受け止めて、要望にお越しになるのであろうから、当然それは県政運営の参考に、どの政党であっても同様にしているところでありますが、他方、特定の政党の意見で判断が左右されるということはありません。それはあらかじめ、そういった御意見がいろいろあったんですけれども、私どもへの「知事への提案」でもありましたけれども、それはどの政党であっても、その意見で判断を左右するということはないということを申し上げてるだけであります。
知事が『特定の政治団体からの意見で「左右」されることはない』と言ってるのは、その通りだろうなと。意見があったのは否定していない。
県に対しては、政治団体からの意見もあった。市民からの意見もあった。
が、今回は埼玉県公園緑地協会の方で決定したこと。
(ただし、本当に純粋な市民なのかは確認のしようがない。元共産党議員や共産党員だということを隠している者が純粋な市民然としている場合もある。例えばこの例)
ただ、緑地協会が本当に共産党からの申入れと関係なく判断したのか?は、検証のしようが無い。協会が県に対して「左右されました」なんて報告するわけないから。
この点、産経の質疑では「許可条件に違反した場合には次回以降の開催時において制限を設ける」ということが明確に書いてあったとしています。
産経
12月に定めたルールをですね、適用されたというお話で、もちろん恐らくその定めたルールというのがですね、しらこばと公園の撮影会開催ルールのことを指していらっしゃるのかと思うんですが、そのルールを読ませていただきますと、中の方にですね、予約制限のペナルティについての項目がございます。こちらの方でですね、許可条件に違反した場合であるとか、あとは正当でない理由でキャンセルした場合というのは、次回以降の施設の予約調整の際に制限を付けるというふうに明確に記載があります。あとは撮影会の許可に当たって、その許可証を公園の方が発行してるようなんですが、その許可証によりますと、内容の方がですね、施設管理者が不適切として判断した場合に申請者が直ちに改善を求めたりとか、あるいはそれでも事態が改善しない場合に、利用停止を含めた措置を講じることができると書いてあるそうです。
ならばなぜ、ルール違反の無い主催者のイベントも「中止」ということになったのか。
指定管理者側(個々の会場)の判断過程には非常に不可解なものがある。
県協会、4団体に謝罪 県営公園での水着撮影会中止要請めぐり:朝日新聞デジタル
協会によると、しらこばと公園では職員が過激なポーズを目にしたことがあったため、条件を作り4月から適用。「法律家に相談はしていない。他公園についても同様のルールを作るつもりだったがやりきれていなかった」という。4団体には12~13日に謝罪した。
中止を一律に要請したのは、4月以降に同公園であった撮影会でルール違反が判明したことなどを機に、「主催者側でコントロール出来ず、協会側でも管理しきれない。今後も違反が起きないとは限らない」と考えたからだという。「県営公園を預かる立場として違反が起きては困るという考えだった。知事の指導を真摯(しんし)に受け止める」と話す。
協会が管理する県営公園でプールがあるのは3カ所。今年度中は同公園の条件を他に適用し、秋以降専門家らによる会議を開いてルールを検討するという。
「今後も違反が起きないとは限らない」から、違反をしていない主催者についても開催日直前に許可しない、という判断は、異常に映ります。そんな事を言ったら、違反があった他の行事でも同様になってしまう。
真相はどうあれ、外部からの何らかの影響を受けたのではないか?と疑問を持つことは、自然な反応だと言えるでしょう。
許可条件「を着ていないようにみえるもの・衣装をずらす、足を大開脚するポーズはNG」
水着の中学生モデルが被写体に…“撮影会中止要請問題”で議論すべきことは別にある(週刊SPA!) - Yahoo!ニュース
この主催者に配布されている許可条件というものはかなり詳細に禁止項目を記したものだ。そこには次のような内容が書かれている。
・マイクロビキニNG
・ニプレスやインナーだけの着用はNG
・貝殻ビキニNG
・服を着ていないようにみえるものはNG
・衣装をずらす、足を大開脚するポーズはNG
具体的な許可条件がメディアに公開されていたようです。
その中で、「ルールに違反した」とされる主催者のイベントにおいて実際に何があったのか?について触れている記述がありました。
そこで、今度は埼玉県公園緑地協会に取材をしてみた。まず、しらこばと水上公園だけ許可条件が策定された理由を尋ねてみた。担当者の語った理由は、こうだ。
「しらこばと水上公園で開催される撮影会は開催規模が大きく、参加人数も多いため主催者の目の届かないことが目立っていたことが巡回で確認されました。そのため、許可条件を策定したのです」
いったい「主催者の目が届かない」こととはなにかを訊ねてみると……
「カメラマンの要求でモデルさんがサービスで衣装をずらしたりしていました」
緑地協会が具体的にどのような態様を指してこのような発言をしているのかは定かではないものの、少女らのポージング等による自己表現の要素が無くなり個々の客へのサービスの要素が強まってくると、その内容・程度によっては埼玉県青少年健全育成条例や労基法に違反することになりかねません。
もっとも、仮にそのような事実があるのであればとっくに摘発されてるはずです。
関連したものとして以下の記事を置いておきます。
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