事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

上野千鶴子「武蔵野市住民投票条例案は住民の7割が賛成・否決議員の落選運動を」アンケート回答者509人の7割

上野千鶴子武蔵野市住民投票条例案

上野千鶴子はよっぽど悔しかったのだろうか。

 

上野千鶴子「武蔵野市住民投票条例案は7割が賛成」

上野千鶴子が「武蔵野市住民投票条例案は7割が賛成」「否決した議員の落選運動をやったらよい」とツイート。

この「住民の7割が賛成」についてはソースがあります。

「7割が賛成」のソースは2021年3月実施のアンケート

武蔵野市住民投票条例案7割賛成アンケート

武蔵野市住民投票条例(仮称)骨子案に関する無作為抽出市民アンケート実施結果

「7割が賛成」のソースは2021年3月実施のアンケートです。

無作為抽出の2000人にアンケート用紙を送付したら509人の回答があったというもので、外国人への投票権付与については回答者は508人。73.2%が賛成でした。

アンケート実施時期(2021年3月)の言論状況

さて、2021年3月というのは、本条例案についてパブリックコメントが展開されていた時期でした(同年8月にもより具体化した条例案についてパブリックコメントを実施)

このアンケートは、3月のパブリックコメントに付随してなされたもので、武蔵野市の同じページ内に置かれています。

しかし、Googleで同時期の報道記事を検索しても何も出てきません。

Twitterでも上掲ツイートと武蔵野市議川名ゆうじ氏のブログが僅か1件が本人によってシェアされているだけです。

あれこれ考えてみた 武蔵野市住民投票条例骨子案 : 武蔵野市議 川名ゆうじ blog

もっとも、彼は外国籍住民の投票参加に肯定的な立場。

武蔵野市住民投票条例案アンケート意見募集結果

つまり、【外国人に投票権を付与すること】を市民が広く知り得る状態ではなかった。

さらには住民投票条例の意義すらほとんど理解されていないままだった。

ちなみに、3月のパブリックコメントで提出された意見はたった6人による16件

意見交換会も3人が参加して25件の意見が寄せられたのみ。

8月も意見総数125件、市民意見交換会参加者10名であり、政治に詳しい者の中でもコアな人たちくらいしか政策の存在すら知らなかったという状況だと言ってよい。

※「市政だより」「市議会だより」などで各家庭に配布されていたかどうかは不明。そういう主張は賛成派からも出ていない。

そういう状況でアンケートに積極的に回答するのは、住民投票条例案に賛成の人が多くなるだろう、ということが予想されます。

他方で、武蔵野市の住民投票条例を考える会が12月中旬までに行った街頭署名では約4200筆が集まっています。ネット上の署名は19445名ですが武蔵野市民の内訳は不明。

武蔵野市民に限った署名ではないのは、本件が全国的に波及する問題だからです。

また、本署名をもって議会に対する請願をしているのですが、この数字自体をもって民意とする趣旨ではない。これも本件に関心のある者が積極的に署名したものであることに注意が必要。

情報提供の状況は住民投票条例の制度趣旨からしてどうなの?

松下玲子市長は「議会で行政報告をしている」などと言っていますが、住民投票条例の制度趣旨は、【個別の問題や事柄において、市長と議会がどうしても市民全体の意向と違う方向を向いているという状況】を是正するためのものです。

ですから、住民の代表たる議会に対して説明しただけでは不十分で、住民との関係で直接的に周知することが理念からして当然なのですが、そうではなかったということ。

ということは、別の目的があったのでは?と疑われても仕方がないでしょう。

松下玲子武蔵野市長「騙し討ちでは無い、議会で行政報告した」:外国人住民投票否決に - 事実を整える

武蔵野市の住民投票条例案否決:外国人投票権と松下玲子市長の問題点|Nathan(ねーさん)|note

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https://www.youtube.com/watch?v=wShE9wlJeuM

市議会だより(平成30年~)|武蔵野市公式ホームページを見ても、住民投票条例についての記述は不十分だし、外国人への投票権付与は一切触れられていない。

ところで、今回の住民投票条例、反対派の議員の理屈が「周知が不十分」「日本人と同じ条件はマズイ」なので、ここを修正したら通る可能性が高いですよ。

手続や条件でなく、キチンと外国人の参加自体の問題を論じてる人を支持して行かないと今後は厳しいですね。

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